科学技術振興事業団報 第15号

平成9年4月7日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「高融点材料の直流・高周波複合プラズマ溶射装置」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 中村 守孝)は、東京大学工学部金属工学科 教授 吉田 豊信氏の研究成果である「高融点材料の直流・高周波複合プラズマ溶射装置」を当事業団の委託開発課題の平成3年度課題として平成4年3月から平成8年9月にかけて日本高周波株式会社(社長 篠原 己拔、本社 神奈川県横浜市緑区中山町1119、電話 (045)939-6961、資本金1億5550万円)に委託して開発を進めていた(開発費200百万円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 セラミックスなどの高融点材料は、耐熱性、耐食性、硬度などが優れているため、鉄鋼などの構造部材表面に高融点材料皮膜を形成し、より過酷な環境下での使用を可能にする試みがなされている。しかし、従来、ジルコニアなどの非常に融点の高い材料をムラなく溶かし、鉄鋼など構造部材表面に吹き付け、均一で緻密な膜を形成することは、困難であった。
 本新技術は、アルゴン、ヘリウム、水素、酸素などを電気的に加熱して発生させたプラズマを利用して原料粉末を溶融し、金属などの部材表面に吹きつけ皮膜を形成するプラズマ溶射法において、直流プラズマ発生部と高周波プラズマ発生部を直列に配し、直流部のプラズマジェットで原料粉末を加速、昇温し、続いて高周波部で完全に溶融させ、部材表面に吹きつける装置に関するものである。本新技術により従来実現できなかった高融点材料の均一で緻密な溶射皮膜を形成することができる。
 本新技術による装置は、鉄鋼などの構造部材表面にジルコニアなどの高融点材料の皮膜を容易に形成することが可能なことから、製鉄ラインの各種装置部品やガスタービンのタービンブレードの耐熱性、耐食性、硬度向上のための表面処理などに広く利用されることが期待される。

「高融点材料の直流・高周波複合プラズマ溶射装置」(背景・内容・効果)

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