科学技術振興事業団報 第168号

平成13年7月31日
埼玉県川口市本町4−1−8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報室)

「セラミックス充填シース型熱電対」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 沖村 憲樹)は、東京工業大学名誉教授 福長脩氏らの研究成果である「セラミックス充填シース型熱電対」を当事業団の委託開発制度の平成10年度課題として、平成11年3月から平成13年3月にかけて株式会社いすゞセラミックス研究所(代表取締役社長 東園基政、本社神奈川県藤沢市土棚8番地、資本金4億8千万円、電話:0466-45-2727)に委託して開発を進めていた(開発費約2億円)が、このほど本開発を成功と認定した。

 鋳鉄等の金属溶湯用熱電対として、従来より、紙筒の先端に白金−ロジウム線をガラスでコーティングした使い捨て型の熱電対が使用されている。しかし、@工場で使用される量が膨大であるため大量の産業廃棄物を排出する、A性能面での個体差がある、等の問題がある。
 本新技術は、高精度で応答性が良く、かつ繰り返し使用が可能な鋳鉄等の金属溶湯用熱電対を提供するものである。本開発品は、タングステン−レニウム(W-Re)線を素線(温度検知体)として用い、それを窒化ケイ素の保護管で覆い、かつその空隙を窒化ケイ素を含む充填材で充填し、さらに保護管の周りに外部スリーブを設ける構造とすることで、高温による素線の酸化・脆化を防止し、熱衝撃に強くかつ溶湯を付着しにくいものとした。
 本開発品は、応答性及び耐久性に優れ、かつ高温領域での高精度な測定ができることから、金属溶湯のみならず、化学プラント等の腐食環境内部における温度測定等への利用についても期待される。
 本新技術の背景、内容、効果は次の通りである。

「セラミックス充填シース型熱電対」の開発に成功(背景・内容・効果)
開発を終了した課題の評価
図 本開発品の熱電対のアセンブリー写真

(注) この発表についての問い合わせは以下の通りです。
科学技術振興事業団 開発部
      
管理課長 
管理課  
夏見博康
田口正路[電話 (03) 5214-8435]
株式会社いすゞセラミックス研究所  技術第3部部長  北 英紀[電話 (0466) 43-2204]

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