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別紙2

A−STEP「本格研究開発ステージ 実用化挑戦タイプ(中小・ベンチャー開発/創薬開発/委託開発)」ステージゲート評価
平成24年度継続課題 一覧

中小・ベンチャー開発(採択課題2件)

重点分野 課題名 新技術の代表研究者 開発実施企業 新技術の内容 移行内容
グリーンイノベーション 長尺基板対応大画面プラズマスパッタシステムの開発 大阪大学
接合科学研究所
教授
節原 裕一
株式会社イー・エム・ディー

本新技術は、極めてインダクタンスの低い高周波アンテナを利用した高密度プラズマを用いたスパッタ成膜技術に関するものである。

従来のスパッタ成膜法は、酸化物や窒化物薄膜の成膜においてプロセスにおける反応性制御が従来のCVD法に比べ難しく、高速成膜が困難な欠点があった。

本新技術は、低インダクタンスアンテナによる高密度プラズマと直流スパッタ放電を重畳することで、成膜・反応性制御に優れた大面積で高密度なスパッタ源を実現し、高速かつ低ダメージなスパッタリング成膜を可能とするものである。本新技術により、結晶太陽電池用パッシベーション膜や酸化物透明半導体薄膜の成膜において大面積化への対応や低コスト化が期待される。

ハイリスク挑戦タイプから継続
情報通信 ロスレス高品位映像高速無線通信システム 北海道大学
大学院情報科学研究科
教授
宮永 喜一
株式会社レイトロン

本新技術は、FHD/QFHD映像を画質劣化させることなく、高速で伝送することを可能とする無線通信システムに関するものである。

従来の無線通信システムでは、伝送性能が不充分なため、ハイビジョン映像を高解像度画像としてそのまま伝送することができず、高圧縮を施すことにより大幅に画質が劣化したものとなっている。

本新技術では、8×8MIMO OFDM技術、マルチポートフーリエ変換技術、およびロスレス映像圧縮技術を用いることにより、フルハイビジョン原画像を画質劣化させることなく、効率的かつ高速で無線伝送することが可能となり、壁掛け大画面TV、4Kデジタルシネマなどの次世代マルチメディア、さらには高解像度画像を必要とする医療、防犯・防災など広い分野への適用が期待される。

ハイリスク挑戦タイプから継続

創薬開発(採択課題1件)

重点分野 課題名 新技術の代表研究者 開発実施企業 新技術の内容 移行内容
ライフイノベーション P2X4受容体を標的とする神経障害性疼痛治療薬 九州大学
大学院薬学研究院
教授
井上 和秀
日本ケミファ株式会社

本新技術は、新規低分子化合物による経口神経障害性疼痛治療薬に関するものである。

神経障害性疼痛患者はさまざまな神経障害に基づく過酷な痛みに悩まされ、既存薬としてプレガバリンなどが使われているものの、より良い治療薬の開発が求められている。

本新技術では、神経障害を起こした動物モデルで脊髄ミクログリアが活性化し、P2X4受容体が過剰発現していることを明らかにし、さらに選択的P2X4受容体拮抗薬の投与により強い疼痛抑制効果を確認したことから、新規な神経障害性疼痛治療剤につながる可能性を見いだした。神経障害性疼痛患者は、激しい痛みにより辛い日常生活を余儀なくされているが、本新技術により、患者の肉体的・精神的負担の軽減や生活の質の向上が期待される。

シーズ育成タイプからの継続