開発を終了した課題の評価



課 題 名 「炭そ病防除用微生物農薬」
研 究 者 石川成寿(栃木県農業試験場 生物工学部 応用生物研究室長)他
所 有 者 栃木県知事、出光興産株式会社
委託企業 出光興産株式会社
開 発 費 184,703,653円
開発期間 平成9年3月〜平成12年9月
評 価  本新技術は、イチゴ等の農作物の葉や茎、果実に黒色の斑点等を形成し枯死させる重篤な病害である炭そ病に対して高い阻害性を示す特定の糸状菌を苗に前接種することにより、炭そ病に対する抵抗力を高め、炭そ病を防除する微生物農薬に関するものである。
 本農薬の製造は、固体培養法によって胞子を生産・回収した後、界面活性剤などの副資材を添加し、水和剤とする。有効性については、九州地方から東北地方にわたる主要なイチゴ生産県の農業試験場において公開試験を実施し、良好な結果が得られ、また、安全性についても農薬登録に必要とされる試験を問題なく終了した。
 本新技術による農薬は、土壌に普遍的に存在する糸状菌を用いるため、環境にやさしい防除が可能、植物に定着し効果持続期間が長いため散布回数の削減が可能、耐性菌出現の心配がないといった従来の化学農薬には無いメリットを持っている。そのため、イチゴ炭そ病の防除用微生物農薬としての利用が期待されるだけでなく、他農作物や炭そ病以外の病原菌への応用も期待される。
評 価 者
新技術審議会会長 末松安晴
新技術審議会新技術開発部会長 廣部雅昭
新技術審議会委員 富山朔太郎、高橋清、増本健、吉村進、御園生誠、増田善昭
評 価 日 平成13年2月28日

本件に関する問い合わせ先  東京都千代田区四番町5−3
科学技術振興事業団 開発部 管理課 夏見、増渕
Tel: 03-5214-8435; Fax: 03-5214-8999


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