開発を終了した課題の評価


課題名 「低エネルギー電子線を用いた穀物殺菌システム」
研究者 林 徹(農林水産省農林水産技術会議事務局 研究管理官)
   (元 農林水産省食品総合研究所 放射線利用研究室長)
等々力(鈴木)節子(農林水産省食品総合研究所 放射線利用研究室 主任研究官)
所有者 農林水産省食品総合研究所長
委託企業 日新ハイボルテージ株式会社
開発費 98,420,322円
開発期間 平成10年3月〜平成12年9月
評価  加工食品の原材料となる穀物等は、乾燥状態であることにより表面のみに細菌等が付着することが多い。従来、それらの細菌等は過熱水蒸気殺菌法により行われることが多いが、耐熱性の細菌等に対しては完全な殺菌が困難である上、高熱処理による原材料の内部品質の低下を招く問題があった。
 本開発では、上記の問題がない殺菌システムとして、乾燥状態の食品原材料の小麦を、搬送面上で振動を与えながら回転・移動させる中で、100〜150keV程度の低エネルギーの電子線(ソフトエレクトロン)を小麦の全表面に均一に照射することにより、その表面を殺菌するシステムを完成させた。
 本システムでは、ソフトエレクトロンが照射対象物の深部には到達しない性質を利用し、穀物等の食品原材料の内部品質を低下させることなく、表面のみを殺菌することができるため、細菌等の汚染の少ない原材料を使うことが強く望まれている折り、輸送や保管の過程での細菌等の増殖を抑制できるシステムとして広く使われることが期待される。
評価者
新技術審議会会長 末松安晴
新技術審議会新技術開発部会長 廣部雅昭
新技術審議会委員 富山朔太郎、高橋清、石谷炯、吉村進、増田善昭
評価日 平成13年1月25日
本件に関する問い合わせ先 東京都千代田区四番町5-3
科学技術振興事業団 開発業務部 管理課 草野、田口
Tel 03-5214-8996; Fax 03-5214-8399;

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