JST News Vol.4/No.1

第二期中期計画のスタートにあたって

 JSTの第一期中期計画(平成15年10月から平成19年3月)は滞りなく終わりました。そして向こう5年間の第二期中期計画が4月1日にスタートします。
 第一期中期計画は独立行政法人となって初めての中期計画でした。3年半の短い期間ではありましたが、独立行政法人として必要な機構運営体系を速やかに整え、着実に事業を運営してまいりました。
 この間の特筆すべき事項としては、(1)戦略的創造研究推進事業において、その成果の多くが国際的に卓越したものであったこと。
(2)日本科学未来館が目標を大きく上回る来館者を数え、観客に深い満足感を与えていること。
(3)研究開発戦略センター(CRDS)の開設により、研究費配分機関として、戦略的な体制が整備できたこと−などを挙げることができます。文部科学省独立行政法人評価委員会の評価においても、JST事業は総じて中期目標の達成に向け着実に成果を上げているとの評価を得ることができました。
 関係者の皆様のご協力ご支援の賜であり、深く感謝申し上げます。
 第二期中期計画においてJSTは、第三期科学技術基本計画に沿って「知の創造はもとより、科学技術の社会還元を重視し、それらを育むための基盤整備を担う我が国の科学技術総合推進機関」となることを使命と考え、次のことを活動目標と致します。
1 我が国の科学技術システム改革を先導し、科学技術政策の新たな流れを作り出します。
2 JSTにかかわるすべての人々・組織とのコミュニケーションを大切な資源として尊重し、事業を進めます。
3 インターネット事業体の業容を拡充します。
4 JSTの業務全体の国際化・国際展開を目指します。
5 女性研究者を始め、多様な研究開発人材が能力を発揮できる社会の実現に努めます。
 JSTは、ひたすらイノベーションを推進してきた機関として、安倍内閣が最重要政策として本年6月に策定予定の「イノベーション25」においても、重要な役割を担ってまいります。

平成19年4月1日 独立行政法人科学技術振興機構 理事長 沖村憲樹

Contents
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小池康博 慶應義塾大学理工学部教授

日本科学未来館の耳より情報

瓶は瓶である

【フラスコ】

 フラスコはラテン語のフラスカ(flasca)が語源。これが英語ではフラスク(flask)、ドイツ語ではフラッシェ(flasche)となり、スペイン語・ポルトガル語ではフラスコ(frasco)となった。日本でもっぱらフラスコと呼ばれているのは、最初にこの言葉を伝えたのが16世紀後半〜17世紀前半(安土桃山〜江戸時代初期)に日本へ宣教や交易にやってきた南蛮人(スペイン人・ポルトガル人)であったかららしい。といっても、当時はフラスコとは普通の「瓶」とか「酒瓶」を意味していた。これがもともとの語義なのである。
 19世紀、理化学の飛躍的な発展に伴い、さまざまな実験器具が発明された。円筒状の細い頸部とふくらみのある胴部をもつガラス容器もそのひとつだが、この形態はまさに瓶にほかならないため、当然フラスコと呼ばれた。しかし考えてみれば、これは瓶のことを瓶と呼ぶという同義反復におちいっている。そのうえ、考案されたフラスコには、側容・蒸留・化学反応・細菌培養などの用途に応じて、ナス形・ナシ形・複数の枝つきなどさまざまな形状のものがあって、じつにまぎらわしい。そこで、区別のため、考案者の名前を付すようになった。例えば表紙の円錐底面形のフラスコは、これを1866年に考案したドイツの化学者の名にちなんで「エルレンマイヤー・フラスコ(Erlenmeyer flask)」と呼ばれている。もっとも、日本では簡明に「三角フラスコ」と呼ばれることのほうが圧倒的に多いのだが。 (文・西田節夫)



JST News 発行日/平成19年4月
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