科学技術振興機構報 第96号
平成16年7月29日
東京都千代田区四番町5−3
独立行政法人科学技術振興機構
電話(03)5214-8404(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp

NC加工可能な複曲面金型の鏡面研削ユニットの開発に成功

 独立行政法人科学技術振興機構(理事長 沖村憲樹)は、委託開発事業の開発課題「金型の複曲面鏡面研削ユニット」の開発結果をこのほど成功と認定しました。
 本課題は、独立行政法人理化学研究所 主任研究員 大森 整氏らの研究成果を基に、平成13年3月から平成16年3月にかけて池上金型工業株式会社(代表取締役会長 池上恵蔵 本社 埼玉県久喜市南5-5-30、資本金275,400千円)に委託して企業化開発(開発費約168百万円)を進めていたものです。
(開発の背景)
 精密を要する複曲面金型の鏡面仕上げは、小形の砥石等を用いた手仕上げ作業に依存しており、熟練した技能と経験が必要とされ生産性にも限界があります。一方、専用加工機械による金型の精密研削は、独立行政法人理化学研究所で開発されたELID(電解インプロセスドレッシング)研削方法と放電ツルーイング法によって試みられてきましたが、これまで、この加工法が搭載された加工装置は自由度や動作形態も限定されていました。このため、複雑な曲面、特に複曲面を有する金型の鏡面仕上げに対応した高精度化、高効率化、自動化を実現する新加工技術が求められています。
(開発の内容)
 本新技術は、ELID研削法による金型の鏡面研削としてMC(マシニングセンター)用いて複曲面の鏡面研削の自動加工可能とした加工ユニットに関するものです。 本開発の研削加工用ヘッドはMCに取り付け可能なボールエンド形とし、さらに、ELID研削法に適したメタルボンド小径砥石およびインターバル方式によるELID加工法を開発しました。また、ヘッド先端部の砥石回転機構は、ボールエンド形の欠点である砥石先端部での加工死点が生じないよう、ヘッド先端に取り付けた砥石を自転させると共に、ヘッド全体をMCの主軸と同期させて軸中心にも回転させる自公転式としました。
(開発の効果)
 本新技術により、複曲面を有する金型の鏡面仕上げの高精度化、高効率化、自動化が可能となり、高い意匠性が求められる自動車・家電製品等の樹脂部品用精密成型金型の自動鏡面仕上げに、広く利用されることが期待されています。
本新技術の背景、内容、効果の詳細
用語解説
図1 ELID研削法の原理
図2 加工ヘッドと電解ドレッシング
図3 研削用砥石
図4 鏡面仕上げ用金型
開発を終了した課題の評価

なお、本件についての問い合わせは以下の通りです。
独立行政法人科学技術振興機構 開発部 開発推進課
菊地博道、井口 穣(電話:03-5214-8995)

池上金型工業株式会社 代表取締役会長 池上恵蔵
取締役大利根事業所長 斉藤多喜男(電話:0480-72-7200)
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