科学技術振興事業団報 第16号

平成9年4月8日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「プラズマを用いた化学的気化加工法(大口径非球面レンズ用)」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、大阪大学工学部教授 森勇藏氏らの研究成果である「プラズマを用いた化学的気化加工法(大口径非球面レンズ用)」を当事業団の委託開発課題の平成4年度課題として平成5年3月から平成8年9月にかけて株式会社ニコン(社長 小野茂夫、本社 東京都千代田区丸の内3-2-3、電話 (03)3214-5311、資本金366億6000万円)に委託して開発を進めていた(開発費470百万円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 収差の少ない大口径ガラス非球面レンズは、望遠鏡や特殊カメラ、分光器などのレンズとして利用されつつある。この大口径ガラス非球面レンズの加工はNC機械で研削、研磨など被加工物を物理的に加工する方法で行われている。このため、これらの加工法では加工変質層の発生に加え、形状精度の確保に苦心していた。
 本新技術は、反応ガスの六フッ化硫黄とヘリウムを大気圧程度にした混合ガスに高周波電圧を印加して電極近傍に局在したプラズマを発生させ、これにより化学的に活性なフッ素ラジカルと被加工物である合成石英ガラスの表面原子を化学反応させて、揮発性物質のフッ化物として蒸発除去する加工技術に関するものである。
 本新技術による加工法は、形状精度が良く、表面粗さが小さく、加工変質層を伴わないことから、大口径ガラス非球面レンズが必要とされる半導体製造関連設備や分光器、望遠鏡、特殊カメラなどの光学素子の精密加工への利用が期待される。

「プラズマを用いた科学的気化加工法(大口径非球面レンズ用)」(背景・内容・効果)

プラズマCVMの原理

加工室の概要

大口径非球面レンズの加工例

加工装置の概要

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