新技術事業団報 第675号

平成8年1月18日
埼玉県川口市本町4-1-8
新技術事業団
電話(048)226-5608(企画調査室)

「植物成長調整剤ジャスモン酸誘導体」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 新技術事業団(理事長 松平寛通)は、理化学研究所(理事長 有馬 朗人) 先任研究員 瀬戸 秀春氏(同所 植物機能研究室)ならびに岐阜大学 客員教授 禿 (かむろ)泰雄氏(元理化学研究所)らの研究成果である「植物成長調整剤ジャスモン酸誘導体」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 植物成長調整剤は、作物の成長の促進、作物成熟時期の調整などの目的で使用されている。  また、各所で天然の植物成長ホルモンを中心に新規の植物成長調整剤の研究が盛んになされつつあるが、幅広い植物に適用でき、また低温障害への抵抗性付与などの効果を持つ植物成長剤の実現が多く望まれている。
 本新技術は、低濃度で穀類、果実、イモ類等の成長を促進し、低温障害に対する抵抗性を付与する植物成長調整剤ジャスモン酸誘導体を製造するものである。
 本新技術により製造される植物成長調整剤ジャスモン酸誘導体は、低濃度で効果があり、幅広い成長環境条件で顕著な効果を示し、穀類、果実、イモ類等の成長を促進し、低温障害に対する抵抗性を付与するなどの特徴を持つため、単位面積当たり収量の増大による生産性向上、苗の安定成長、果実の収穫時期制御、糖度の向上などに広く利用されることが期待される。
 本新技術の開発は、日本ゼオン株式会社(代表取締役社長 中野克彦、本社 東京都千代田区丸の内2-6-1、資本金242億1千百万円)に委託する予定で、開発期間は6年6カ月、委託開発費は約8億円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

「植物成長調整剤ジャスモン酸誘導体」(背景・内容・効果)

(*) この発表についての問い合わせは、電話048(226)5615 小原または湯浅までご連絡下さい。


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