科学技術振興事業団報 第181号
平成13年10月4日
科学技術振興事業団
東京大学医科学研究所

一塩基多型探索で15万ヶ所に到達

 科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)と東京大学医科学研究所(所長 新井賢一)は、ミレニアム・プロジェクトの一環として東京大学医科学研究所と科学技術振興事業団の共同研究(研究代表者 東京大学医科学研究所 中村祐輔教授)により実施されているSNP(一塩基多型)探索において当初の目標である15万ヶ所のSNPを予定より6ヶ月早く見出した。
 本研究はヒトゲノムの多様性を表すSNPを探索し、これを公開することを目的としたミレニアム多様性プロジェクト研究の根幹をなすものである。本成果は、特に遺伝子部分に焦点をあてて、24人分の日本人DNAを用いて、約1億塩基対に相当する部分をシークエンス解析した結果として得られたものであり、ほぼ全ての遺伝子に複数個のSNPを見出したことになる。これらのうち、新規のSNPは約80%であった。この結果は、12月に公開される予定(現在の公開データは約10万5千)。速やかに情報を公開することで、疾患関連遺伝子の探索、薬剤感受性や副作用などの解明を加速することにつながり、ゲノム創薬やオーダーメイド医療の実現に大きく寄与するものである。
 多型情報データベースのURLは、http://snp.ims.u-tokyo.ac.jp/。なお、公開される多型データに関連する遺伝子情報などは、科学技術振興事業団が開発し公開しているHOWDY(ヒトゲノム情報統合データベース)より取得できる。HOWDYのURLは、http://www-alis.tokyo.jst.go.jp/HOWDY/。
 今回の成果は、遺伝子領域に観点をしぼった世界に例をみない大規模なSNPの発見となる。

補足説明

参考 一塩基多型探索とその応用について

 
問合せ先: (研究内容について)
   中村 祐輔
   東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター    
   〒108-8639 東京都港区白金台4−6−1
   TEL:03-5449-5372 FAX:03-5449-5433

(事業について)
   黒田雅子
   科学技術振興事業団 データベース開発部バイオインフォマティクス事業推進室
   〒102-0081 東京都千代田区四番町5−3
   TEL:03-5214-8491  FAX:03-5214-8470

   高橋良了
   東京大学医科学研究所 事務部
   TEL:03-5449-5202 FAX:03-5449-5403
 

This page updated on October 4, 2001

Copyright©2001 Japan Science and Technology Corporation.

www-pr@jst.go.jp