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別紙2

新規採択研究代表者・研究者および研究課題名

戦略目標:「環境、エネルギー、創薬等の課題対応に向けた触媒による先導的な物質変換技術の創出」
研究領域:「低エネルギー、低環境負荷で持続可能なものづくりのための先導的な物質変換技術の創出」
研究総括:國武 豊喜(公益財団法人北九州産業学術推進機構 理事長)

氏名 所属機関 役職 研究課題名
稲垣 伸二 株式会社豊田中央研究所 稲垣特別研究室 室長・シニアフェロー メソポーラス有機シリカを利用した生体模倣触媒に関する研究
犬丸 啓 広島大学 大学院工学研究院 教授 ナノメートルレベルで設計された複合構造による二酸化炭素の触媒的・光触媒的化学変換
岩澤 伸治 東京工業大学 大学院理工学研究科 化学専攻 教授 機能性遷移金属錯体の創製に基づくエチレン及びアセチレンと二酸化炭素からのアクリル酸合成法の開拓
梅田 実 長岡技術科学大学 工学部 教授 固体高分子形燃料電池カソード反応を用いるCO2からのアルコール合成
横野 照尚 九州工業大学 大学院工学研究院 物質工学研究系 教授 CO2の資源化を実現するナノ構造を制御した光触媒電極の構築
生越 専介 大阪大学 大学院工学研究科 教授 ニッケラサイクルを鍵中間体とする不斉環化付加反応の開発
小澤 文幸 京都大学 化学研究所 教授 π共役系高分子の高効率合成のための高性能直接的アリール化触媒の開発
垣内 史敏 慶應義塾大学 理工学部 教授 不活性炭素結合を利用するn型有機半導体材料の革新的合成法の創出と有機電界効果トランジスタ作製への展開
香月 勗 九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 教授 カルベン錯体を用いる炭素―水素結合から炭素―炭素結合への不斉自在変換
川口 博之 東京工業大学 大学院理工学研究科 化学専攻 教授 無機金属クラスター錯体の反応化学を機軸とした安定小分子の物質変換
北川 進 京都大学 物質−細胞統合システム拠点 教授 多孔性配位高分子を反応場に用いたメタノール合成の開発
北村 雅人 名古屋大学 大学院創薬科学研究科 教授 カルボニル化合物の触媒的不斉α炭素アリル化の脱塩型から脱水型プロセスへの転換と高性能化
久新 荘一郎 群馬大学 大学院工学研究科 教授 シリル置換芳香族化合物の機能と物性
倉橋 拓也 京都大学大学院 工学研究科材料化学専攻 助教 電子構造の揺らぎに基づく機能性触媒の創製
桑野 良一 九州大学 大学院理学研究院 化学部門 教授 触媒的環化付加による縮合多環芳香族化合物のホモロゲーション合成
小林 修 東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻 教授 独自の基礎科学に基づく革新的不斉炭素−炭素結合生成反応の創成と展開
近藤 美欧 自然科学研究機構 分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域 助教 超分子クラスター触媒による水を電子源としたCO2還元反応系の構築
櫻井 英博 分子科学研究所 分子スケールナノサイエンスセンター 准教授 多核金属の協働作用で生み出すクラスター触媒の新反応
斎藤 進 名古屋大学 大学院理学研究科物質理学専攻および高等研究院 准教授 分子触媒と固体触媒のクロスオーバー領域の精密化に基づく二酸化炭素の資源化法の開拓
笹井 宏明 大阪大学 産業科学研究所 教授 触媒的不斉ドミノ反応を基盤とする実用的分子変換
佐藤 哲也 大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 准教授 環境に優しい低エミッション型脱水素クロスカップリング反応の開発
佐藤 美洋 北海道大学 大学院薬学研究院 教授 ニッケル錯体によるアルケンとCO2からのアクリル酸誘導体の直接的合成法の開発と新規ナノ粒子ニッケル錯体の創製と応用
澤村 正也 北海道大学 大学院理学研究院 教授 量子シミュレーションに基づく不斉C−H活性化触媒の開発
柴崎 正勝 公益財団法人 微生物化学研究会 微生物化学研究所 所長 先進的・実践的協奏機能型不斉触媒の開発と医薬合成の刷新
柴田 高範 早稲田大学 理工学術院 教授 触媒的不斉反応を駆使した精密制御によるキラルπ空間の創製と評価
高田 十志和 東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻 教授 インターロック触媒を用いる高選択的高効率物質変換
田中 健 東京農工大学 大学院工学研究院 応用化学部門 教授 不斉炭素―炭素結合生成反応による触媒的環構築の高度化と応用
茶谷 直人 大阪大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 革新的低環境負荷型分子変換反応めざした新規方法論の創成
椿 範立 富山大学 理工学研究部 教授 二酸化炭素からの新しいC1化学プロセスの創成
中村 潤児 筑波大学 数理物質系 教授 二酸化炭素活性化機構の学理に基づくメタノール室温合成触媒の創成
成田 吉徳 九州大学 先導物質化学研究所 主幹教授 分子触媒と固体表面科学の融合による人工光合成システムの創製
西原 康師 岡山大学 大学院自然科学研究科 教授 電子エネルギー素子を目指した触媒が先導するフェナセン型π電子系有機分子の創製
野村 琴広 首都大学東京 大学院理工学研究科 教授 定量的な炭素-炭素結合形成・集積化を基盤とする新規な星型巨大π共役有機分子の精密合成と光機能材料への展開
羽村 季之 関西学院大学 理工学部 准教授 π共役系分子の自在合成法の開発と機能開拓
東林 修平 分子科学研究所 分子スケールナノサイエンスセンター 助教 遷移金属触媒反応によるπ電子系おわん分子合成法の開発
姫田 雄一郎 独立行政法人 産業技術総合研究所 エネルギー技術研究部門 主任研究員 プロトン応答性錯体触媒に基づく二酸化炭素の高効率水素化触媒の開発と人工光合成への展開
檜山 爲次郎 中央大学 教授 金属触媒を利用する安定結合の活性化と新規合成変換法の創出
平野 雅文 東京農工大学 大学院工学研究院 応用化学部門 准教授 酸化的カップリング機構の特徴を活かした化学、位置および立体選択的鎖状炭素骨格の構築
平尾 俊一 大阪大学 大学院工学研究科 教授 低環境負荷型前周期遷移金属レドックスシステムの設計に基づく先導的物質変換テクノロジーの創出
深澤 愛子 名古屋大学 大学院理学研究科物質理学専攻 助教 ブタジエンを鍵とする非平面π電子系の創製と機能発現
藤嶋 昭 東京理科大学 学長室 学長 太陽光利用ハイブリッド光触媒による二酸化炭素の高効率還元
松永 茂樹 東京大学 大学院薬学系研究科 准教授 医薬品開発研究を先導する多彩な協同機能触媒系の創製と応用
三上 幸一 東京工業大学 大学院理工学研究科 応用化学専攻 教授 フッ素化合物の触媒的不斉炭素-炭素結合生成技術の開発と工業化
村井 利昭 岐阜大学 工学部 教授 アゾール類をコアとする直交π電子系分子群の創製
村上 正浩 京都大学 大学院工学研究科 合成・生物化学専攻 教授 太陽エネルギーを駆動力とする新変換技術の開発
森川 健志 株式会社豊田中央研究所 先端研究センター 光エネルギー貯蔵プログラム 主席研究員 太陽光と水で二酸化炭素を資源化する光触媒反応系の開発
森 健彦 東京工業大学 大学院理工学研究科有機・高分子物質専攻 教授 セルフコンタクト有機トランジスタの基礎技術
山田 陽一 独立行政法人理化学研究所 基幹研究所 副チームリーダー 次元制御されたナノ空間体と不均一系集積型遷移金属ナノ触媒に融合 した先導的π電子物質創製触媒システムの創出
山本 尚 中部大学 総合工学研究所 教授 分子性酸触媒の設計
依光 英樹 京都大学 大学院理学研究科 化学専攻 准教授 窒素埋め込み型縮環π電子系分子の合成を指向した触媒的三重縮環反応

(五十音順に掲載)

<総評> 研究総括:國武 豊喜(公益財団法人 北九州産業学術推進機構 理事長)

本研究領域は、低炭素社会の実現や、医薬品・機能性材料などの持続的かつ発展的な生産など、我が国のみならず世界が直面している諸課題の解決に貢献しうる、触媒による先導的な物質変換技術の創出を目指します。具体的には、有用物質への変換・活用のための二酸化炭素還元法の創出、高収率、高効率、高選択、経済的、安全に不斉炭素-炭素結合などを直截的に生成する触媒的物質変換技術の創出、π電子系分子の化学合成およびデバイスにつながる新機能創成手法の創出を目指します。

本研究領域では、既に優れた業績を挙げている研究者のみならず、発展途上にある若手研究者からの挑戦的な提案も募るため、研究費の規模を3段階設け、かつ、チーム型研究も個人型研究の提案も可能として、研究提案を募集しました。

今回の公募に対して、合計で198件もの提案がありました。これは募集が今回限りであるという本研究領域の事情を鑑みても多くの提案をいただいたと思います。10名の領域アドバイザーと30名の外部有識者の協力を得て書類選考を行い、77件の面接選考を実施し、最終的に50件の採択課題を決定しました。研究提案は、遷移金属触媒、有機金属錯体、半導体触媒、不斉合成、医薬合成、有機材料、有機デバイスなどをキーワードとするものがありました。

選考にあたっては、真に研究領域の趣旨を踏まえた提案であるか、社会にとっても必要な研究であるかなどの観点を重視しました。応募のあった研究提案は、魅力的なものが多く、選考は困難を極め、選考会では活発な議論がなされました。

本研究領域に参画する研究者には、高いモチベーションと緊張感を持って研究を進めていただきたいと思います。そのため、研究者から頻度の高い進捗報告を行っていただくなどして、研究の進捗を把握することに努め、研究の進捗に応じた弾力的な研究費の配分を行うこととします。また、本研究領域の特徴は、経験豊富な研究者から新進気鋭の若手研究者まで非常に多彩な研究者に参画いただくこととなったことです。そのようなさまざまな研究者が活発に意見交換を行えるような場を設けるとともに、領域内のポテンシャルが最大限発揮できるような、融合・連携を促進することとし、より質の高い研究成果を生む出すことを目指します。