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別紙

戦略的国際科学技術協力推進事業
「日本−ドイツ研究交流」平成25年度新規課題 一覧

課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
ドイツ側
研究代表者
エネルギー伝達運動のインピーダンス制御機構の解明 ガネッシュ・ゴウリシャンカー 情報通信研究機構
脳情報通信融合研究センター
研究員
本研究は、エネルギー伝達運動課題(ボールをバットで打ち返すような運動)に関わるヒトのインピーダンス制御機構の解明を目的とする。 具体的には、日本側は、ヒトの行動実験を行ない、インピーダンス制御機構の数理モデル化を行なう。ドイツ側は、行動実験のための環境開発を行なう。さらに、両グループが共同して、インピーダンス制御の数理モデルをロボットへと実装する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組み、インピーダンス制御機構の解明が進むことで、ヒトのような柔軟で適応的な振る舞いを示すロボットの開発や、競技者のパフォーマンス向上を可能にする新たなスポーツ用具の開発につながることが期待される。
パトリック・ヴァンダスマット ミュンヘン工科大学
インフォマティクス研究所
教授
体内時計の時計遺伝子に基づく概日リズム調節メカニズムの解明 内匠 透 理化学研究所
脳科学総合研究センター
チームリーダー
本研究は、哺乳類の種や起源の違いによって、時計中枢である視交叉上核内の体内時計遺伝子の発現形態が異なる点に注目して、光環境による概日リズムの調節メカニズムを解明することを目的とする。 具体的には、日本側は計算生物学的手法で解析可能な定量化された実験データを提供し、ドイツ側は、この実験データを用いて視交叉上核による光環境の情報処理を表現するモデルの開発を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、光環境による概日リズムの調節を実験的視点、および理論的視点で説明することが可能になる。
グリゴリ・ボルデュゴフ チャリテ大学
理論生物学研究所
研究員
強化学習の神経回路機構の解明へ向けて 森田 賢治 東京大学
大学院教育学研究科
講師
成功や失敗の経験に基づく学習において重要な意味を持つと考えられる価値の予測誤差が、中脳のドーパミン細胞の活動によって表されていることが示唆されている。 本研究は、そうした活動がいかにして生じ、学習過程でいかなる役割を果たすかを、大脳皮質・基底核の解剖・生理データを踏まえた神経回路の数理モデリングにより探求することを目的とする。 具体的には、日本側はデータの解析・収集とモデルへの実装およびモデルの解析を行い、ドイツ側は大規模モデルの開発・シミュレーションおよび技術開発を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、試行錯誤による学習の脳神経機構の解明に貢献すると同時に、将来的に教育、医療、工学への応用につながることが期待される。
モリソン・アビゲイル ユーリッヒ総合研究機構
神経科学・医学研究所
教授
視覚的注意の計算論モデルによるマイクロサッカードの解明 吉田 正俊 自然科学研究機構
生理学研究所
助教
本研究は、視覚的注意の計算論モデルを用いて、どのような視覚特徴(色、傾き、動きなど)がマイクロサッカードに影響を及ぼすかを定量的に明らかにすることを目的とする。 具体的には、日本側はマイクロサッカードへの視覚的注意の影響が、第一次視覚野の損傷によってどう変わるかを検証する。ドイツ側はサルでの眼球運動を記録し、中脳での神経活動記録と照らし合わせることによって視覚的注意の計算論モデルの有用性を検証する。 本研究は実験と計算論の両方を行う新世代のシステム神経科学者が、お互いの経験とスキルを相補的に組み合わせる点に特色がある。
ハフェド・ジアド チュービンゲン大学
統合神経科学センター
ジュニア・リサーチ・グループリーダー