JSTトッププレス一覧 > 科学技術振興機構報 第937号
科学技術振興機構報 第937号

平成25年3月8日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)
Tel:03-5214-8404(広報課)
URL http://www.jst.go.jp

JSTが震災復興をテーマに情報循環型のモデル開発に着手
〜東日本大震災に関する情報を体系的に利用できる形に整理〜

未曾有の被害をもたらした東日本大震災からまもなく2年が経過しようとしています。国立国会図書館の「国立国会図書館 東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)」注1)や東北大学 災害科学国際研究所の「みちのく震録伝」注2)などにおいて、東日本大震災に関するあらゆる記憶、記録、事例、知見を収集し、国内外や未来に役立てる取り組みが進められています。しかし、集積される情報が多くなるほど、さまざまな情報を利用できる形で取り出すことが困難になりつつあります。

そこで、JST(理事長 中村 道治)では、平成25年度から、これまで培ってきた科学技術情報の整理手法を応用し、東日本大震災に関する画像、動画などのマルチメディアデータを体系的に整理し、専門家が利用できる形に整備することにより、震災からの復興や今後の防災・減災に貢献する取り組みをスタートさせます。

この取り組みは、分野ごとにデータの形式・種類がバラバラで、利活用が困難な情報を整理し、共有することにより、分野を超えた知見を見いだす環境構築の第一歩となるものでもあり、第4期科学技術基本計画に記載された「知識インフラ」注3)の構築につながるものでもあります。

これまでJSTは、「J−GLOBAL(ジェイグローバル)」注4)や、「ReaD&Researchmap(リードアンドリサーチマップ)」注5)により、研究開発活動に必要な情報(論文・特許などの研究成果、研究者、研究機関の情報など)を、体系的に収集して利用者が使いやすいように整備し、インターネットを通じて提供してきました。

今後は、このような情報提供サービスに加えて、今回体系的に整理する震災復興や防災・減災に役立つデータなどのさまざまな情報を循環型につなぐ、新たな情報流通モデル注6)の開発を目指します。

注1)「国立国会図書館 東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)」
国立国会図書館が、総務省など関係機関と連携・協力しながら、国全体として震災の記録を収集・保存し、後世で役立てることのできる仕組みを構築する取り組み。
URL:http://kn.ndl.go.jp/
注2)「みちのく震録伝」
東北大学 災害科学国際研究所が、産官学の機関と連携して、東日本大震災に関するあらゆる記憶、記録、事例、知見を収集し、国内外や未来に共有する東日本大震災アーカイブプロジェクト。
URL:http://shinrokuden.irides.tohoku.ac.jp/
注3)「知識インフラ」
科学技術基本計画は、平成7年11月に公布・施行された科学技術基本法に基づき、科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画であり、今後10年程度を見通した5年間の科学技術政策を具体化するものとして、政府が策定。
第4期科学技術基本計画は、平成23年8月19日に閣議決定され、平成23年度から27年度までの5年間を対象とする。本計画中で、「知識インフラ」の構築について記載。
URL:http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/kihon/main5_a4.htm
注4)「J−GLOBAL(ジェイグローバル)」
科学技術に関連する専門的な情報について横断検索と関連検索を可能にした日本初の、情報を探索し、新たな発想につなぐサービス。
「研究者」や「文献」、「特許」など異なる種類の情報は、従来、それぞれ体系的に整備され、別々のデータベースから提供されてきましたが、J−GLOBALではこれらの大量な情報を登載し、横断的に一度に検索することが可能。また、情報間のつながりを活用して、特定の文献について、その著者が書いた特許を簡単に参照するなどの関連検索により、通常の検索サービスでは得にくい情報の発見を促す仕組みを持っています。
URL:http://jglobal.jst.go.jp/
注5)「ReaD&Researchmap(リードアンドリサーチマップ)」
日本の研究者約22万人が登録する研究者総覧。JSTが運営していた研究者情報データベース「ReaD」と情報・システム研究機構 国立情報学研究所が開発した「Researchmap」を統合し、平成23年11月から情報提供サービスを開始したシステム。
URL:http://researchmap.jp/
注6)情報流通モデル
さまざまな分野の情報の作成者(提供者)と研究者、利用者が、情報を共有しつつ、提供された情報の利用履歴などが作成者(提供者)にフィードバックされる仕組みであり、情報の利活用を画期的に推進すると考えられます。
なお、このような情報流通モデル・基盤を構築するためには、共通ルールの策定や制度化が重要であり、内外の関係機関と連携しながら着実に推進していく予定です。

<お問い合わせ先>

科学技術振興機構 情報企画部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
佐藤 正樹(サトウ マサキ)
Tel:03-5214-8402 Fax:03-5214-8470