開発を終了した課題の評価



課 題 名 「セラミックス充填シース型熱電対」
研 究 者 福長 脩(東京工業大学名誉教授)ほか
所 有 者 福長 脩、科学技術振興事業団、鰍「すゞセラミックス研究所
委託企業 株式会社いすゞセラミックス研究所
開 発 費 221,443,894円
開発期間 平成11年3月〜平成13年3月
評 価  鋳鉄等の金属溶湯用熱電対として、従来より、紙筒の先端に白金−ロジウム線をガラスでコーティングした使い捨て型の熱電対が使用されている。しかし、@工場で使用される量が膨大であるため大量の産業廃棄物を排出する、A性能面での個体差がある、等の問題がある。
 本新技術は、高精度で応答性が良く、かつ繰り返し使用が可能な鋳鉄等用の金属溶湯用熱電対を提供するものである。本開発品は、素線(温度検知体)として熱起電力が従来品よりも大きく、かつ融点が金属中で最も高いタングステン−レニウム線を使用した。素線を覆う保護管には、耐衝撃性及び強度に優れ、かつ熱膨張係数がタングステン−レニウムに近く、金属との反応性が低い窒化ケイ素を採用するとともに、保護管内を窒化ケイ素等で充填することにより、素線の酸化防止と支持固定を行った。さらに、保護管の周りに補強用の外部スリーブを設ける構造とした。これは、測定時の熱衝撃による影響を少なくし、かつ溶湯の付着を軽減させるためのもので、窒化ケイ素/窒化ケイ素+窒化ホウ素の積層材を巻いた構造である。
 本開発により得られた熱電対は、応答性及び耐久性に優れ、かつ高温領域での高精度な測定ができ、しかも長尺化が可能なことから、金属溶湯のみならず、化学プラント等の腐食環境内部における温度測定等への利用についても期待される。
評 価 者
新技術審議会会長 末松安晴
新技術審議会新技術開発部会長 廣部雅昭
新技術審議会委員 増本 健、石谷 炯、小村 武、高橋 清、富山朔太郎、中川威雄、増田善昭、御園生 誠、吉村 進
評 価 日 平成13年6月25日

本件に関する問い合わせ先  東京都千代田区四番町5-3
科学技術振興事業団
開発部 管理課 夏見、田口
Tel 03-5214-8435; Fax 03-5214-8999;


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