平成13年度 バイオインフォマティクス推進事業における研究開発課題 採択課題一覧


 
情報科学と生物科学との融合型アプローチによる研究開発
1) 研究開発課題: 遺伝子破壊株イメージ・マイニング
代表研究者: 森下 真一 東京大学大学院新領域創成科学研究科 助教授
概要:  出芽酵母全遺伝子約6000種の遺伝子破壊株の細胞状態変化を顕微鏡により追跡した画像情報を収集し、画像から特徴的な細胞状態の変化を追跡・抽出するイメージ・マイニング技術の開発、および遺伝子情報との因果関係を推測するデータ・マイニング技術の開発を行う。
 
2) 研究開発課題: インタラクトーム解析からの生物知識獲得
代表研究者: 伊藤 隆司 金沢大学がん研究所 教授
概要:  蛋白質−蛋白質、蛋白質−核酸及び蛋白質−脂質相互作用のカタログ化から機能解析にわたる系統的解析を行う。これと連動して「既存知識に基づく解釈支援システム」及び「生物知識発見支援ツール」を開発し、相互作用データからの生物知識獲得に必要な技術の確立を目指す。
 
3) 研究開発課題: 線虫C. elegans発生過程のシステム解析
代表研究者: 大浪 修一 システムバイオロジー研究機構 理事
概要:  線虫の細胞系譜データを収集し、多細胞生物の線虫初期発生システムの計算機科学的解析等を目指す。このために、大規模突然変異体細胞系譜測定、細胞系譜データを用いた遺伝子機能ネットワーク推定アルゴリズムの開発、シミュレーション技術開発、パラメータ測定技術開発等を行う。
 
4) 研究開発課題: ショウジョウバエ脳神経回路の徹底解析にもとづく感覚情報処理モデルの構築
代表研究者: 伊藤 啓 岡崎国立共同研究機構 基礎生物学研究所 助手
概要:  脳全体の回路図を作成し、計算機上での動作再現することを目的として、ショウジョウバエ脳神経回路の解析結果をデータベース化することにより、脳回路図を作成し、感覚情報のコード化、異種の信号の統合過程等について計算機シミュレーション及び実験的検証を行う。
 
情報生物科学に関する創造的な研究開発
1) 研究開発課題: ヒト遺伝子の転写・発現の多様性解明を目指した基盤データベースの開発
代表研究者: 矢田 哲士 東京大学医科学研究所 助教授
概要:  信頼性の高い独自のプログラム群を活用し、ヒト遺伝子の高品質カタログを作成、さらに、それらの転写や発現に関するin vitro/vivo/silicoデータをデータベース化する。これにより、選択的スプライシングやプロモータ強度の予測等の新しい研究展開を促す。
 
2) 研究開発課題: 高速計算機システムによる蛋白質フォールディングの研究
代表研究者: 肥後 順一 東京薬科大学 生命科学部 教授
概要:  ペプチドの立体構造解析のための並列型専用計算機システムと並列化アルゴリズムを開発し、水分子存在下での蛋白質フォールディング計算を行う。また、分子会合、蛋白質機能等の計算アルゴリズムを用いた手法を確立する。
 
3) 研究開発課題: ゲノム進化とマッピングの階層モデルと解析アルゴリズムの開発
代表研究者: 岸野 洋久 東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授
概要:  分子進化速度の変動、ウィルスの免疫適応過程、進化の過程での遺伝子の得失、蛋白質の進化等のモデルから、ゲノムに記録されている生物の多様化と適応進化の痕跡を検出する確率論的手法を構築するとともに、ゲノム上の重要遺伝子をマッピングするアルゴリズムを構築する。
 

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