広島地域


 広島地域においては、(財)広島県産業技術振興機構に設置された広島地区研究交流促進会議(委員長 吉田典可〔広島市立大学 学長補佐〕)おいて検討か進められ、新技術事業団は幾つかの候補から次の内容の課題を決定しました。

(共同研究の概要)

1. 共同研究課題
 水素吸蔵複合物質の創製と評価に関する研究
2. 共同研究課題の概要
 軽く、水素吸蔵容量が大きいマグネシウム系水素吸蔵合金をメカニカル・アロイング などにより、ナノスケールで複合化することで、従来の水素吸蔵合金と比較して、水素が合金に吸収・放出し始める温度が低くなるなどの興味深い現象が引き起こされることが分かってきました。共同研究では、各種の複合物質の合成方法を研究するとともに水素吸蔵特性の評価を行い、新しい水素吸蔵物質の可能性を探ります。この研究で得られる知見は、水素吸蔵物質だけでなく、材料科学の新分野として注目されるナノ複合材の研究にも新たな指針を与えることが期待されます。
3. 共同研究機関(代表担当研究者及び分担研究)
工業技術院中国工業技術研究所(材料物性研究室長 横川清志)
 「水素吸蔵複合物質の機械的性質の評価」
広島県立西部工業技術センター(生産技術部 梶岡 秀)
 「スパッタ法による水素吸蔵膜の生成」
広島県立東部工業技術センター(機械金属部 宗廣修興)
 「水素処理によるナノ複合材料の高強度化」
(財)広島県産業技術振興機構 広島県先端技術共同研究センター
 「水素吸蔵複合物質の合成と評価技術の開発」

他 研究協力者として
 藤井博信(広島大学 教授)
 北野保行(広島大学 助教授)
 マツダ株式会社
 中国電力株式会社等
4. 共同研究期間
平成8年1月から平成8年3月まで(平成7年度第2次補正予算による)
5. 共同研究推進委員会
 共同研究参加者の代表で構成し、共同研究の企画、推進、総合調整を行う。
 委員長は、藤井博信氏(広島大学 教授)

注) メカニカル・アロイング
2種類以上の純金属の粉末を機械的に練り合わせる方法。
硬質容器の中で硬質金属小球とともに数十時間かけて原料を機械的に高速攪拌することで、原子レベルの混合を実現した合金形成プロセスである。


This page updated on April 30, 1999

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