JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第994号 > 別紙1
別紙1

研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発プログラム)
「開発成果の活用・普及促進」平成25年度新規課題 一覧

(1)課題名「誘電サイトメーターの活用・普及促進」
チームリーダー 勝本 洋一
(ソニー(株) メディカル事業ユニット 研究開発部門 医用技術研究部 シニアリサーチャー)
課題概要

【装置】
本プログラム「機器開発タイプ」において開発した「誘電サイトメーター」を開放(共同利用)する。この装置は、マイクロ流路中を流れる細胞の構造や電気物性の違いを瞬時に分析することにより標識なしに細胞の分別を行う世界初の装置である。

【内容】
誘電サイトメーターは、その特徴ゆえに、再生医療、薬物スクリーニングのほか、農学、工学も含め、全く新しい用途にも応用される可能性がある。そのため、外部ユーザーに対して試作機による分析を募集し、試作機の有用性を検証するとともに、ユーザーの開拓と測定事例の蓄積を図る。また、ユーザーの評価に基づき、性能とユーザビリティの向上を目指した装置の高度化にも取り組む。

(2)課題名「高性能スピン偏極電子顕微鏡の活用・普及促進」
チームリーダー 越川 孝範
(大阪電気通信大学 エレクトロニクス基礎研究所 所長・教授)
課題概要

【装置】
本プログラム「要素技術タイプ」および「機器開発タイプ」において開発した「高性能スピン偏極電子顕微鏡」を開放(共同利用)する。この装置は、超高輝度(市販品の1万倍以上)、高スピン偏極(同3~4倍)、長寿命(同300倍以上)と圧倒的に高い性能を持つ「スピン偏極電子顕微鏡」である。

【内容】
「スピン偏極電子顕微鏡」を広く国内外に共同利用装置として公開するとともに、ユーザーの声を反映させ、さらなる性能とユーザビリティの向上を図る。スピントロニクスで必要とされる高性能磁性薄膜材料開発などに大きな貢献をすることが期待される。

(3)課題名「多核対応型クライオコイルMAS-NMRプローブの活用・普及促進」
チームリーダー 水野 敬
((株)JEOL RESONANCE 技術部 開発グループ 研究員)
課題概要

【装置】
本プログラム「実証・実用化タイプ」において開発したクライオコイルMAS-NMRプローブを固体NMRに装備し、開放(共同利用)する。この装置は、多様な核種の測定を行っている固体NMRの利用機関(大学、企業など)が主なユーザーと考えられる。

【内容】
クライオコイルMAS-NMRプローブおよびその周辺技術(高速試料回転システム、簡便な冷却システム)は、そのまま既存のNMR装置に本プローブを導入することで、3~4倍程度の検出感度向上、1/10以下の測定時間短縮を享受できる優れた汎用性を持っており、周波数を変えることで多様な核種の測定を行うことも可能である。本課題では、さまざまな無機材料のナノ構造解析への応用を中心に、多核対応型のクライオコイルMAS-NMRプローブの活用と普及を促進する。