(参考1)

採択課題の概要


 

○高精細プリンター用のマルチ対応光走査装置

 印刷等に用いられる高精細プリンター用の印字や描画のためのレーザー光走査装置。高速、高精度、広範囲な光走査が可能であり、レンズ部の締め具にシュリンクフィッタ機構を組み込むことにより温度変化に対しても精度の安定性に優れる。印刷速度が速くかつ低価格のプリント基板用高精細プリンターや印刷用プリンター用光走査装置として利用が期待される。
光走査装置

 

○機能性低分子を分散させた高分子制振材料

 高分子材料の中に圧電性、誘電性、導電性を持つ低分子を加えることにより、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、さらに熱エネルギーに変換することにより振動を効率よく抑えることが可能かつ軽量な制振材料。自動車用の軽量制振材料や建築用の効果の高い防音材料としての利用が期待される。

 外部から加わった振動(外力)は、制振材料の内部で電気エネルギーに変換された後、熱エネルギーになり、吸収される。
 

○抗肥満・抗脂血症薬

 腹腔内脂肪及び血清脂質を減少させる作用を有する化学物質である、ある種のコレステノン及びフィトステノンを用いた効果の優れた抗肥満・抗脂血症薬。今後増加が予想される肥満や高脂血症のより効果的な治療薬として期待される。
マウスを用いた体重抑制効果
マウスにおける腹腔内脂肪減少効果
(T)コレステノン  (U),(V)フィトステノン

 

○超高精度多周波数光パルス発生器

 光共振器と光位相変調用結晶を一体化することにより、単一周波数のレーザー光から複数の周波数のレーザー光(光周波数コム)を得る装置。分析機器の簡便なレーザー光源や多重光通信用の光源としての利用が期待される。

 

○アルブミン回収型腹膜透析オートサイクラー

 腹膜透析の排液からアルブミン等を分離し、これを透析液に戻すことにより従来の腹膜透析で用いているブドウ糖の使用量を少なくして腹膜透析を行う装置。高濃度ブドウ糖を使わないため長期利用が可能、かつ家庭用のコンパクトな腹膜透析液循環器として利用が期待される。

 

○紫外光により屈折率制御した光学用高分子材料

 紫外線の照射強度により屈折率の変わる新しい光感応性高分子を用いた屈折率分布型高分子光ファイバなどの光学材料。異なる材料の多層構造により屈折率分布を持たせた従来の屈折率分布型のファイバに比べ、生産性に優れ、曲げに強い特徴があり、オフィスや家庭内の光通信ファイバとして利用が期待される。

 

○可変型遺伝子トラップ法によるトランスジェニックマウス作製技術

 実験動物であるトランスジェニックマウスを高効率で作製する技術であり、ランダムに遺伝子に導入する事が可能な新しいトラップベクターを用い、従来法よりも効率良くヒト疾患に類似したモデルマウス等を作製することが可能である。作製したマウスがどのような性質をもつのかを効率良く評価する方法を確立することにより、低価格で多種類のトランスジェニックマウスを作製することが可能であり、バイオサイエンス、医薬品研究開発分野での利用が期待される。

 

○精密微調機構用圧電アクチュエータ

 圧電素子と空気圧シリンダを組み合わせ、粗動・微動機構を一体化した、小型かつ高精度のアクチュエータ(位置決め機構)。発光・受光素子と光ファイバ、導波路との位置あわせやレンズやミラーなどの光学部品の組立の際の光路、光軸調整のためのアクチュエータとして利用が期待される。

 

○脳・神経変性抑制因子を利用した神経変性疾患の予防・治療技術

 脳・神経細胞死(アポトーシス)を抑制するタンパク質(NAIP)及びNAIP遺伝子を利用した神経変性疾患(老年性痴呆、パーキンソン病、アルツハイマー等)の予防及び治療技術。神経変性疾患の予防薬や治療薬のスクリーニング・評価、同疾患の遺伝子治療への利用が期待される。

 

○酵素抽出コラーゲンを用いた神経再生用医療用具

 従来行われている神経移植とは異なり、損傷神経を再生するための医療用具であり、神経の再生を誘導する部分は3次元の不織布状構造を持つコラーゲンを用いている。外傷等により損傷、切断された末梢神経の再生あるいは脊椎損傷の治療への利用が期待される。

This page updated on October 12, 1999

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