研究領域


(1)戦略目標「分子レベルの新機能発現を通じた技術革新」の下の研究領域

研究領域「電子・光子等の機能制御」 研究統括: 菅野 卓雄(東洋大学学長、東洋短期大学学長)

 この研究領域は、電子や光子等の静的、動的特性を制御することで、新しい機能を発現しうる技術の可能性を探索する研究を対象とするものです。
 具体的には、 信号の発生、増幅、処理、変換等の機能を発現させるための物理的、化学的メカニズムや、その実現に向けた技術的可能性の探索を行う研究等が含まれます。特に界面を含む物質内部、表面における電子や光子等に係わる量子力学的現象の発見、解明、利用およびその具体化のための材料、構造作成技術の研究等が含まれます。

研究領域「分子複合系の構築と機能」 研究統括: 櫻井 英樹(東京理科大学理工学部教授)

 この研究領域は、有機分子や無機分子等からなる分子複合系の構築並びにそれに基づく新しい物性や機能の発現を目指す研究を対象とするものです。
 具体的には、有機分子や無機分子等が分子内あるいは分子間でさまざまな相互作用を行い、新規の物性を発現することに着目し、これらの分子の設計、分子複合系の構築、静的及び動的な相互作用の解明、さらにはこれらの知見に基づく新しい機能材料の創出に関する研究が含まれます。

研究領域「ゲノムの構造と機能」 研究統括: 大石 道夫((財)かずさDNA研究所所長)

 この研究領域は、現在急速に発展しつつある各種生物のゲノムの構造とその機能に関する研究を対象とするものです。
 具体的には、種々の生物ゲノムの構造解析、ゲノム解析技術、ゲノム機能の分子生物学的研究、ゲノム研究に関連した遺伝子やタンパク質の研究、それらの研究成果に基づく細胞の機能発現に関する研究等が含まれます。


(2)戦略目標「脳機能の解明」の下の研究領域

研究領域「脳を知る」 研究統括: 久野 宗(京都大学名誉教授、岡崎国立共同研究機構 生理学研究所名誉教授)

 この研究領域は、脳機能の解明のうち、人間たる所以の根元である脳の働きの理解を目標とする研究を対象とする領域です。
 具体的には、「脳の発生分化機構」「神経回路網の構造、機能と形成機構」「脳の高次機能(記憶、学習、意識、情動、認識と生体リズムなど)」「コミュニケーションの脳機能」の解明を目標とします。

研究領域「脳を守る」 研究統括: 杉田 秀夫 (国立精神・神経センター名誉総長)

 この研究領域は、脳機能の解明のうち、脳の老化、疾病のメカニズムの理解と制御を目標とする研究を対象とする領域です。
 具体的には、「脳の発達障害の制御」「脳の老化の制御」「神経・精神障害の機構の解明」、「神経・精神障害の修復法の開発」を目標とします。

研究領域「脳を創る」 研究統括: 甘利 俊一 (理化学研究所脳科学総合研究センター グループディレクター)

 この研究領域は、脳機能の解明のうち、脳型情報処理システムの構築を目標とする研究を対象とする領域です。
 具体的には、「脳型デバイス・アーキテクチャ(学習、連想記憶等)」「情報生成処理(認知認識、運動計画、思考、言語、評価、記憶等)システム」の構築を目標とします。


(3)戦略目標「環境にやさしい社会の実現」の下の研究領域

研究領域「地球変動のメカニズム」 研究統括: 浅井 冨雄 (東京大学名誉教授)

 この研究領域は、地球環境に関して、地球規模の諸現象の解明とその予測に必要となる研究を対象とする領域です。
 具体的には、地球規模での気候変動、水循環、地球温暖化、大気組成の変動、
生態系の変動および地球内部変動についてのメカニズムに関し、これらを明らかにするためのプロセスの研究およびそのモデルの研究等が対象となります。

研究領域「内分泌かく乱物質」 研究統括: 鈴木 継美 (東京大学名誉教授)

 この研究領域は、内分泌かく乱物質問題の本質的な理解と解決をめざした研究を対象とする領域です。
 具体的には、ヒトや野生生物を対象とした内分泌系への作用メカニズムの解明、これを発端とする生殖、神経/行動、発達、免疫等への影響のメカニズムの解明、ヒトおよび生態系に対する個別さらには複数の内分泌かく乱物質に関する量と影響、量と反応の関係の評価、それらをもとにした対策技術に関する研究等を対象とします。


(4)戦略目標「資源循環・エネルギーミニマム型社会システムの構築」

研究領域「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」 研究統括: 平田 賢 (芝浦工業大学システム工学部教授)

 この研究領域は、大量資源消費型文明社会を是正し、持続的発展を可能とする社会を構築するため、地球温暖化等の環境問題を克服し、資源循環・エネルギーミニマム型システムの構築を目指す研究を対象とするものです。
 具体的には、長期的な観点から、産業から民生に至る地球温暖化ガス放出を抑制する新たな技術の探索、生物機能を利用した水素等エネルギー源創生、温暖化ガスの固定・分解等に関する研究、また、資源循環・エネルギーミニマム型システム構築のために必要となる製品設計技術や製造技術等に関する革新的な研究等が含まれます。また、環境問題は社会システムとも密接な関係があるため、総合システム技術に関する研究も含まれます。


This page updated on March 18, 1999

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