科学技術振興事業団報 第144号

平成12年8月31日
埼玉県川口本町4−1−8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「可搬型蛍光X線分析装置」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 川崎雅弘)は、大阪電気通信大学工学部 教授 谷口一雄氏の研究成果である「可搬型蛍光X線分析装置」を当事業団の委託開発制度の平成10年度課題として、平成10年3月から平成12年3月にかけて理学電機工業株式会社 (社長 志村 晶、本社 大阪府高槻市赤大路町14-8、資本金2億円、電話0726-93-3800)に委託して開発を進めていた(開発費約1.3億円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 蛍光X線分析は、X線を検査試料に照射し試料中の原子の内殻電子を励起させ、この励起が緩和する時に放出される元素固有のX線(蛍光X線)を測定することにより、元素の特定及び定量を行う分析方法である。従来の装置の多くは大型で屋内設置型であっため蛍光X線分析装置の小型化を図ることによって屋外にも容易に持ち出すことができる分析装置の開発が望まれていた。
 蛍光X線分析装置はX線発生管、X線単色化装置、X線検出器及び信号処理系から構成されているが、本新技術はX線管の小型化、X線の効率的な材料への照射システムの確立および半導体検出素子の性能向上とその簡便な冷却方法の採用などにより、従来と同等以上の測定性能を確保しつつ小型、軽量化に成功したものである。本新技術による分析装置は、持ち運びが容易であるためフィールドでの元素分析(工業製品の現場検査、環境計測、発掘現場での考古学調査、犯行現場での犯罪捜査など)への利用が期待される。

「可搬型蛍光X線分析装置」の開発に成功の開発に成功(背景・内容・効果)

開発を終了した課題の評価

(*)この発表についての問い合わせは以下の通りです。
    科学技術振興事業団 開発業務部 管理課長 草野 辰雄 
 管理課  木曽原 直之【電話 03-5214-8996】

    理学電機工業株式会社  企画部 部長 多田芳史
               【電話 0726-93-7990】

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