No. | 開発課題名 | チームリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
サブリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
その他の参画機関 | 開発課題概要 |
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1 | 微弱発光標準光源開発による発光蛍光計測定量化 | 秋山 英文 東京大学 物性研究所 准教授 |
久保田 英博 アトー(株) 技術開発部 次長・取締役 |
(独)産業技術総合研究所 | 生物化学発光や蛍光は、医療検査、環境計測、バイオイメージングなどに広く用いられているが、微弱な発光蛍光の高感度評価には絶対光量の標準がいまだ存在しない。本開発では、評価分析対象検体の発光蛍光の絶対値定量計測を可能にする微弱発光標準光源を開発し、その実施例を示し有用性を例証する。さらにこの標準光源を用いて、これまで相対値でのみ示されてきた生物化学発光蛍光試薬自体の性能や、発光分析装置ハードウエアの感度や検出限界を、絶対値で評価し、比較可能にする技術を確立する。 |
2 | キノームの活性プロファイル法と制御技術の開発 | 石濱 泰 京都大学 大学院薬学研究科 教授 |
桐井 康行 カルナバイオサイエンス(株) 研究開発部・製造部 部長 |
- | ヒトキノームの活性を大規模計測する技術を開発する。400種以上のキナーゼについて、特異的かつ高感度な基質ペプチド(“最強”基質ペプチド)を創出し、さらに細胞内に効率よく導入する方法を確立することにより、細胞内キノーム(キナーゼの総体)の活性計測法やシグナル制御技術の開発へと展開する。これにより、分子標的創薬や個別化治療・診療を強力に推進する。 |
3 | 磁気MEMSを利用した微小振動計測システムの開発 | 石山 和志 東北大学 電気通信研究所 教授 |
徳永 博司 (株)M.T.C 代表取締役 |
テセラ・テクノロジー(株) | 超高感度振動計測システムの開発を行う。磁歪薄膜技術とMEMS 技術を融合させた磁気MEMS技術により現行の金属ひずみゲージの1万倍の感度を有する検知素子を開発し、極微振動を検知するシステムを実現する。これにより、例えば橋梁の振動を橋脚根元付近に取り付けた装置で計測可能となり、その振動スペクトルから健全性の診断を可能とする。さらにこの技術は振動を駆動源とする環境発電分野への展開も期待される。 |
4 | 原子分解能の元素・状態分析用 X線STM開発 | 齋藤 彰 大阪大学 大学院工学研究科 准教授 |
- | - | X線による内殻励起を利用し、原子分解能で元素・化学状態を分析できるSTMを開発する。本チームリーダーがSPring-8で蓄積してきた「放射光STM」の技術・ノウハウを元に、新たな集光光源を組み合わせ、分析能力を飛躍的に拡張する。放射光施設を利用しなくても、実験室系でも原子分解能の化学分析ができる「X線STM」を標準化するとともに、分析のみならず、元素選択的な局所反応制御とその計測も可能にすることを目指す。 |
5 | 細胞内蛋白質の無侵襲原子レベル立体構造解析技術の開発 | 杤尾 豪人 京都大学 工学研究科 准教授 |
- | (独)理化学研究所 | 核磁気共鳴法(NMR)は、蛋白質の立体構造を原子分解能で決定できる手法である。しかし、その計測対象は、あくまで、精製・純化した試験管内の試料に限られてきた。NMRは、本来、細胞や生体に対して無侵襲な計測法である。そこで、本開発では、NMRを使って生きた細胞内の蛋白質の立体構造や相互作用、ダイナミクスを無侵襲に計測する手法を開発する。これにより、細胞内での蛋白質の働きや薬剤との相互作用などの解明が進み、医薬研究への貢献が期待される。 |
6 | マルチモーダル発光イメージングシステムの開発 | 永井 健治 大阪大学 産業科学研究所 教授 |
- | - | 励起光の照射を必要としない化学発光観察は、光によって生理機能を制御するオプトジェネティクスとの併用が可能であるが、両技術を実時間の分解能で併用することは困難であった。本開発では、複数の生体分子を光で操作しながら高速かつ長期間、焦点ずれなく複数の生理機能を化学発光により可視化できる「マルチモーダル発光イメージングシステム」を構築し、これまでにない多次元機能動態操作観察解析に資する技術を確立する。 |
7 | NMR用無冷媒バルク超電導磁石と専用小型プローブの開発 | 仲村 高志 (独)理化学研究所 グローバル研究クラスタ 連携支援ユニット 専任技師 |
内海 博明 (株)JEOL RESONANCE ソリューションマーケティング部 副主幹研究員 |
(株)イムラ材料開発研究所 筑波大学 岩手大学 |
バルク超電導体は、冷凍機による50Kの伝導冷却で5T(テスラ)以上の無冷媒磁石にできる。このバルク磁石を用いて広領域に対応したNMR・MRI用プローブを新規開発する。磁石の均一磁場の向上と、それに合わせた高分解能の溶液NMR、固体NMR、およびマイクロMRIプローブをそれぞれ開発し、資源の枯渇が心配されている液体ヘリウムなしで稼働できる、省スペース、省エネルギーの新しいNMR・MRI基盤を創造する。 |
8 | バイオ分子構造解析用マスフィルター・質量分析器の開発 | 野島 雅 東京理科大学 総合研究機構 講師 |
堀田 昌直 (同)オフィスタンデム 代表 |
(株)アンペール サンユー電子(株) 兵庫県立大学 日本大学 |
我が国発のこれまでにない原理で動作する質量分離器を開発する。本要素技術は、小型軽量ながらマスレンジ1~40,000AMUまでの質量を選択することができ、マスフィルターとしても質量分析器としても応用が可能である。マスフィルターとしては、クラスターイオンビームの収束特性を損なうことなくクラスターサイズを選択することができる。これにより、バイオ分析時のフラグメントイオン種を自由に操作することが可能になる。また、連続ビームでMS/MSやMSn質量分析が可能となるため、迅速なバイオ分子構造解析が可能となる。 |
9 | 細胞内化学反応解析のための超高速光計測システムの開発 | 平岡 泰 大阪大学 大学院生命機能研究科 教授 |
岡田 公太郎 (株)知能情報システム 開発部 エンジニア |
(独)情報通信研究機構 北海道大学 |
生きている細胞内で蛍光強度変動を高速で計測するために、超伝導単一光子検出器(SSPD)と高速相関器を蛍光相関顕微鏡に実装し、超高速光計測システムを開発する。可視波長域で感度の高いSSPDおよびSSPDの出力速度に対応できる1ナノ秒程度の時間分解能を持つ高速相関器を実現することにより、蛍光寿命変化の検出を可能とし、これによりタンパク質や核酸の分子動態や生化学反応の計測を可能とする。 |
No. | 開発課題名 | チームリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
サブリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
その他の参画機関 | 開発課題概要 |
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1 | 超高感度迅速放射性炭素同位体分析装置の開発 | 井口 哲夫 名古屋大学 大学院工学研究科 教授 |
安達 弥永 積水メディカル(株) 薬物動態研究所 副所長 兼 試験研究部長 |
- | ヒトに投与した極微量放射性炭素同位体(14C)標識化合物の体内動態を評価するための超高感度迅速14C分析装置の開発を行う。高感度14C分析に適したファイバーレーザーの開発と、それを用いたキャビティーリングダウン分光に基づく14C標識化合物分析により、14Cに対し検出感度0.1dpm/mLを達成する。本装置開発により、医薬品開発早期でのヒト薬物動態評価が可能となり、医薬品開発の低コスト化とリードタイムの大幅短縮に貢献できる。 |
2 | 細胞内1分子スクリーニングシステムの開発 | 上田 昌宏 (独)理化学研究所 生命システム研究センター(QBiC) グループディレクター |
桝田 秀 (株)ニコンインステック バイオサイエンス営業本部 西日本営業部 ゼネラルマネジャー |
(独)理化学研究所 大阪大学 |
日本が先駆けて実現した、細胞内で1分子の振る舞いを分析する手法(細胞内1分子動態解析)を応用し、分子動態の変化に基づく新しい指標による、薬剤や疾病因子の「細胞内1分子スクリーニングシステム」を開発する。1分子技術は創薬や医療など生命科学分野の強力な手法となり得るものであり、自動化やプロセスの統合によって、懸案である計測・解析の効率を大幅に向上させ、網羅的分析が可能なハイスループットシステムの実現を目指す。 |
3 | 深紫外プラズモニック・ナノ分析顕微鏡の開発 | 河田 聡 大阪大学 大学院工学研究科 教授 |
小林 実 ナノフォトン(株) 開発部 部長 |
(独)理化学研究所 | 光の回折限界を超えた高い分解能でナノ構造を観察する近接場顕微鏡を深紫外域に展開し、細胞内生体有機分子の分布、最先端半導体デバイス、ナノ材料の新しい観察分析評価装置としての役割を目指す。アルミニウムを用いたナノプローブを設計・製造開発し、従来、可視域でしか実現されていなかった表面プラズモンポラリトンを紫外域に励起する。10nm以下の空間分解能、1分子レベルの検出感度、99%以上のイメージング再現性を目標とする。 |
4 | 小型・安価・普及型高分子膜厚測定装置の開発 | 田中 敬二 九州大学 大学院工学研究院 教授 |
岩倉 宗弘 九州計測器(株) 技術部 部長 |
- | 1nmから100μm厚みの有機・高分子薄膜の厚さと断面密度分布の変化をミリ秒の時間分解能でリアルタイム計測できる、ポータブルな環境制御型薄膜解析装置を開発する。ナノ・マクロの同時計測、かつ、種々の環境下での時分割計測を実現することで、グリーン分野における材料開発とプロセス制御、例えば、エネルギーデバイス界面反応と物質移動制御への貢献が期待できる。また、細胞膜と内部への反応伝播など、バイオ分野の挙動制御への貢献も期待できる。 |
5 | マテリアル開発系リアルタイム電子線トモグラフィーシステムの開発 | 波多 聡 九州大学 大学院総合理工学研究院 准教授 |
古河 弘光 (株)システムインフロンティア 取締役・副社長 |
(株) メルビル 筑波大学 東北大学 |
透過電子顕微鏡で動的な自然物理現象をその場3次元観察するシステムを開発する。連続傾斜像を撮影しながら3次元画像を再構成するソフトウェア、及び試料のその場試験が可能なトモグラフィーホルダーを開発し、これらソフトウェアとハードウェアの融合により、ナノスケール変形挙動のリアルタイム3次元観察の実現を目指す。エネルギー問題や元素戦略で注目を集める先端材料、及び生命科学の研究開発現場への波及が期待される。 |
6 | 超伝導検出器を用いた分析電子顕微鏡の開発 | 原 徹 (独)物質・材料研究機構 表界面構造・物性ユニット 主幹研究員 |
田中 啓一 (株)日立ハイテクサイエンス 解析技術部 解析応用技術課 主任 |
九州大学 (独) 宇宙航空研究開発機構 大陽日酸(株) (独)産業技術総合研究所 (株)日立ハイテクノロジーズ |
透過型電子顕微鏡観察において、試料の構成元素分布を現在よりはるかに高い精度・感度で計測するために、超伝導遷移端センサをX線検出器として応用する分析電子顕微鏡を開発する。本装置により、透過型電子顕微鏡の高い空間分解能を活かしつつ、高い精度・感度での元素分布マップ取得が可能になる。組織・組成が複雑化する材料開発の分野だけでなく、医学生物学系等の幅広い分野の研究に貢献する、世界をリードする基盤的な観察・分析装置となることが期待される。 |
7 | 位相敏感高感度X線非破壊検査機器の開発 | 百生 敦 東北大学 多元物質科学研究所 教授 |
栗林 勝 (株)リガク X線解析事業部 XG 設計課 課長 |
- | チームリーダーらはこれまで、X線透過格子を用いる高感度X線イメージング技術の開発により、X線が弱吸収物体を透過する際に生じる僅かな屈折をとらえる高感度撮影を可能としてきた。生体軟組織に有効であることを活かして、これを医用画像機器に適用する開発を行ってきたが、さらに高分子を含む材料・デバイスなどの工業生産管理や安心・安全を目的としたX線非破壊検査のため、高速撮影が可能なオンライン検査機器、および、高空間分解能三次元撮影が可能な精密検査機器の実用化開発を行う。 |
No. | 開発課題名 | チームリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
サブリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
その他の参画機関 | 開発課題概要 |
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1 | MSnスペクトルによる糖鎖構造推定ソフトウェアの製品化 | 金澤 光洋 ライフィクス(株) 研究開発部 取締役・研究開発担当 |
天野 純子 (公財)野口研究所 研究部 糖鎖生物学研究室 室長 |
工学院大学 | 本プログラムソフトウェア開発タイプ「MSnスペクトルから糖ペプチド構造を推定するソフトウェアの開発」にて開発したソフトウェアのプロトタイプを製品化することを目的とする。プロトタイプの開発で蓄積されたノウハウや、特許化された独自技術をもとに、国外のソフトウェアメーカーが圧倒的な力を持つ分析機器の解析プログラムの市場に、開発ソフトウェアをいち早く投入し、糖鎖解析のグローバルスタンダードとなる製品を提供することを目指す。 |
2 | 「次世代質量イメージング用UVマイクロチップレーザー」の実用実証化 | 古川 保典 (株)オキサイド 代表取締役社長 |
平等 拓範 自然科学研究機構 分子科学研究所 分子制御レーザー開発研究センター 准教授 |
新日鐵住金(株) 工学院大学 東京工業大学 |
芳香族系有機物・高分子の分析や含ハロゲン・ヘテロ有機・無機物質の分析へのUVレーザー応用を目指し、質量イメージング装置および二次イオン質量分析(SIMS)装置で一般的なICF70フランジへ簡便に取り付け可能な超小型パルスUV光源の製品化を目指す。開発するUVマイクロチップレーザーは、高輝度、高パルス出力、高繰返し、超小型であることを特徴とするため、先端鉄鋼材料や有機薄膜太陽電池などの質量分析において、光イオン化効率を最大に利用することが可能である。本開発によって高感度かつ非破壊的光イオン化による質量分析におけるUVマイクロチップレーザーの有用性を世界で初めて実証し、実用化することができる。 |
No. | 開発課題名 | チームリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
サブリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
その他の参画機関 | 開発課題概要 |
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カテゴリー(1) | |||||
1 | KTN光偏向器を用いたEnface-OCTシステムの開発 | 近江 雅人 大阪大学 大学院医学系研究科 保健学専攻 教授 |
小林 潤也 日本電信電話(株) NTT フォトニクス研究所 主幹研究員 グループ・リーダー |
東京医科歯科大学 | タンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN)光偏向器による新たな高速Enface-OCT装置を試作し、発汗異常症診断への有用性を明らかにすることを目指す。本装置はタイムドメインOCT方式であり、従来法と比較して100倍以上の飛躍的な速度向上が可能なため、Swept source-OCTに匹敵するイメージ取得速度が期待できる。さらに、OCT立体イメージを高速に取得し、これまでOCTの古典的な方式となっているTD-OCTのブレークスルー技術の確立を目指す。 |
2 | 紙基板インクジェットプリントヘルスケアチップ(PADs)の開発 | チッテリオ ダニエル 慶應義塾大学 理工学部応用科学科 准教授 |
山崎 浩樹 (株)テクノメディカ 方式開発部 部長代理 |
- | グローバルユースの安価なヘルスケア用の紙基板流路デバイス(PADs)の開発により、精密機器や臨床検査室を必要とする現行の医療検査に比べて、簡便・迅速・低コストでの診断が可能となる。PADsは、世界人口の80%にのぼる発展途上国での健診に使用可能であり、また先進国における健康維持のための在宅スクリーニング検査にも寄与することから、世界的な医療費の削減とライフイノベーションへの貢献が期待される。 |
3 | 普及型・高精細PET/MRI一体型装置の開発 | 山谷 泰賀 (独)放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター チームリーダー |
清水 啓司 浜松ホトニクス(株) 開発本部 PET 開発グループ グループ長代理 |
横浜市立大学 千葉大学 東京大学 |
ここ数年欧米で開発が進むPET/MRI一体型装置は、被ばく低減や高い診断能の点で有利であるが、高額な装置コストが普及の妨げとなっている。本開発では、PETによるアルツハイマー病の発症前診断の普及を見据え、高性能かつ普及型の新しいPET/MRIの開発を目指す。具体的には、独自のPET検出器であるDOI検出器を応用し、既存のMRI 装置にもアドオンできるPET一体型MRI用RFコイルの開発を行う。 |
4 | 乳がん検査用複素誘電率分布計測技術 | 吉川 公麿 広島大学 ナノデバイス・バイオ融合科学研究所 教授 |
染井 潤一 シャープ(株) 電子デバイス事業本部 NB推進センター 副所長 兼 第2開発部長 |
- | 腫瘍と正常組織では誘電率および導電率が異なることに着目し、電磁波が誘電率の異なる界面で反射する時間領域反射率計測の原理を利用することで、小型で携帯可能な非侵襲の乳がんスクリーニング装置の開発を行う。本装置の開発により、女性が定期的にセルフチェックすることが可能となり、乳がんの早期発見に貢献することが期待される。 |
5 | 超早期診断に向けた超高感度デジタルELISA検査システムの開発 | 吉村 徹 アボットジャパン(株) 診断薬・機器事業部 総合研究所 所長 |
野地 博行 東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻 教授 |
日本赤十字社 武蔵野赤十字病院 |
1分子単位で標的抗原分子を検出できるデジタルELISA法と、全自動免疫測定システムを組み合わせることで、超高感度かつハイスループットな自動デジタルELISA検査システムの開発を行う。これにより、現在の診断で用いられている一般的な免疫測定法に比べ、約1万倍以上の感度向上が可能となる。本検査システムの開発によって、疾病・感染症の超早期診断や医療費負担軽減の実現が期待される。 |
カテゴリー(2) | |||||
6 | 生体防御系を利用した疾患診断の基盤技術開発 | 五島 直樹 (独)産業技術総合研究所 創薬分子プロファイリング研究センター チーム長 |
尾澤 哲 (株)セルフリーサイエンス 代表取締役社長 |
北里大学 千葉大学 国立遺伝学研究所 (株)ダイナコム |
独自のプロテインアレイ技術をベースとし、低コストかつ網羅的に自己抗体測定を可能とするプロテインアレイシステムの開発を行い、生体防御系としての抗体を利用した総合的疾患診断システムの構築を行う。また、本システムを使用して、今後の自己抗体による診断システムの基礎となる健常人の自己抗体データおよびHLAデータを取得し、疾患と自己抗体の関連解析を行うための基盤データを構築する。本システムと基盤データをもとに総合的診断、早期診断、免疫治療の評価が可能になると期待される。 |
No. | 開発課題名 | チームリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
サブリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
その他の参画機関 | 開発課題概要 |
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カテゴリー(1) | |||||
1 | 粒子線治療における腫瘍の線量応答性観測システムの開発 | 西尾 禎治 (独)国立がん研究センター 東病院臨床開発センター 粒子線医学開発分野 ユニット長 |
岡本 俊 浜松ホトニクス(株) 第13部門 専任部員 |
東海大学 京都大学 長岡技術科学大学 |
陽子線・炭素線を用いた粒子線がん治療において、照射線量や腫瘍の線量応答性を的確に計測・可視化するシステムは、個々の患者に対応したテーラーメイド粒子線治療の実現に重要である。そのため、本開発では粒子線照射により患者腫瘍内に生成されるポジトロン放出核をマーカーとする腫瘍内照射線量の可視化と腫瘍の線量応答性観測システムの構築を目指す。本観測システムの開発により、粒子線がん治療の高精度化とその普及が進むことが期待される。 |
2 | 1細胞分子診断システム | 升島 努 (独)理化学研究所 生命システム研究センター 細胞質量分析研究チーム チームリーダー |
小倉 誠 富士通(株) 総務部 特命顧問 |
大阪大学 福島県立医科大学 広島大学 (株)デンソーウェーブ (株)HUMANIX |
世界唯一の1細胞質量分析法を基盤に、数個しか取れない血液循環がん細胞(CTC)1個で、がんの予後診断や薬効を高精度に診断する「細胞診断システム」の開発を行う。このシステムを更に、マーカー検出や高精度診断への応用に繋げて、低侵襲で迅速、簡易な、高汎用・高次分子診断法の確立を目指す。 |
3 | 甲状腺超音波画像コンピュータ支援診断システム開発のための調査研究 (調査研究課題) |
緑川 早苗 福島県立医科大学 医学部 放射線健康管理学講座 内分泌学 准教授 |
永田 武史 富士フイルム(株) メディカルシステム事業部 技術マネージャー |
コセキ(株) | 福島県では、現在実施されている甲状腺検査の超音波画像を効率的に解析できるコンピューター支援診断(CAD)システムの構築が急務となっている。本調査では甲状腺超音波画像に対するCADシステム開発のための技術検討を行い、将来的に渡って活用できる診断システムの基盤形成に向けて取り組む。 |
カテゴリー(2) | |||||
4 | iPS細胞を用いた三次元心筋組織チップ自動作製装置の開発 | 明石 満 大阪大学 大学院工学研究科 教授 |
瀬川 秀樹 (株)リコー 研究開発本部 未来技術総合研究センター 所長 |
- | 正常および疾患特異的iPS細胞の創薬産業への応用を目指して、種々の三次元正常・疾患心筋組織を集約した「三次元心筋組織チップ」の自動作製装置を開発する。市販のマイクロウェルを活用でき汎用性に優れた本疾患特異的心筋組織チップは、様々な心疾患に対する新規薬剤の開発、既存薬剤の心筋への新たな薬効評価、疾患発症機構の解明など、ライフイノベーションへの貢献が期待される。また、安全性等の評価の世界基準となる三次元生体組織構築に繋がるものである。 |
5 | 高感度エピゲノム解析のためのマイクロ化学システムの開発 | 伊藤 隆司 東京大学 大学院理学系研究科 生物化学専攻 教授 |
田澤 英克 マイクロ化学技研(株) 研究開発部 部長 |
- | 極少数(1~10個程度)のヒト細胞から、次世代シーケンサによるエピゲノム解析のためのシーケンスライブラリを自動調製するマイクロ化学システムを開発する。具体的には、全ゲノムバイサルファイトシーケンス法とクロマチン免疫沈降シーケンス法をマイクロ化学チップ上で実現し、臨床研究現場におけるマーカー探索や細胞評価を加速する。更に、単一細胞エピゲノム解析のプラットフォームとしての医学生物学研究の新局面開拓への貢献も目指す。 |
No. | 開発課題名 | チームリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
サブリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
その他の参画機関 | 開発課題概要 |
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カテゴリー(1) | |||||
1 | 全自動超早期大腸がんスクリーニング診断システムの実用化 | 尾島 典行 (株)島津製作所 分析計測事業部 グローバルマーケティング部 課長 |
吉田 優 神戸大学 大学院医学研究科 病因病態解析学 准教授 |
- | 現在、日本において、がんの中で大腸がんは、男性では3番目、女性では1番目に多い死因となっており、早期診断法の開発が強く望まれている。本開発では、既に見出した早期診断が可能な新規代謝物マーカーを自動的に検出するため、高速GC-MSに接続可能な自動抽出・誘導体化装置の実用化を目指す。さらに医師・臨床検査技師が一目で結果がわかる判定表示ソフトウェアを開発することで、簡便で高精度な診断システムを完成させる。この診断システムにより、大腸がんの早期診断が期待される。 |
2 | 個別化血栓止血医療を支援する検査システムの実用化 | 林 義人 ソニー(株) メディカル事業ユニット 研究開発部門 LOC開発部 主任研究員 |
山崎 健二 東京女子医科大学 心臓血管外科 主任教授 |
- | 血液凝固検査において、従来法の課題を克服し、患者の包括的な凝固病態をより的確に把握するため、独自の誘電率測定による血液凝固検査システムの実用化を目指す。本システムは手術室前室や集中治療室等、治療現場付近に設置され、複数種の検査を全自動的に実行し、結果を迅速に医療者へ還元する。このシステムの実現により、術後出血に対する輸血治療や薬剤による抗凝固/抗血小板治療等のテーラーメイド化が期待される。 |
No. | 開発課題名 | チームリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
サブリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
その他の参画機関 | 開発課題概要 |
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1 | 電池用-高分解能電流経路映像化システムの開発 | 木村 建次郎 神戸大学 大学院理学研究科 准教授 |
木村 憲明 Integral Geomety Instruments(同) 最高経営責任者 |
千葉工業大学 |
環境問題が深刻化する中で、次世代リチウム二次電池の高性能化が注目されている。本開発では、電池内部の電流経路を超高分解能で映像化するシステムを開発、リチウム二次電池の負極でのデンドライト発生をパッケージ越しに非破壊画像診断し、性能劣化の少ない負極材料開発の促進、正極負極短絡に係る爆破事故を未然に防ぐことを目的とする。 |
No. | 開発課題名 | チームリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
サブリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
その他の参画機関 | 開発課題概要 |
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1 | 太陽電池伝導キャリア分光システムの開発 | 宇治原 徹 名古屋大学 大学院工学研究科 教授 |
竹内 幸雄 (株)VIC インターナショナル 代表取締役 |
MBS ジャパン(株) | 従来の太陽電池開発では、光によって励起されたキャリアを如何に効率よく取り出すかが重要であったが、超高効率化が期待されている第三世代太陽電池においては、どのようなバンド構造においてどのようなエネルギーを持つキャリアを取り出すかを綿密に制御する必要がある。本開発では、太陽電池中の伝導帯バンド構造およびキャリアエネルギーを直接測定できる唯一の評価法として、伝導キャリアエネルギー分光システムを早期に開発する。これにより、超高効率太陽電池開発が加速される。 |
No. | 開発課題名 | チームリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
サブリーダー氏名 所属機関・所属部署・役職 |
その他の参画機関 | 開発課題概要 |
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1 | 除染土壌の放射能濃度測定装置 | 岡城 康治 (株)北川鉄工所 開発本部 次長 |
遠藤 暁 広島大学 大学院工学研究院 教授 |
日立アロカメディカル(株) | 莫大な除染土壌の処理には、減容処理設備が不可欠である。チームリーダーらが平成24年度に福島県田村市に設置した実証プラントにおいてバッチ方式による湿式洗浄分級方式での減容の有効性を確認しており、この成果を生かすため、実際の除染土壌減容処理設備に設置する放射能濃度測定装置を開発する。本装置では、除染土壌について、短時間での正確な放射能濃度測定、安全性確認および履歴管理を行う。測定装置への土壌の投入から排出までを5分以内に実施できる装置の開発を行い、平成27年1月の実用機完成を目標とする。 |
2 | 海底土放射能分布測定ロボットの開発 | 小池 敏和 三井造船(株) 船舶・艦艇事業本部 艦船・特機総括部 特機・水中機器部 昭島分室 課長 |
小田野 直光 (独)海上技術安全研究所 海洋リスク評価系 系長 |
東京大学 九州工業大学 福島県水産試験場 |
福島第一原子力発電所事故により海域に放出された放射性物質の空間的な分布状況、放射性物質の経時的な移動の様子を面的に把握し、漁業復興のための適切な対策に資するため、NaI(Tl)シンチレータをベースとした放射線計測システムを装備した遠隔無人機(ROV)を開発する。ROV航走中は計測システムを100m四方の海域で曳航し、海底画像とともに面的な放射能分布を把握するとともに、特異的な場所においては着座して詳細な放射線計測、海底観測、採泥等を可能とする。開発システムは、政府の海域モニタリング、福島県等の地方自治体の詳細な観測、海底工事時の海域の詳細把握等に活用されることが期待される。 |
3 | 高エネルギー分解能・高スループットの国産放射能測定検査装置 | 竹内 宣博 (株)千代田テクノル 大洗研究所 常務取締役 大洗研究所長 |
吉川 彰 東北大学 金属材料研究所 教授 |
(株)C&A | 食品や焼却灰等の放射能を測定する検査装置は、現在主流となっているTl:NaIシンチレータやGe半導体を用いた機器を含めてエネルギー分解能・感度が低く、測定時間が長い。このため、本課題では、エネルギー分解能・感度が高いEu:SrI2結晶を大型化・高品質化したものを搭載した放射能測定装置を開発する。東北大学およびC&A社が独自開発の種結晶成長型ブリッジマン法を用いて、Eu:SrI2結晶の大型化・高品質化の技術を確立し、封缶技術も含めて事業化する。Eu:SrI2搭載放射能測定装置の開発・校正方法の検討等を千代田テクノル社が行い、平成26年度中にプロトタイプ機器を作成し、平成27年度中に全数検査を高スループットで検査できる装置を製品化する。 |
4 | 複雑形状食品の放射能検査装置の開発 | 谷口 一雄 (株)テクノエックス 代表取締役 |
松浦 秀治 大阪電気通信大学 電気電子工学科 教授 |
- | 複雑形状の魚介類等の放射性セシウムの位置有感スクリーニング測定装置を開発する。第1段階は1辺3.8cmのCsI検出素子による12×12個の検出マトリクスを構成し、5cmメッシュの形状測定と放射性セシウム濃度分布測定による個体および位置識別検査を行う試作機を平成25年度中に完成させ、80s測定で検出下限25Bq/kgを目指す。第2段階の平成26年度から、位置分解能1cmの検査装置を開発する。1辺80mmのCsI検出器を内部で8×8個の小型検出素子に分割した検出器を作製する。これを用いた1cmメッシュの48×48個検出素子による位置敏感検出器を開発し、複雑形状の多数の食品を個別かつ同時検査可能な2次元放射性セシウム検査装置を平成26年度中に試作する。被災地漁港での試作機の実証試験を行い、水揚げ時点でのスクリーニング検査用として平成27年度中の製品化を目指す。 |
5 | 高感度広域ガンマ線望遠鏡の開発 | 谷本 和夫 明星電気(株) 技術本部 副本部長 |
佐々木 真人 東京大学 宇宙線研究所 准教授 |
- | 被災地域の復旧・復興のため、放射線量の迅速かつ高信頼度・高精度・高感度な撮像計測を可能とし、大きな感受面積をもつ放射線モニター検査装置を開発する。製造工程、保管倉庫、搬送中のトラック・コンテナ、廃棄物置き場といったまとまった広域の範囲に混在している、製品・食品・土壌等に含まれるセシウム起源のガンマ線を迅速に検出できるようになる。申請者らがこれまで開発した、太陽光追尾分光方式によるCO2計測や、大気汚染監視用の撮像ライダー装置(3D-RTIL)をもとに、シンチレーションファイバー束で散乱されるコンプトン電子によるシンチレーション発光現象を高精度かつ高感度に撮像する装置を開発する。平成26年度中にプロトタイプ機を完成し、応用モニター試験を実施する。平成27年度には試験の結果を反映し、製品化試作の完成を目指す。 |