JST(理事長 中村 道治)は、本年度より開始した事業「復興促進プログラム(マッチング促進)」(以下、本事業)に関する新規課題の採択(第2回)を決定しました(別紙1)。本年4月より、JST復興促進センターの盛岡・仙台・郡山の3事務所を拠点とし、同センターに所属する「マッチングプランナー」を中心に被災地の企業と大学などのマッチングや、企業ニーズの掘り起しなどの活動を通して、本事業を推進してきました。8月には第1回の支援課題が決まり、震災から復旧するだけではなく、科学技術を利用して被災地が飛躍的に発展していくことを目指し、研究開発が始められました。
今回新たに採択を決定した課題は、6月から9月の間に応募を受け付けた課題のうち、評価委員会を経て選定した31件です(研究費:1件当たり年間2,000万円を上限 支援期間:最長3年)。本事業は、被災地の企業が研究開発に参加することが申請の要件となっており、採択された31件の課題は、それぞれの被災地企業が抱えているニーズを解決し、将来の被災地における経済発展、雇用促進などにつなげる計画です。特に、従業員数が数名~数十名といった小規模の被災地企業による独自性の高い申請が、今回多く採択されています。
例えば、三陸の養殖業復興を目指す課題として、北里大学の独創的技術を利用したフジツボ養殖の事業化への取り組みがあり、地元の漁業共同組合などにも協力を求めながら進めていく計画です。また、ものづくり関連では、宮城県の老舗中小企業が、研磨加工並みの加工精度で効率よく加工できる研削技術の開発という新しいチャレンジを行います。さらに、原子力発電所事故の影響を強く受けている南相馬市の企業が、観賞用の「クレマチス」の新花色品種開発を試みる計画で、開発に成功すれば、近隣の農家に提供し栽培を促進することによって、同地域一帯がクレマチスの先進地域として復興することが期待されます。
JSTは、本事業を通して、こうした独自技術を持ち、研究開発意欲のある被災地の企業が今後の被災地の復興を支え、先導していくことを期待して強力に支援してまいります。
なお、JST復興促進センターでは、引き続き本事業の課題申請を随時受け付けます。今後も適時申請課題の審査を行い、支援課題を選定していく予定です。詳細は、以下のホームページをご参照ください。
ホームページURL:https://www.jst.go.jp/fukkou/