科学技術振興事業団報 第127号


平成11年12月22日
埼玉県川口市本町4−1−8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「ラジカル制御によるプラズマエッチング装置」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、名古屋大学 工学研究科量子工学専攻 教授 後藤俊夫氏らの研究成果である「ラジカル制御によるプラズマエッチング装置」を当事業団の委託開発課題の平成8年度課題として平成9年1月から平成11年7月にかけて東京エレクトロン山梨株式会社(社長 井上康夫、本社 山梨県韮崎市藤井町北下条2381-1、電話 (0551)22-8611、資本金 22億円)に委託して開発を進めていた(開発費 約9億円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 半導体産業においては、素子の高集積化や高性能化がおこなわれており、微細加工技術の向上が必要とされている。その微細加工技術のエッチング工程には、プラズマエッチングやスパッタエッチング等があるが、高効率で大面積の微細加工が可能なプラズマエッチングが主流となっている。
 本新技術は、プラズマエッチングにおいて、プラズマに赤外線レーザを照射し、透過したレーザの強度変化により、プラズマ中に存在するラジカル密度等を計測した結果を基に、高周波電源(オン・オフ比や電力など)やガス圧、組成(O添加量)等を変化させることにより、プラズマ中のラジカル密度や雰囲気等を制御する装置に関するものである。
 本装置は、(1)プラズマ中のラジカル密度・組成の最適化が可能である、(2)エッチングの進展によりO添加量を段階的に増やすことでレジスト部と被エッチング部との選択性が向上する、等の特徴を有することから超精密加工が可能であり半導体製造用のエッチング装置としての利用が期待される。

「ラジカル制御によるプラズマエッチング装置」の開発に成功(背景・内容・効果)

開発を終了した課題の評価

図 本新技術によるエッチング装置

図 本新技術によるエッチング加工断面

※この発表についての問い合わせは以下のとおりです。

科学技術振興事業団 開発業務部 管理課長 草野辰雄[電話(03)5214-8996]
管理課  久保 亮
東京エレクトロン山梨株式会社 総務部 河西達也[電話(0551)22-8611]

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