平成11年度さきがけ研究21 採用研究課題概要

「情報と知」 研究領域

◆ 最適パターン発見に基づく高速テキストデータマイニング

  有村 博紀   九州大学大学院システム情報科学研究科 助教授
 ネットワーク上に蓄積された大量のテキストデータから、 有用な規則性を抽出するための高速データマイニングシステムを開発します。これにより、従来の情報検索を超えた新しい情報アクセス手法の確立を目指します。

◆ 学習・生成・予測に基づく能動的な視覚認知の神経計算様式

  安藤 広志   (株)国際電気通信基礎技術研究所 主任研究員
 本研究では,視覚情報の学習・生成・予測により、能動的に3次元の情景認識や動体予測を行なう神経計算モデルを構築するとともに、動的な視覚認知の脳内計算機構を心理物理学の実験手法を用いて探究します。

◆ 知覚情報基盤における実世界情報の獲得と表現

  石黒 浩   京都大学大学院情報学研究科 助教授
 環境内に設置された多数のセンサと、それらを結びつける計算機ネットワークからなる知覚情報基盤(PII)を設計・試作するとともに、環境からの実時間での知覚情報の獲得方法と、獲得された情報の表現方法について研究します。

◆ 人工社会・経済モデルによる意思決定支援システムの構築

  和泉 潔   通商産業省工業技術院電子技術総合研究所情報科学部 研究員
 現実の社会的状況での意思決定に関する知見をフィールドワークにより抽出し、その成果に基づいてモデルを立てシミュレーションを行い、その結果を金融市場や投票行動などの現実世界での意思決定支援システムの構築にフィードバックさせます。

◆ 広域分散環境のためのセキュアなオペレーティングシステム

  河野 健二   東京大学大学院理学系研究科 助手
 インターネットなどの開放性の高い分散環境では、ユーザの匿名性を悪用した不正アクセスが問題になります。本研究は、OSによって高いセキュリティを保証し、安心して利用できる計算機環境の実現を目指します。

◆ 自律的通信パケットによる動的ネットワーク

  佐藤 一郎   お茶の水女子大学理学部 助教授
 軽量な移動プログラムを実現する記述言語を設計・実装し、通信プロトコルを個々の通信パケット内で埋め込み可能にする。そして、自律的な通信制御が可能な新しいアクティブネットワークを実現します。

◆ ヒトの発達過程における身体性とモジュール性

  多賀 厳太郎  東京大学大学院総合文化研究科 助手
 赤ちゃんの運動や知覚の発達過程での、脳や身体の生得的な複雑さと動的な変化に着目し、運動計測、心理実験、脳の非侵襲計測、計算機実験を行います。認知系の構築原理を発達の観点から解明することを目指します。

◆ プログラムの性能を理論的に考慮したコンパイラの検証と構築

  南出 靖彦   筑波大学電子・情報工学系 講師
 実行時間、必要な記憶領域の大きさなどのプログラムの性能にコンパイラが及ぼす影響を理論的に検証する枠組みを構築し、性能に関して様々な性質を保証するコンパイラを構築する基礎を確立します。


This page updated on September 7, 1999

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