(参考)

独創的個人研究育成事業(さきがけ研究21)


目的
 本事業は研究者個人の自由な発想に基づいて、時代を先駆ける独創的な基礎的研究を推進することを目的としています。
仕組み
 新技術事業団が設定した研究領域に対して、独創的な研究課題を持っている研究者を募集し、選考します。選定された研究者は一定期間(原則3年間)事業団に所属または兼任し、自由に研究を実施していただく個人研究システムです。
領域総括
 研究領域ごとに領域全体のお世話役である領域総括を定め、応募研究課題および研究者を選考する委員会(選考委員会)を当該領域総括を中心に組織し、選考に当たります。また、領域総括は円滑な研究実施のための助言を行うとともに、研究者の相談を受けるなど運営全体のお世話をします。
研究期間
 1研究課題につき原則3年とします。
研究規模
 1研究課題につき3年間で6000万円(研究者の給与、研究施設の借料などを含む)を目処としますが、研究課題によって増減します。
研究実施場所
 研究実施場所としては、外部の研究機関あるいは所属研究機関のいずれを希望することも可能です。ご希望と受入れ機関の事情などを考慮して決めます。
研究成果
 研究成果については学会等を通じて積極的に公表していただきます。また、工業所有権等については原則として研究者(発明者)と事業団との共有になります。
研究領域の概要
平成6年度発足領域(今年度募集)
(1)「遺伝と変化」
 この研究領域は、種や個体の同一性を維持する「遺伝」の機能と、細胞、組織、器官、個体あるいは種における形態や生理的機能の多様性を生み出す「変化」の機能に着目するものです。具体的には、遺伝子の転写、細胞の複製、組織や器官の再生、個体の生殖などに代表される複製に関する研究、及び、突然変異、ウイルスの迅速な自発的変化機構、発がんに代表される脱分化、免疫応答、遺伝子の選択的発現機構、細胞の組織や器官への分化などに代表される変化に関する研究を含みます。
(2)「知と構成」
 この研究領域は、知覚、認識、学習、判断などの高度で柔軟な働きである「知」に着目し、その発現のメカニズム(構成)を神経科学、認知科学、数理科学など様々な視点から探求するものです。例えば、神経細胞、脳神経系さらには行動そのものを対象とし、「知」の発現につながる物質、構造、論理などの実証的あるいは理論的研究を含みます。
(3)「場と反応」
 この研究領域は、分子や原子をとりまく物質的、エネルギー的な環境としての「場」 と原子や分子の相互作用およびそれに伴う物質の生成・変化の過程(反応)との関係に着目するものです。すなわち、反応の各過程におけるエネルギー状態、スピン状態、 あるいは物質の相の変化などが場からどのような影響を受けているのか、さらには、その影響が、物質の生成・変化の過程での選択性、活性化、応答性、構造の秩序化や安定性などにどのように寄与をしているかを探求するものです。具体的には、物理的、化学的な場、生体の場などにおける原子や分子の挙動、状態変化、相互作用の解明、さらには場を用いた反応の時空間的制御および物質選択性の検討、機能的な場の設計および創出などの研究を含みます。
(参考)平成3年度発足領域
(4)「構造と機能物性」
 この研究領域は、物質の構造と機能、物性との関係に着目するものであり、種々の手法による物質構造の解析、構造に基づく電子状態などの理論解析、物性発現機構の解明および機能物性を有する物質の創製に関する研究などを含みます。
(5)「光と物質」
 この研究領域は、光と物質の相互作用に基づく情報変換およびエネルギ−変換に着目するものであり、気体から固体までの様々な物質を研究対象として、理論的な解析、計算機シミュレ−ション、化学的手法、機器分析など様々な方法による光と物質の相互作用機構の解明および光の関与する反応の設計、物質創製に関する研究などを含みます。
(6)「細胞と情報」
 この研究領域は、細胞を中心とした情報の受容、伝達、処理、行動制御の機構および細胞における情報の自発や学習の機構などに着目するものです。細胞内、細胞の内外および細胞間における化学物質や力、光、電気、熱など様々な情報を対象とし、生物物理学的手法や生化学的手法、分子生物学的手法などを用いた、情報システム的な観点からの生物機能に関する研究などを含みます。


This page updated on May 6, 1999

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