JST News Vol.6/No.2
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科学技術振興機構の最近のニュースから……
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ERATO「腰原非平衡ダイナミクスプロジェクト」の取り組み
ある物質に光をあてると、スイッチが入ったかのように激しく変化するー。
見た目が大きく変わるのではない。物質の内部で電子や原子がダイナミックに動き出すのだ。
そんな不思議なからくりが、いま、わたしたちの目の前に示され、新しい科学の扉を開こうとしている。
Topics 01
妬みや他人の不幸を喜ぶ感情の脳内メカニズムを明らかに
Topics02
「鋼構造道路橋のリアルタイムモニタリング・診断システム」の開発に成功
串山久美子 首都大学東京 システムデザイン学部 教授
理科の先生がオススメする 私のイチ押しデジタル教材

vol.01ロボット感覚系(味覚)コース

先端の「科学」と「技術」を体験し理解できる場所―日本科学未来館。

対話と実験を通じて先端科学技術への理解を深める「日本科学未来館 実験工房」。
子どもから大人まで、全員が考え・理解できる参加型のプログラムを紹介。

「DNAってなんだろう?」



 わたしたちヒトの体は、最小の単位の「細胞(=cell)」で構成されている。その数、約60兆個。その細胞の中のDNA(デオキシリボ核酸)は、親から子へ情報を伝える遺伝物質である。
 そんな、DNAを抽出するという実験を通して、「細胞や生き物」「生命の不思議」について考え、遺伝子工学について学べるのが、実験工房の『バイオ初級DNAコース』。
 生物とは?DNAとは?というスタッフの投げかけに参加者が応えながらの講義の後、いよいよ実験開始。細胞溶解液でニワトリの肝臓を溶かし、遠心分離・加熱保温で余分なたんぱく質を除去。アルコール沈殿でDNAを不溶化して実験は進められた。実際に研究室で使われている実験器具を使用して、参加者全員が抽出に成功し、観察することができた。DNAの抽出という、遺伝子工学の第一歩を体験できるコースだ。
 DNAの塩基配列は、1970年代に解読法が開発されてから、ものすごいスピードでさまざまな生物のDNAが解読され、2003年にはヒトゲノム解読が終了した。
 現在は、超高速DNA解読装置と「バイオインフォマティクス」という手法を用いて、膨大な遺伝子情報を扱うことができるようになった。遺伝子の解析により、例えば、がん遺伝子を特定して新たな治療法を確立するなどの可能性も広がっている。遺伝子研究の発展は、生命の謎をひも解くことにつながっているのだ。