「戦略的基礎研究推進事業」平成11年度
採択研究代表者および研究課題一覧


5.研究領域「脳を守る」
研究代表者氏名 研究者所属及び役職 研究課題名
アラハタ キイチ
荒畑 喜一
国立精神・神経センター
神経研究所疾病研究第一部
部長
DNAチップによる遺伝性筋疾患の分子病態解明
カキヅカ アキラ
垣塚 彰
(財)大阪バイオサイエンス研究所
第4研究部
部長
神経変性の分子機構解析に基づく新しい治療戦略の開発
カネコ  キヨトシ
金子 清俊
国立精神・神経センター
神経研究所疾病研究第七部
部長
プリオン複製に関与する新しい因子の同定とプリオン病治療法開発への応用
(アイウエオ順)
総評 研究統括  杉田 秀夫

「精神・神経疾患の克服を目指す先端的・独創的な研究を」

 上記研究領域の提案募集は平成9年度より始まり、3年目の平成11年度は61件の応募があった。「脳を守る」研究領域は疾患の克服を目指すところに研究の難しさがあるものの、社会の高齢化が進む中で精神・神経疾患の増加に備えると言う社会的要請があり、去年とほぼ同数の応募数になったものと思われる。応募全体の半数の30件は過去にCRESTへ応募したことがあり、この制度に対する期待の大きさが伺われた。今回の応募では、大学以外からの提案が1/3を占めたが、従来通り大学からの提案が多かった。
 「脳を守る」は近、中期未来に脳の発達障害、老化の制御や精神・神経疾患に共通する分子・細胞レベルの病因・病態の解明、更にこれらの成果に基づく治療・予防法の開発を目指しており、その為の先端的かつ独創性に富む研究を第一義的に考えて選考を行った。書類による1次選考で12名を厳選し、面接による2次選考を行った。
 面接に際しては、「脳を守る」と言う観点から研究テーマ、内容を検討した。また、研究代表者がそのテーマを遂行出来る十分な基礎知識、能力を有すると共に具体的な戦略を持ち研究を推進出来るか否かを審査した。
 慎重な選考作業の結果、最終的に3件が採択された。今年度の特徴としては(1)全て国立・民間研究所の研究者が選ばれたこと、(2)より疾患と直結したテーマが採択されたこと、(3)新しい基盤技術例えばDNAチップを用いるテーマが採択されたこと等が挙げられよう。
 3年間の募集活動を振り返って見ると、「脳を守る」領域は疾患とかなり密接な関連のある領域ではあるが、研究の発展のためには臨床学者だけでなく基礎学者或いは民間企業の研究者をも含めた息の長い多角的な総合的研究の必要性を痛感している。

This page updated on September 8, 1999

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