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研究概要一覧


【ポスドク参加型】

「光と制御」(領域総括:花村 榮一 千歳科学技術大学光科学部 教授) 8件

氏 名 機関・所属・役職 研究課題名 研究課題概要
東 正樹 京都大学化学研究所助手 強相関遷移金属酸化物における光機能の探索 遷移金属酸化物は磁性体や触媒として、また高温超伝導や巨大磁気抵抗効果の舞台として広く利用され、盛んに研究されてきた。一方、大容量・高速の光デバイスを支える材料として、この遷移金属酸化物を利用しようという研究も盛んになりつつある。本研究では人工ダイヤモンドに使われる高圧合成法など、様々な合成法を駆使して、磁性と光機能を併せ持つ新材料を探索する。
近江谷 克裕 産業技術総合研究所人間系・細胞機能操作研究グループグループリーダー 光制御可能な細胞発光素子の創製 生物の中には光のOn/Offによって細胞機能を制御するシステム【生体光スイッチ】が存在する。一方、多彩な発光色を持つ生物発光システムが単離され、本システムを導入した発光細胞がセンサー化されつつある。本研究では究極の光⇔光制御システムの構築を目指し、生体光スイッチをコンポーネント化、光によって自由に且つやさしく細胞発光素子を操る技術の創製を目指す。
孫 洪波 日本学術振興会 リサーチアソシエート 2光子誘起高分子化に伴うフォトニック結晶の作成とその応用 2光子誘起高分子化によって、世界に先駆けて有機材料のフォトニック結晶作製に成功した。この技術によって、サブミクロンの3次元構造を自由自在に加工できる。これによって、多機能性を備えた光制御特性を持つフォトニック結晶材料の設計と製造を行い、さらに有機光デバイスへの応用を試みる。
竹内 繁樹 北海道大学電子科学研究所助教授 光子数状態の生成と制御−光子数マニピュレーションの実現− 光子を用いた量子計算暗号・量子計算の実現に向けて、本研究では、パルス内の光子数を自在に制御する「光子数マニピュレーション」の実現を目指す。その方法としては、「独自の光子数検出器を活用してパラメトリック蛍光対の一方を検出しもう一方の射出を動的制御する方法」、ならびに「光導波路に閉じ込められた単一分子等からの発光を利用する方法」について研究を進める。
田中 雅明 東京大学大学院工学系研究科助教授 半導体をベースとした磁気光学結晶の開発とデバイス応用 V-X族化合物半導体をベースとした半導体磁気光学結晶を作製し、光の非相反性がもたらす巨大な磁気光学効果を実現する。エピタキシャル成長とバンド/光波エンジニアリングを駆使することによってその物性機能を設計・制御し、21世紀の光情報通信システムに必要な磁気光学デバイス等、新機能デバイスの基礎を築く。さらに“磁性・スピン”と“半導体エレクトロニクス”を融合した物質科学とデバイス工学の新分野を切り拓く。
鳥本 司 北海道大学触媒化学研究センター助教授 光化学的に構造制御したナノ複合機能材料の創製 ナノメートルサイズで高度に構造規制されたデバイスを作製するためのアプローチとして、自己組織化によるナノ構造形成が注目されている。本研究では、半導体ナノ粒子が引き起こす光化学反応と高度に単分散化されたナノ粒子の持つ自己組織化とを組み合わせ、半導体および金属ナノ粒子からなる複合粒子の構造規制を行うとともに集積化することで、ナノ複合機能材料の創製を目指す。
溝川 貴司 東京大学大学院新領域創成科学研究科助教授 強相関物質表面での光励起状態の光電子分光 強相関物質では、電子間相互作用や電子格子相互作用のもたらす様々な秩序状態が競合する場合がある。複数の状態の競合下にある系では、その電子状態が光励起によって劇的に変化すると期待される。本研究では、強相関物質表面を舞台として、光励起による電子状態の変化を角度分解光電子分光を用いて観察し、強相関物質の新しい光機能を探索することを目指す。
守友 浩 名古屋大学理工科学総合研究センター助教授 放射光X線粉末構造解析による光誘起相転移の研究 多くの物質では、光誘起により相転移が誘起される現象(光誘起相転移)が知られている。しかしながら、「この現象は通常の温度・磁場・圧力誘起の相転移現象と同じなのか?」、「相転移であるならば、外場(光強度)に対して秩序変数が変化するのか?」等の疑問が残されたままである。本研究では、高輝度である放射光X線を利用して、光励起状態の構造物性を光強度の関数として決定し、これらの疑問に答えてゆく。
*下線部は研究の実施により期待される技術の発展や新技術の創製を示す。

This page updated on November 12, 2001

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