科学技術振興機構(JST)の最近のニュースから……
(News01研究成果)光が伝播する3次元動画像の記録・観察に世界で初めて成功!既存高速度カメラの約100万倍以上の速度で撮影。

記憶装置 今回開発に成功した記録装置。拡散体の端に「光」と書いた薄板をはっておくと、その部分だけ遮られた光の伝播の様子を3次元動画像として記録できる。

 1秒で地球を7周半――と聞けば、「光の速さ」とピンとくる人は多いでしょう。そんな想像もできないほどの速さで進む光を3次元動画像として記録・観察することに、戦略的創造研究推進事業個人型研究(さきがけ)「構造機能と計測分析」研究領域の研究課題「フェムト秒時空間画像計測システムの創成」の一環として、京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科の粟辻安浩准教授が成功しました。
 1フェムトは1000兆分の1を表わす単位で、最先端のレーザー技術により、その世界に迫る10兆分の1秒以下の単位で光を放つことができるフェムト秒パルスレーザーの開発・利用が進んでいます。この技術に、光の干渉・回折を利用して物体のすべての情報・記録を再生するホログラフィーの技術を組み合わせることにより、光が伝播する様子を2次元の動画像として記録・観察する装置は、すでに開発されています。
 粟辻准教授は、従来の記録方法では2次元の拡散板を使っていた部分を3次元の拡散体にすることで、3次元動画像として記録・観察することが可能だと考え、同大学の久保田敏弘名誉教授との共同研究として開発に取り組みました。拡散体となる素材について試行錯誤を重ねた結果、ゼラチン、ショ糖、水をある割合で配合すると最適となることを発見。装置の開発を実現しました。
 これは、世界最高速級の既存高速度カメラの約100万倍以上の速度で3次元動画像の撮影が可能な技術であり、記録材料をアナログとデジタル両方の信号を記録できるCCDに置き換えることで、さまざまな分野での応用が可能となります。
 21世紀は光技術の時代といわれ、情報通信や材料加工などの分野で、新しい光学素子の開発などが行われています。今回開発された技術により、こうした光素材の理解・評価が正確かつ迅速に行われ、たとえばより高速で大容量の情報がやりとりできる通信技術の開発につながるものと期待されています。

光の3次元動画像のコマ割り写真

(News02イベント)サイエンスと音楽のコラボレーション!「科学と音楽の夕べ」を2月4日(月)に新国立劇場で開催。

音楽とサイエンスとの相性は予想以上にピッタリ。プリムローズ・マジック(ピアノ・デュオ、写真右)は過去にも中村館長と共演しており、息の合ったピアノ演奏と語りが見ものです。 音楽とサイエンスとの相性は予想以上にピッタリ。プリムローズ・マジック(ピアノ・デュオ、写真右)は過去にも中村館長と共演しており、息の合ったピアノ演奏と語りが見ものです。

 音楽で心をときほぐし、サイエンスの魅力を感じる――そんな素敵なイベント「科学と音楽の夕べ」が、2月4日(月)18時20分、東京・初台の新国立劇場で行われます。
 一般の方々の科学技術に対する関心と理解を深めるために平成15年から全国各都市で8回実施。最新の科学に関する興味深くてわかりやすい講演と、フルート、チェンバロ、オペラ、二胡、筝、尺八などさまざまな音楽とのコラボレーションが好評を博してきました。
 今回は中村桂子・JT生命誌研究館館長の特別講演と、東京フィルハーモニー交響楽団によるヴィヴァルディの協奏曲「四季」の演奏のほか、「ピーターと狼」や「動物の謝肉祭」を「生命誌版」としてアレンジし、ピアノ・デュオや室内楽の演奏に乗せ、中村館長が、ゲノムという切り口で生き物の本質を考える「生命誌」についてわかりやすく語ります。
 入場料は1000円(中学生以下は無料、ただし保護者同伴)。お問い合わせは、「科学と音楽の夕べ」事務局(103-3432-0420  http://www.sci-news.co.jp/ongaku080204)まで。


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JST News 発行日/平成20年1月
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