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JST news 2014年5月号

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JSTnewsは、独立行政法人科学技術振興機構(略称JSTの広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。

Index20145月号

 

特集1

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P.03発生メカニズムをたどり、iPS細胞から立体的な腎臓組織を作成

腎臓再生医療への扉を開く

腎臓病は進行すると回復が難しく、重症化すると人工透析か臓器移植をするしかない。日本では透析患者が毎年約1万人のペースで増え、不自由な生活を余儀なくされている。他の臓器の再生医療研究は進んでいるものの、腎臓は再生のカギを握る前駆細胞(臓器を構成する細胞のもとになる細胞)をつくる見通しすら立たず、実現は極めて困難といわれていた。そのような状況の中、熊本大学発生医学研究所の西中村隆一教授と太口敦博助教らは、胎児の腎臓が形づくられるメカニズムを解き明かすことから研究に取り組み、ついに世界で初めてマウスES細胞やヒトiPS細胞からシャーレ(培養皿)での立体腎臓組織の作成に成功した。

特集2

特集2写真

 
P.08金属工学の常識をくつがえすロジウム代替合金の可能性

元素戦略が生んだ“現代の錬金術”

人類は、性質の異なる元素を組み合わせることで、優れた特性を持つさまざまな材料を開発してきた。しかし、なかにはどう工夫しても均一に混ざらないものもある。そんな水と油の関係にある金属元素同士を原子レベルで混ぜ、新しい物質をつくり出す「元素間融合」の研究が進んでいる。京都大学の北川宏教授らは、触媒として高価格で取引される元素「ロジウム」に着目。周期表上でその左右にあるパラジウムとルテニウムを原子レベルで混ぜ合わせた新合金の開発に成功し、この合金がロジウムを置き換えて余りある優れた材料であることを見いだした。この発想を使えば、埋蔵量が少ない元素や有害元素に換わる新材料をつくることも期待できる。まさに現代の錬金術ともいえる元素間融合研究の最前線について聞いた。

明日へのトビラ

明日へのトビラ写真

 
P.12感染症の診断法や魚の育種をタイで実用化

高級魚をねらう次世代の養殖技術

お寿司やフライをはじめ、さまざまな料理に使われているエビ。日本は9割を輸入に依存するエビの消費大国でもある。昨年、偽装表示と価格高騰の2つの問題によって、芝エビに似た「バナメイエビ」の名は一躍有名になった。東京海洋大学の岡本信明学長らは、主要生産国であるタイと共同研究を進め、感染症の診断法や分子育種など、市場性を強く意識した養殖技術の実装を目指している。

TOPICS

TOPICS写真

 
P.14JSTの最近のニュースから…

TOPICS

【イベント開催報告】 科学の甲子園全国大会 三重県立伊勢高等学校が優勝旗を獲得
【研究成果】 水中のセシウムを素早く測定
【研究成果】 ワクチンの効果を高める新物質の開発に成功
【研究成果】 強さとしなやかさを併せ持つ金属の作製法を開発

さきがける科学人

さきがける科学人写真

P.16研究成果最適展開支援プログラムA-STEP
探索課題「自律駆動型マイクロバルブを有する真空吸着ロボットハンドの開発」

役立つものづくりを目指しアイデアで勝負!

関西大学 システム理工学部 機械工学科 助教
高橋 智一

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表紙画像

表紙写真について

春の庭にピンクの鞠のような花が咲き、のびのび育ったアオムシも―。この一風変わった芸術的な写真は花壇ではなく、腎臓発生学の研究室で撮影された顕微鏡写真。熊本大学の西中村隆一教授と太口敦博さんは、万能細胞から立体的な腎臓組織をつくりだすことに世界で初めて成功した。ピンク色の花は血液から老廃物をこし取る糸球体、緑色は必要なたんぱく質などを再吸収する尿細管で、それぞれ蛍光染色したもの。

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