新技術事業団報 第659号

平成7年8月24日
埼玉県川口市本町4-1-8
新技術事業団
電話(048)226-5608(企画調査室)

「電気抵抗増大材を用いたスポット溶接技術」の開発に成功

 新技術事業団(理事長 松平寛通)は大阪短期大学教授 渡辺統市氏らの研究成果である「電気抵抗増大材を用いたスポット溶接技術」を当事業団の委託開発制度の平成2年度課題として平成3年3月から平成7年3月にかけて株式会社豊田自動織機製作所(社長 磯谷智生、本社 愛知県刈谷市豊田町二丁目1番地、電話(0566)22-2511 資本金313億2千万円)に委託して開発を進めていた(開発費約360百万円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 スポット溶接とは、重ね合わせた複数の鋼板を電極を挟んで通電し、発熱させることで点状に溶接する技術である。近年、亜鉛めっき鋼板や亜鉛めっき高張力鋼板などの使用が増加しているが、これら鋼板のスポット溶接では(1)溶接に使用する電力の消費量が大きくなる (2)溶接用の電極の寿命が短くなる、などの問題があった。また、溶接した部分の良否判定は、抜き取り検査で行われているが、不良部が発見されると工程をさかのぼって手直し作業をしなければならなかった。そのため、全溶接点を溶接すると同時に溶接の良否をチェックできるモニタの開発が望まれていた。
 本技術は、各種亜鉛めっき鋼板のスポット溶接において鋼板間に電気抵抗を大きくする材料(電気抵抗増大材)を挟み込むことにより、スポット溶接部の合わせ面に発熱を集中させ、短時間で必要な大きさのナゲット(鋼板間の接触部が一度溶けた後に固まって形成される円盤状の溶接点)を形成させて良好な溶接点を得ると同時に、電極間の電気抵抗をモニタして、溶接の良否判定、溶接条件の制御を可能にするものである。
 本新技術を使用することで、自動車、家電製品、屋外設置機器などの広い分野で効率的なスポット溶接が可能となる。

「電気抵抗増大材を用いたスポット溶接技術」(背景・内容・効果)

(*) 本発表についてのお問い合わせ先は以下の通りです。
新技術事業団 管理部管理課長 内野 裕雄
管理課 中田一隆 [電話(048)226-5625]
株式会社豊田自動織機製作所 総務部広報室長 高橋邦之
広報室 野田直宏 [電話(0566)27-5157]


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