画期的なたんぱく質観察手法の開発、「科学的なお化け屋敷」イベントなど、6つのニュースをお届けします。
4月15日(水)、東京で覚書を締結するDFGのマティアス・クライナー会長(左)とJSTの北澤宏一理事長。
JSTは、ドイツ研究振興協会(DFG)との間で新たに国際共同研究プログラムを実施する覚書を締結。ナノテクノロジーの分野での国際共同研究を推進することに合意しました。2009年度より開始した「戦略的国際科学技術協力推進事業(共同研究型)」の最初の協力として、文部科学省とドイツ連邦教育研究省(BMBF)との合意に基づいたものです。
単一国だけでは解決できない、国際的に共通する課題の研究を推進することは、日本の科学技術力や外交力の強化にもつながる重要な活動です。JSTでは2003年度から「戦略的国際科学技術協力推進事業」として、政府間合意などに基づき、文部科学省が特に重要なものとして設定した協力対象国・分野における、日本と他国の研究者との間の活発な研究交流を推進。最近もスペイン、クロアチア、シンガポールと覚書を締結するなど、着実に活動を進めています。
そのなかで、これまでの枠組みを超えたより大規模な国際共同研究を実施したいという要望が、関係各方面から寄せられるようになりました。 「共同研究型」は、こうした声に応えて開始したもので、支援金額は1課題あたり5000万円から1億円、支援期間は3〜5年間といずれも拡大。2国間のみならず3国以上の交流にも対応可能なものとなっています。
日本とドイツはナノテクノロジー分野において国際的に高い技術水準にあり、重点的な研究資金の投入による研究開発の強化を推進しています。また、JSTとDFGは2006年以来、ナノエレクトロニクス分野での研究交流プログラムを実施し、これまでに16件の採択課題を推進してきました。こうした実績を踏まえたうえで、さらなるステップとして大型の国際共同研究を実施することにより、相乗効果が生まれ、日独双方の科学技術のさらなる発展が期待されます。
鉄やヒ素をほかの物質に置き換えても超伝導を示す可能性があることから、新たな超伝導物質の発見につながると、世界中の研究者が注目しています。
東京工業大学応用セラミックス研究所の神原陽一・特別研究員の論文が、2008年に掲載された科学論文の引用回数ランキングで世界第1位に選ばれたと、アメリカの文献情報会社トムソン・ロイターが発表しました。日本人の論文が第1位になるのは、1999年の江成政人氏(大阪大学・当時)以来のことです。
対象となったのは2008年2月にアメリカの化学会誌「J.American Chemical Society」に掲載された、絶対温度26度で電気抵抗ゼロの超伝導になる鉄系化合物の発見に関する論文です(論文責任者:細野秀雄教授・東京工業大学フロンティア研究センター)。
これまで鉄は超伝導の発現を阻害する代表的成分とされていました。そんな常識を覆し、鉄の化合物で高い転移温度を示したこの発見は、世界中に新たな超伝導ブームを巻き起こしつつあります。論文の引用回数は249回で、第2位を2倍以上も引き離しており、世界的な注目度の高さをあらためて物語る結果となりました。
神原氏は、2008年設置されたJST超伝導研究特別プロジェクト「新規材料による高温超伝導基盤技術」研究領域の専任研究員でもあります。今回のニュースは、日本の超伝導分野の研究の発展を、さらに後押しすることになるでしょう。