「戦略的基礎研究推進事業」平成12年度
採択研究代表者および研究課題一覧


6.研究領域「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」
研究代表者氏名 所属及び役職 研究課題名
イノウエ ハルオ
井上 晴夫
東京都立大学
大学院工学研究科
教授
水を電子源とする人工光合成システムの構築
オオタ  ケンイチロウ
太田 健一郎
横浜国立大学
工学部
教授
電気化学エネルギー変換の擬似三次元界面設計
コバヤシ ヒカル
小林 光
大阪大学
産業科学研究所
教授
新規化学結合を用いるシリコン薄膜太陽電池
タカムラ ヒトシ
高村 仁
東北大学
大学院工学研究科
講師
家庭用燃料電池実現のための新たな高効率天然ガス改質システムの構築
ツツミ  アツシ
堤  敦司
東京大学 
大学院工学系研究科
助教授
コプロダクションによるCO2フリーなエネルギー・物質生産システムの構築
ツノ  ヒロシ
津野 洋
京都大学
大学院工学研究科
附属環境質制御研究センター
教授
資源回収型の都市廃水・廃棄物処理システム技術の開発
(アイウエオ順)
総評 研究統括 平田 賢

 「『20世紀型文明』からの脱却を目指して」

 「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」は、平成10年度からスタ−トし、本平成12年度に公募を終了する研究領域である。地球温暖化問題をはじめとする最近の環境問題は、人類社会の活動の基盤を揺るがすほどの大きな問題であると同時に、大量生産、大量消費、大量廃棄の上に成り立ってきた「20世紀型文明」に抜本的な方向転換を迫る問題でもある。
 この研究領域では、特に地球温暖化を抑制するための長期的視点に基づいた新しい技術的提案を期待したが、期待に違わず、大学、国立試験研究機関、財団法人、民間企業等から平成10年度は128件、11年度は83件、今12年度は102件、この3年間の総計では、実に313件にのぼる多数の応募があった。研究統括である平田は、日頃、そのご業績、お人柄において絶大な尊敬と信頼を申し上げている8名のアドバイザーのご協力を得て、従前と同様にまず書類選考によって今年度は13件の提案を選定し、面接を行って6件の採択課題候補を決定した。
 本研究領域はその対象とする範囲が極めて幅広く、生物学的な提案から、工学的あるいは理学的な研究に至るまで、様々な研究提案が寄せられたが、地球温暖化抑制を主眼に置き、先導性、独創性、実現可能性、計画の妥当性、技術的・社会的影響度、等を考慮に入れて選考が行われた。今年度に採択された研究代表者の所属の内訳は、国立大学5名、公立大学1名となったが、今年度採択されたテーマの特長は、前年度に引き続き、21世紀初頭にもエネルギー供給のあり方に革命をもたらし、地球温暖化の抑止に大きな効果をもたらすと期待される固体高分子型燃料電池の開発が2件、及び水素社会システム構築に寄与する研究が1件含まれていることと、シリコン薄膜太陽電池の長寿命化、人工光合成が各1件のほか、最終年度にふさわしく、リンなどの資源回収型都市廃棄物・廃水処理システムというダウンストリームの研究が採択されたことである。
本年度を以て当研究領域の募集は終了するが、今後は研究の順調な進展を祈念するとともに、中間評価を厳しく行って、各研究開発グループが、予想を上回る成果を上げられることを期待している。残念ながら採択されなかった提案者の各位にも、これまでのご支援、ご協力に心からの御礼を申し上げる。

This page updated on October 5, 2000

Copyright©2000 Japan Scienceand Technology Corporation.

www-pr@jst.go.jp