課題名 | 各国研究代表者・所属・役職 | 課題概要 | |
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1 | 災害対応型都市計画の実態に関する国際比較研究 (URBIPROOF) |
姥浦 道生 東北大学 大学院工学研究科 准教授 |
本研究は、水害リスクに対する都市計画の理想的な国際標準と各国の特質に応じた応用形態を明らかにすることを目的とする。具体的には、日本側は東日本大震災の復興都市計画の実態と課題を、ドイツおよびスロバキア側はそれぞれの地域の災害からの復興都市計画の実態と課題をそれぞれ明らかにし、比較検討する。 日欧の研究チームが相互補完的に取り組むことにより、災害リスクに配慮した都市計画のあり方と各国におけるその応用形態を示すことが期待される。 |
〇シュテファン・グライヴィング ドルトムント工科大学 空間計画研究所 所長(ドイツ) | |||
ヤロスラフ・テスラー コシツェ地域開発支援機構 ディレクター(スロバキア) |
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2 | 地震に対して強靭な社会を創るための道路ネットワーク (ROADERS) |
谷口 栄一 京都大学 工学研究科 教授 |
本研究は、地震に対して強靭で回復力のある道路ネットワークについて評価を行い、改良するための方法論の確立を目的とする。具体的には、日本側は最悪のケースを想定したシナリオの分析、災害時の交通需要推定、回復しやすさを見据えたネットワークの最適化に関する研究を分担し、欧州側は道路ネットワークの被害推定、限界状態のネットワークにおける構造物のねばり強さに関する研究を分担する。 日欧の研究チームが相互補完的に取り組むことにより、強靭で回復力のある道路ネットワークの計画につながることが期待される。 |
〇ウーア・E.ドルカ カッセル大学 土木・環境工学部 教授(ドイツ) | |||
ガブリエラ・M.アタナシウ イアシ工科大学 教授(ルーマニア) | |||
ラッセル・G.トンプソン モナッシュ大学 交通研究所 上級講師(オーストラリア) | |||
パナディオティス・アンジェルディス インペリアル・カレッジ・ロンドン 講師(イギリス) | |||
3 | 災害復興を目的としたリモートセンシングと空間情報技術による被災情報図の即時作成と配信 (RAPIDMAP) |
〇長 幸平 東海大学 情報理工学部 教授 |
本研究は、地球観測衛星や小型無人航空機(UAV)が撮影した被災地の画像を迅速に処理解析・地図化し、インターネット、タブレット端末などを駆使して、被災地の救援チームに速やかに提供するシステムの開発を目的とする。日本側は、衛星画像の即時受信処理、UAVなどによる現地調査とそれらの画像の即時配信技術を担当する。また、欧州側は、スイスが衛星画像やUAV画像の精密幾何補正を、イタリアが地図・空間情報解析を、また、ドイツが合成開口レーダデータの解析を主に担当する。 日欧の研究チームがそれぞれ得意分野を分担し、交流を通じて相互的に取り組むことで、災害対応におけるシナジー効果が期待される。 |
エマニュエル・バルサビアス スイス連邦工科大学 測地・写真測量研究所 上席研究員(スイス) | |||
ファビオ・レモンディノ ブルーノ・ケスラー財団(FBK) 3D光学測定ユニット 主任(イタリア) | |||
ウーヴェ・ソエーゲル ハノーバー大学 空間測量研究所 教授(ドイツ) | |||
4 | 鉄筋コンクリート架構と内蔵組積造壁を一体化する革新的耐震補強工法の開発 (INFILTIE) |
中埜 良昭 東京大学 生産技術研究所 基礎系部門 教授 |
本研究は、鉄筋コンクリート架構に内蔵された組積造壁が転倒せずに安定して地震に抵抗できる革新的な耐震補強工法およびその設計法を確立することを目的とする。具体的には、日本側は耐震補強工法の検証に不可欠な振動台実験を、トルコ側は文献調査および静的加力実験を、ドイツ側は有限要素法を用いた数値解析プログラムの開発をそれぞれ担当する。 日欧の研究チームが相互補完的に取り組むことにより、建物に内蔵される組積造壁の耐震脆弱性が改善され、建物の耐震安全性が飛躍的に向上することが期待される。 |
〇ポラット・グルカン チャンカヤ大学 土木工学科 学部長(トルコ) | |||
エッケハルド・フェーリング カッセル大学 土木・環境工学部 コンクリート・組積構造部門 部長(ドイツ) | |||
5 | 津波の防護とリスクアセスメントに関する研究 (RAPSODI) |
中村 由行 独立行政法人 港湾空港技術研究所 海洋・水工部 研究主監 |
本研究は、津波による沿岸構造物の被災メカニズムを解明し、被害の減災手法を構築することを目的とする。具体的には、日本・欧州両国にて水理模型実験や数値計算による被災メカニズムの検討を行う。また特に日本側は、新たなハード対策の開発、構造物の対津波設計ガイドラインの作成および津波のリスクマネージメント手法の構築を担い、トルコ・ドイツ側は、構造物やその背後の地域の安全性に関する水理実験や計算・評価手法のとりまとめを行い、ノルウェー側は津波リスクアセスメント手法の構築を担う。 日欧の研究チームが相互補完的に取り組むことで、世界的に幅広く適用可能な、津波による被害リスク軽減手法を構築することが期待される。 |
〇カール・ハービッツ ノルウェー地盤工学研究所 津波研究リーダー(ノルウェー) | |||
アンドレアス・コルテンハウス ブラウンシュウバイク工科大学 ライハトバイプ水理水資源研究所 上級研究員(ドイツ) | |||
アーメド・ヤルチナ 中東工科大学 土木工学科 海洋工学研究所長(トルコ) |
※氏名に〇がある研究者がプロジェクトリーダー
【効果的なエネルギー貯蔵と配分】課題名 | 各国研究代表者・所属・役職 | 課題概要 | |
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1 | 太陽光を用いる光触媒反応によるエネルギーの創出 (SolarFuel) | 大谷 文章 北海道大学 触媒化学研究センター 教授 |
本研究は、太陽光による水素製造のための可視光に応答して反応を起こす光触媒系の構築を目的とする。具体的には、日本側は固体材料を用いる光触媒の調製と相手国側で調製された光触媒の評価を行い、ドイツ側では金属錯体光触媒の調製と評価を、フランス側では貴金属ナノ粒子担持光触媒の調製と反応ダイナミクスの検討を行う。 日欧の研究チームが相互補完的に取り組むことで、革新的な不均一系光触媒の開発とその精密評価法の確立が期待される。 |
〇スヴェン・ラウ ウルム大学 無機化学研究所 所長(ドイツ) | |||
インド・レミタ パリ南大学 物理化学研究室 凝集系電子移動研究チーム長(フランス) | |||
2 | 安全・省エネルギーなメタン貯蔵用のナノラジエータ装着吸着材 (NASEMS) |
〇金子 克美 信州大学 エキゾチック・ナノカーボンの創成と応用プロジェクト拠点 特別特任教授 |
本研究は、グラフェンと細孔性高分子結晶からラジエータ機能を備えたメタン貯蔵材を創製することを目的とする。具体的には、日本側はナノ構造グラフェン創製と物性評価を行い、イタリア側は細孔性高分子結晶創製とナノ構造グラフェンと細孔性高分子結晶とのハイブリッド、フランス側はハイブリッド構造設計・吸着特性の理論評価を、ハンガリー側はコロイド化学的評価、スペイン側は高圧メタン貯蔵能とプロトタイプ創製を行う。 日欧の研究チームが相互補完的に取り組むことで、クリーンエネルギーの担い手である天然ガスの安全で省エネルギー貯蔵・輸送に必須の吸着材を開発できると期待される。 |
ルチア・カールッチ ミラノ大学 化学科 准教授(イタリア) | |||
クリスティーナ・ラズロ ブダペスト技術経済大学 物理化学・材料科学部 教授(ハンガリー) | |||
アラン・フックス ピエール・マリー・キュリー大学 教授・CNRS総裁(フランス) | |||
フランシスコ・ロドリゲス・レイノーソ アリカンテ大学 無機化学部 教授(スペイン) | |||
3 | 全固体電池におけるメソ領域でのリチウムイオン挙動解析 (UMBLA) |
〇齋藤 俊哉 トヨタ自動車株式会社 電池研究部 グループマネージャー |
本研究は、従来のリチウムイオン電池を大幅に超えるエネルギー容量が期待されている全固体電池を対象とし、動作中の電池内部でのリチウムイオン分布とその動的挙動をマイクロメータースケールで明らかにすることを目的とする。具体的には、日本側は試料としての全固体電池の作製と、試料表面付近のリチウムイオン分解析を分担し、スペイン側は試料深さ方向の解析を、ドイツ側は欧州の実験に用いる薄膜全固体電池の作製と実験結果を元にした計算モデルの構築を分担する。 日欧の研究チームが相互補完的に取り組むことにより、全固体電池の性能ボトルネックの理解と電池出力などの特性向上につながることが期待される。 |
J・マヌエル・ペルラド マドリード工科大学 核融合研究所 ディレクター(スペイン) | |||
アーヌルフ・ラッツ ウルム・ヘルムホルツ研究所 計算電気化学部門 部門長(ドイツ) | |||
4 | 統合水素エネルギー利用システムの性能向上に資する水素貯蔵材料、及び貯蔵方法に関する基礎的研究 (iTHEUS) |
中納 暁洋 産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 統合水素システムグループ長 | 本研究は、次世代の定置型水素エネルギー利用システムに関する設計・開発指針を得ることを目的とする。具体的には、日本側は主に室温付近で運転できる水電解装置、および燃料電池を採用した統合型水素エネルギー利用システムの開発を分担し、欧州側は数百度の高温域で運転する水電解装置、および燃料電池を採用した新たな定置型水素エネルギー利用システムに関する水素貯蔵方法と貯蔵材料特性の解明を分担する。 日欧の研究チームが相互補完的に研究に取り組むことにより、水素エネルギー貯蔵・輸送分野での技術進展、また、材料科学分野での技術革新につながることが期待される。 |
〇ビョーン・シ・ハウバク ノルウェーエネルギー技術研究所 物理部 部長(ノルウェー) | |||
マーティン・ドーンハイム ドイツ研究センターヘルムホルツ協会 ナノテクノロジー部 部長(ドイツ) | |||
アンドレアス・ズッテル スイス連邦材料試験研究所 水素エネルギー部 部長(スイス) |
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トルベン・レネ・ジェンセン オーフス大学 化学・融合ナノ科学センター部 助教授・グループリーダー(デンマーク) |
※氏名に〇がある研究者がプロジェクトリーダー