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別紙1

研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発プログラム)平成24年度新規課題 一覧

放射線計測領域<2次公募>「実用化タイプ(3課題)」 

  開発課題名 チームリーダー
氏名・所属機関・役職
サブリーダー
氏名・所属機関・役職
その他参画機関 開発概要
1 水中の低濃度放射性セシウムのモニタリング技術の実用化開発 伊藤 康博
日本バイリーン(株)
技術本部  第二技術部
部長
保高 徹生
(独)産業技術総合研究所
地圏資源環境研究部門
研究員
福島県農業総合センター 環境水中の放射性セシウムは主に溶存態と懸濁物質付着態で存在しています。本課題では、溶存態の放射性セシウムとの親和性が高いプルシアンブルー(PB)を用いた不織布カートリッジ、および縣濁粒子(SS)を補足する不織布カートリッジの開発を行い、既存技術では前処理に多くの時間を要している(6時間〜5日)水中の存在形態別の放射性セシウム濃度の計測に関し、短時間化(20〜60分)を図ります。
2 低価格・高速・高精度放射能測定装置の実用化開発 西沢 博志
三菱電機(株)
先端技術総合研究所 センサ情報処理システム技術部
主席研究員
渡辺 幸信
九州大学
大学院総合理工学研究院
教授
- 本課題では、汎用のNaIシンチレータに新しく開発された信号処理技術を適用することにより、放射性セシウムを高速かつ高精度に(2kgの一般食品の場合は検出下限25Bq/kg、20Lの飲料水の場合は検出下限2.5Bq/kgを1分で)測定できる機器の開発を行います。あわせて、軽量化・低価格化を実現し、一般食品だけでなく、飲料水、牛乳、乳幼児用食品に含まれる放射性セシウム測定装置の実用化を目指します。
3 放射性核種自動分離測定装置の実用化開発 松江 登久
(株)柴崎製作所
ライフサイエンス部
部長
森本 隆夫
財団法人日本分析センター
理事
- 食品に含まれるアルファ線放出核種(プルトニウム239+240など)やベータ線放出核種(ストロンチウム90など)の測定を行う場合、既存技術では結果が出るまでに長時間を要しており、迅速に結果が得られる技術が求められています。本課題では、食品中に含まれるアルファ線・ベータ線放出核種の放射能濃度測定を、試料の分解や化学分離から測定に至るまで全ての工程をコンピュータ制御により自動化できる装置を実用化開発します。これにより、測定に要する時間を現行の約1/8〜1/20に短縮することを目指します。
合計3課題

放射線計測領域<2次公募>「革新技術タイプ(要素技術型)(3課題)」 

  開発課題名 チームリーダー
氏名・所属機関・役職
サブリーダー
氏名・所属機関・役職
その他参画機関 開発概要
1 エネルギー弁別・位置検出型α線サーベーメータの要素技術開発 金子 純一
北海道大学
大学院工学研究院
准教授
石橋 浩之
日立化成工業(株)
筑波総合研究所
主管研究員
名古屋大学
(独)日本原子力研究開発機構
既存のα線サーベーメータでは、137Cs 等からのγ線・β線、ラドン子孫核種からのα線存在下において、239Pu、240Pu や238U からのα線を識別する事は難しく、新たな技術が求められています。本課題では、新たな検出技術(GPSシンチレータ)を開発し、高速・高感度(Pu、Rn子孫核種存在比率1:50の環境において、1BqのPuを5分以内に測定可能)なα線サーベーメータの開発につなげることを目指します。
2 集水域に着目した放射線の自然浄化モニタリングシステムの開発 兼松 泰男
大阪大学
産学連携本部
教授
藤宮 仁
(株)ダイナコム
代表取締役
福島大学 福島県において、放射線量の自然浄化作用(自然崩壊、森林の枝葉の脱落、腐敗と雨による河川への流出、移動)を調査しておくことは今後の放射線濃度の変化を把握するために重要です。本課題では、集水域の川底放射線量を計測するため、橋梁から垂下して利用するタイプのセシウムカウンターを開発し、阿武隈川流域の橋梁30箇所に設置します。これにより、自然浄化作用のモニタリングを行い、長期的な放射線濃度の推移を明らかにできるモニタリングシステムを構築することを目指します。
3 微量放射線の生物影響評価システム(装置)の開発 藤野 亮
日美商事(株)
取締役社長
森島 信裕
(独)理化学研究所
基幹研究所中野生体膜研究室
専任研究員
国立保健医療科学院
(株)柴崎製作所
放射線の低線量被ばくによる生体への影響は解明されていない部分も多く、大規模、高精度かつ迅速に解析するシステムが求められています。本課題では、新規のアレイ技術、スポッティング技術を用いることにより、低線量被ばくによってタンパク質に生じる微小な変化を大規模、高精度かつ迅速に観測するためのシステムを開発します。これにより、低線量被ばくによる生体への影響を詳細に解明することを目指します。
合計3課題

放射線計測領域<2次公募>「革新技術タイプ(機器開発型)(3課題)」 

  開発課題名 チームリーダー
氏名・所属機関・役職
サブリーダー
氏名・所属機関・役職
その他参画機関 開発概要
1 高感度かつ携帯可能な革新的ガンマ線可視化装置の開発 大須賀  慎二
浜松ホトニクス(株)
中央研究所第1 研究室
室長代理
片岡 淳
早稲田大学
理工学術院総合研究所 物理学及応用物理学専攻
准教授
- 本課題では、小型軽量で携帯可能でありながら、既存技術より極めて高感度なコンプトンカメラ方式のガンマ線可視化装置を開発します。具体的には、高性能光センサー(MPPC)により微細構造を有するシンチレータを読み出す独自開発の方式を採用し、検出器中でのガンマ線の散乱・吸収位置を三次元的に高精度で計測します。これにより、実用的な解像度を維持しつつ飛躍的な高感度化が達成でき、3m離れた位置から5μSv/hの空間線量率を与える線源を10秒程度で可視化することが可能となります。
2 生物学的線量計測用の分裂中期細胞自動検出装置の開発 古川 章
(独)放射線医学総合研究所
緊急被ばく医療研究センター
被ばく線量評価部
主任研究員
竹島 哲
三谷商事(株)
情報システム事業部ビジュアルシステム部
- 放射線被ばくにより、リンパ球の染色体には二動原体型異常と呼ばれる形状異常が生じ、細胞分裂の中期の状態にある細胞を観察することにより、この異常を検出することができます。既存技術では細胞分裂の状態にある細胞を目視により見つけ出し、形状異常の有無を確認していますが、この方法では多くの労力と時間を要しています。本開発では、顕微鏡の自動化技術と画像認識技術を用いることにより、二動原体型異常の検出に要する作業の簡便化、時間の短縮化(1スライドグラス20分程度)を図ります。
3 LANFOS:食品の非破壊放射能検査を可能とする低コスト検出器の開発 マルコ カソリーノ
(独)理化学研究所
EUSO チーム
チームリーダー
後藤 昌幸
(株) ジーテック
代表取締役社長
- 本課題では、宇宙物理研究のための次世代技術を応用し、全立体角に放出される食品のガンマ線を測定することが可能な検出器を開発します。食品の非破壊かつ高感度(検出下限10Bq/kg)な測定を実現するとともに、装置の小型化、低コスト化を図ることで、工場、市場等様々な場所での利用が期待されます。
合計3課題

グリーンイノベーション領域「要素技術タイプ(2課題)」 

  開発課題名 チームリーダー
氏名・所属機関・役職
サブリーダー
氏名・所属機関・役職
その他参画機関 開発概要
1 燃料電池内の水生成・移動現象のNMR計測技術の開発 小川 邦康
慶應義塾大学
理工学部
准教授
拝師 智之
(株)エム・アール・テクノロジー
代表取締役
- 燃料電池の触媒表面から生成する水がガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)を抜け、ガス流路を通って排出されるまでの水の動的挙動を計測する技術を開発します。実寸法に近い燃料電池内に小型NMR コイルを挿入し、発電電流分布の計測から生成水の空間分布を求め、発電時の高分子膜内の含水量、GDL表面およびガス流路内を通り抜ける水を計測し、3次元的な水移動を把握します。水移動の可視化がGDLおよび流路設計に役立ち、高密度発電の維持と開発費の削減が期待されます。
2 Li二次電池ミクロ界面のイオン拡散時間応答の可視化技術の開発 竹田 精治
大阪大学
産業科学研究所
教授
小粥 啓子
(株)アプコ
代表取締役副社長
摂南大学
神奈川大学
電池内部の異相界面におけるパワーフロー現象を解明するために、電池の充放電過程の各段階において、外部交流電圧と電子ビームを同期させることで電池表面および内部の動的な電位分布の変化を2次元可視化します。本技術の開発により、新しい電気化学分野である「理論・電位モデルの構築から解析・評価による実証」が拓かれ、サイエンスによって、電池劣化の解明、寿命予測が可能となり、グリーンイノベーションに貢献することが期待されます。
合計2課題

グリーンイノベーション領域「機器開発タイプ(4課題)」 

  開発課題名 チームリーダー
氏名・所属機関・役職
サブリーダー
氏名・所属機関・役職
その他参画機関 開発概要
1 局所的太陽電池評価用光起電力顕微鏡の開発 伊藤 貴司
岐阜大学
工学部
准教授
阿久根 智
(株)島津製作所
産学官・プロジェクト推進室
技術開発グループ
担当課長
- 使用が容易で迅速な評価が可能な、各種太陽電池の局所的な接合特性(界面特性)や光起電力特性の評価を可能とする評価装置「光起電力顕微鏡」を開発します。また、分光感度特性の局所的評価を可能とする技術開発を行い、その機能向上を図ります。本課題により、上記の評価装置が太陽電池開発に携わるユーザーに利用され、高効率化を阻む要因が明らかになることで、高効率太陽電池の実現に貢献することが期待されます。
2 蓄電池固体内反応局所領域の非破壊分析装置と手法の開発 櫻井 吉晴
公益財団法人高輝度光科学研究センター
利用研究促進部門
副主席研究員
長峰 勝
(株)長峰製作所
相談役
群馬大学
京都大学
(株)トヨタ自動車
高い物質透過能を有する100keV以上の放射光・高エネルギーX線のマイクロビームを用いて、蓄電池固体内局所領域の物質挙動を非破壊に観察し、蓄電池内部の反応分布を経時的に可視化する統合計測システムを開発します。また、本装置の利用が期待される大型Liイオン2次電池の研究開発現場での実証試験を行います。
3 太陽電池評価のための3D顕微メスバウア分光装置の開発 吉田 豊
静岡理工科大学
理工学部
教授
原田 芳仁
(株)アプコ
代表取締役社長
(株)応用科学研究所 本プログラムの「要素技術タイプ」で開発したγ線集光技術と電子計測技術をもとに、3次元顕微メスバウア分光装置を開発し、多結晶シリコン太陽電池に含有する鉄不純物を制御するための“目”を与え、発電効率向上に寄与することを目指します。本開発により、発電中の多結晶シリコン太陽電池中の鉄不純物のキャリア捕捉過程を、結晶粒毎に粒界や転位などの格子欠陥との相関、異なる格子位置および電子状態などを区別しつつ、表面からの深さ関数で評価することを可能にすることが期待されます。
合計3課題

調査研究※ FS(フィージビリティスタディ)課題

  調査研究課題名 チームリーダー
氏名・所属機関・役職
サブリーダー
氏名・所属機関・役職
その他参画機関 調査研究概要
1 燃料電池用触媒表面のナノ反応解析装置の開発のための調査研究 二又 政之
埼玉大学
大学院理工学研究科
教授
片倉 大輔
日本カンタム・デザイン(株)
先端技術部 アナリティカル&メジャメントGr.
セールスマネージャー
- 作動中の触媒表面をナノスケールで形状観察しながら、同時に反応種を超高感度でラマンイメージングにより状態分析する「燃料電池用触媒表面のナノ反応解析装置」の開発のための調査研究を実施します。本装置により、触媒金属表面の局所反応を―例えば複合金属触媒の異種金属ドメイン内部および境界の反応性の違いを―その場でかつナノスケールで解析可能となり、新規触媒設計の指針を得ることが期待されます。
合計1課題

領域非特定型「要素技術タイプ(14課題)」 

  開発課題名 チームリーダー
氏名・所属機関・役職
サブリーダー
氏名・所属機関・役職
その他参画機関 開発概要
1 微粒子光検出によるエキソソーム高精度定量技術の開発 糸長 誠
(株)JVCケンウッド
技術戦略部 技術開発センター 第二部
グループ長
半田 宏
慶應義塾大学
医学部
非常勤講師
- 疾患の種類あるいは状態に応じて体液中における分泌量が変化するエキソソーム等を高感度・高精度に定量計測する技術を開発します。エキソソームを粒子径 200nmの機能性(磁気)微粒子によって標識化し、エキソソームの選択的な捕捉が可能な微細構造を持つ機能性光ディスク上において、高速光ピックアップ走査によって1粒子単位で機能性微粒子を超高感度に計数し、エキソソームの高精度定量を目指します。
2 CFRP を用いた超軽量精密光学素子の開発 國枝 秀世
名古屋大学
大学院理学研究科
教授 (副総長)
浜田 高嘉
玉川エンジニアリング(株)
技術部
部長
愛媛大学
名古屋大学(複合材工学研究センター、素粒子宇宙起源研究機構)
高精度の大型X線望遠鏡は宇宙科学を推進するために必須ですが、その要素技術はいまだに開発途上にあります。本開発では、軽量で強度・形状安定性に優れた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に着目し、超軽量高精度反射鏡に必要な、精密成形技術確立を目指します。本開発により、医療応用可能なX線素子も視野に、波長を問わず大型望遠鏡製作や、安価で高性能の反射鏡を量産することも可能となります。また、CFRP上での皮膜形成は精密金型製作にも応用が期待されます。
3 マイクロ秒分解能・表面張力スペクトロメータの開発 酒井 啓司
東京大学
生産技術研究所
教授
里見 秀人
京都電子工業(株)
開発推進部・製品企画課
課長
- 液体表面張力の時間変化を10μ秒の時間分解能で追跡できる表面張力スペクトロメータを開発します。この時間分解能はインクジェットや高速印刷、噴霧など、現在の重要な微小液体プロセスの典型的な時定数ですが、従来の手法では高々1msの分解能が限界でありました。本課題では、申請者の独自開発による微小液滴ハンドリング技術により、必須の物性値である「時間変化する表面張力」の測定を可能にし、当該分野における装置設計や現象解析に強力なツールを提供します。
4 エネルギー認識型X線画像検出器開発と機能材料3次元局所分布分析への展開 豊川 秀訓
公益財団法人高輝度光科学研究センター
制御・情報部門
主幹研究員
末永 敦士
豊和産業(株)
取締役
(独)宇宙航空研究開発機構 白色X線回折は結晶方位を調整しなくても簡便に回折光を捉えられるという利点があるにもかかわらず、放射光実験への応用は限定されており、精密構造解析には通常単色X線が使われています。本課題では、強度のみならずエネルギーの空間分布を同時に測定できるエネルギー認識型画像検出器を開発することでこの常識を覆し、白色X線マイクロビームによる精密構造解析法を開拓します。これにより、電子線や単色X線の利用技術では困難であった材料特性の不均一性を評価するための多結晶組織の3次元顕微観察技術の確立を目指します。
5 超高磁場NMR を活かすマウス用MRI ユニットの開発 拝師 智之
(株)エム・アール・テクノロジー
代表取締役
久恒 辰博
東京大学
大学院新領域創成科学研究科
准教授
筑波大学 国内技術で実現できる高磁場マウス用MRI の一般化を目指します。既設NMR 装置の超伝導磁石で随時MRI 化できるMRI ユニット(分光器、勾配磁場コイル、RF コイル他)を開発します。そのため、勾配コイルに発生する強大なローレンツ力に対抗できる立体的コイルを銅材から形成します。既設NMR 装置の静磁場均一度の限界をMRI 評価し、生体マウスの撮像評価による利用を目指します。
6 マルチカラーライブセル超解像イメージングを可能とする蛍光プローブの開発 廣瀬 謙造
東京大学
大学院医学系研究科
教授
丸山 健一
五稜化学(株)
代表取締役
(株)ニコン 生細胞内での複数の生体分子の動態をナノメートルオーダーの空間解像度でリアルタイムに可視化、解析するために新発想に基づく蛍光プローブ開発を行います。本開発によりマルチカラーライブセル超解像イメージングが可能となり、生きた細胞内で分子のナノレベルの配置に着目した細胞機能解析が実現します。この結果、がんや生活習慣病、精神疾患など多くの疾患に対する従来にない視点からの創薬、治療戦略の開発が見込まれます。
7 超広帯域コヒーレント赤外分光技術の開発 藤 貴夫
大学共同利用機関法人自然科学研究機構
分子科学研究所
准教授
三村 榮紀
ファイバーラボ(株)
代表取締役社長
  高効率でかつ広帯域な波長変換技術と高繰り返し赤外フェムト秒ファイバーレーザーを組み合わせることによって、テラヘルツから近赤外領域までコヒーレントな赤外光を発生させ、それを光源とした新しいコンセプトの分光システムを構築します。分子振動に敏感な赤外スペクトルをこれまでにないほど高速に取得できるようになり、気体を含めたあらゆる物質の詳細な分析から医療など幅広い分野への応用が期待されます。
8 近接場偏光顕微技術の開発 保坂 純男
群馬大学
大学院工学研究科
教授
三浦 健
(株)ユニソク
研究開発部
研究員
- 10nm以下の磁区分布計測は、スピン偏極電子顕微鏡で行われていますが、試料作製の複雑さ、装置の簡素化などに大きな課題があります。本課題では、新たにプラズモン励起近接場光探針を用いた近接場偏光顕微鏡(SNPM)技術を開発し、簡易装置で10nm分解能を持つ磁気特性評価手段であることを実証します。
9 プラズモンセンサを用いた埋もれた界面計測技術の開発 本間 敬之
早稲田大学
先進理工学部
教授
三田 正弘
(株)協同インターナショナル
電子部
技術次長
- 材料・デバイスの最表面から界面までの分子構造や化学反応を、簡便かつオングストロームレベルの極めて高い深さ分解能で計測する手法の開発を目指します。特に他の手法では困難な、固液界面における静的および動的その場観察を0.1nmの深さ分解能で実現することを目指します。本手法は非常に汎用性に優れ、精密めっきプロセス、蓄電池や燃料電池の電極反応の解析をはじめ、太陽電池、触媒合成、光触媒、各種半導体デバイスなどにおける材料開発や反応プロセス設計の高度化、さらには細胞膜観察などを通じてバイオ分野における医薬品開発にも応用が期待されます。
10 サブテラヘルツ帯アクティブイメージング用照明系の開発 松山 賢
東京理科大学
総合研究機構火災科学研究センター
准教授
清水 直文
日本電信電話(株)
マイクロシステムインテグレーション研究所
スマートデバイス研究部
主任研究員
- 火災現場において、消火活動や被害者救助をサポートし、目標地点を可視化する技術が求められています。サブテラヘルツ帯電磁波は、煙霧中で透過性が高く、煙の立ち込めた地点の可視化に最適な電磁波です。従来この周波数帯はパッシブイメージングが主流でありましたが、火災現場においては高温の物質や煙が熱輻射源として支配的であるため、明瞭な被写体の像を得ることが困難でした。この課題の解決にはアクティブイメージングが必須であり、本課題では、そのキーコンポーネントである、低干渉性で十分な輝度を有する照明用テラヘルツ波発生器の開発を目指します。
11 位相差走査型透過電子顕微鏡要素技術の開発 箕田 弘喜
東京農工大学
大学院工学研究院
准教授
飯島 寛文
日本電子(株)
EM 事業ユニットEM 技術開発3G
副主任
- 走査型透過電子顕微鏡に位相差電子顕微鏡法を応用することを可能にするための要素技術開発を目指します。本課題により、電子との相互作用が小さく、高い電子信号を得ることが難しい軽元素からの電子信号を増強させ、生物試料の構造解析における定量性を向上するとともに、材料科学における構造解析や局所化学組成分析の性能向上を目指します。
12 ラボベース軟X 線光源用大開口・回転体集光ミラーの開発 三村 秀和
東京大学
大学院工学系研究科
准教授
橋爪 寛和
夏目光学(株)
技術部技術課
課長
- 高輝度ラボベース軟X線光源を最大限活用するためには、発散するX線を集めることができる大開口・回転体X線ミラーが有効です。しかし、理想的なX線ミラーには、シングルナノメートルの極限の精度が必要であるため実現されていません。本課題では、3次元ナノ精度加工、常温電鋳法、3次元形状評価法、追加成膜形状修正法を開発することにより、理想的な性能を有する回転体軟X線集光ミラーを世界にさきがけて実現するとともに、将来の軟X線顕微鏡開発を視野に入れ、X線ミラーの設計・作製・評価を行います。
13 疾患遺伝子探索用の病態モデル細胞作成・解析技術の開発 村田 昌之
東京大学
大学院総合文化研究科
教授
武田 一男
(株)オンチップ・バイオテクノロジーズ
開発部
取締役開発部長
- 先端計測技術をサポートする新規の細胞側システムと、その作製をサポートするデバイスを開発します。提案者が開発したセミインタクト細胞リシール法を用い、病態細胞質環境をもつ「病態モデル細胞」を作製します。その細胞システムを用い、時系列的な遺伝子解析を行うことにより、病態発現「初期」に動く遺伝子群を同定し、細胞機能攪乱を指標にその遺伝子機能を検定します。最終的に、汎用性のある創薬・診断支援システムとしての「病態モデル細胞」の開発を目指します。
14 プローブスキャン方式高速AFM 用スキャナーの開発 森居 隆史
(株)生体分子計測研究所
取締役
安藤 敏夫
金沢大学
数物科学系
教授
- 現状の高速原子間力顕微鏡(高速AFM)は、試料を走査するサンプルスキャン方式を採用しているため試料サイズに制限があり、これがアプリケーションの幅を著しく狭めています。本課題では、プローブスキャン方式の高速AFM用スキャナーを開発し、高速AFMを、単に表面形状観察装置という位置付けではなく、固液界面反応の動的解析装置として、生命科学分野にとどまらず工業材料一般にも広く適用できる汎用のツールとして進化させることを目指します。
合計14課題

領域非特定型
「機器開発タイプ(8課題)」 

  開発課題名 チームリーダー
氏名・所属機関・役職
サブリーダー
氏名・所属機関・役職
その他参画機関 開発概要
1 救急および災害現場で用いるポータブル血液検査装置の開発 粟津 浩一
(独)産業技術総合研究所
電子光技術研究部門
副部門長
藤後 達也
オプテックス(株)
ビジネス開発本部環境計測部
部長
日本大学 救急治療室あるいは大災害発生時の現場において、迅速な患者の血液検査は手術や輸血のために不可欠です。本課題では、携帯型で電源不要の血液検査装置を開発し、ABOとRh(D)血液型(オモテ検査とウラ検査)、HBs、HCV、HIV、梅毒の有無をその場でスクリーニングすることを可能とします。イムノクロマトグラフィーやSPRと比べて桁違いに感度が高く、環境安定性のある導波モードセンサ技術を基盤として、チップや光学系の小型集積化、チップ上での抗原抗体反応、全血の分離、赤血球と血清のマイクロ流路内での撹拌、混合方法等の開発を目指します。
2 親指サイズの超小型赤外分光断層イメージング装置の開発 石丸 伊知郎
香川大学
工学部知能機械システム工学科
教授
林 宏樹
アオイ電子(株)
第3 技術部
主査
香川県産業技術センター 本プログラム「要素技術タイプ」で得られた成果をもとに、人に優しい光を用いた、日常生活空間での疾患病態モニタリング装置を開発します。これは、世界初の親指サイズの超小型赤外分光断層イメージング技術による、生体組織の形態と成分の同時計測装置となります。これにより、家庭内で使用する無侵襲血糖値センサーや、身近なクリニックで受診できる眼底カメラによる網膜変性症の検査装置の実現が期待されるとともに、軟性内視鏡に搭載した胃がんの浸潤度測定技術などの開発も期待されます。
3 生細胞ナノ空間構造解析用Cryo-FLM-in lens-S(T)EM の開発 臼倉 治郎
名古屋大学
エコトピア科学研究所
教授
二村 和孝
(株)日立ハイテクノロジーズ
科学・医用システム事業統括本部 事業戦略本部 科学システム事業戦略部
部長
名古屋大学(理)
日本女子大学
本開発では、タンパク質分子の細胞内その場構造解析とそれら複合体の空間構造解析をするため、次世代Cryo-FLM-in lens-S(T)EMを開発します。本装置では、凍結試料の明視野、暗視野高分解能STEM像、表面の二次電子像、反射電子像の極低温同時記録、およびこれに対応する蛍光顕微鏡像が取得できることを目標としています。本装置は、生命現象、病気の成因の解明のために不可欠であり、医学生物学分野での利用はもとより、創薬、化粧品、食品の分野においても利用が期待されます。
4 超高感度・超高分解能パッシブ型THz 近接場顕微鏡の開発 梶原 優介
東京大学
生産技術研究所
講師
河村 賢一
(株)東京インスツルメンツ
商品開発室
室長
- 提案者らは、単一光子レベルの感度を持つTHz 検出器(CSIP)を世界で初めて開発しました。さらに、CSIPを導入した近接場顕微鏡を構築し、外部照射を使用せず(パッシブに)常温物質が発するテラヘルツ波を検出し、平衡状態にある格子や分子、さらに電子の運動状態をナノスケールで直接観察することに世界で初めて成功しました。本課題では、要素技術であるCSIP検出器および近接場顕微鏡の性能を大幅に発展させ、数値シミュレーションでしか示すことができなかった物質や分子のダイナミクスを直接観察できる、究極のテラヘルツ近接場顕微鏡の実現を目指します。
5 質量分析用超臨界流体抽出分離装置の開発 馬場 健史
大阪大学
大学院工学研究科
准教授
冨田 眞巳
(株)島津製作所
分析計測事業部LC ビジネスユニット
部長
神戸大学
宮崎県総合農業試験場
臨床診断や食品の安全性検査などにおいて世界をリードするには、多検体のハイスループットスクリーニングを可能にする革新的な分析装置が必要です。本課題では、超臨界流体の特性を生かした自動多検体処理型抽出−分離密閉オンラインユニットを構築し、ハイスループット・高感度・高分離能な世界初の質量分析用超臨界流体抽出分離装置の開発を目指します。
6 超音波速度変化を利用した内臓脂肪診断装置の開発 堀中 博道
大阪府立大学
大学院工学研究科
教授
川口 康
(株)アドバンテスト
新企画商品開発室 STeLS pj
プロジェクトリーダー
大阪市立大学 超音波速度の温度変化を利用するという全く新しい原理を用いた非侵襲内臓脂肪分布測定診断装置を開発します。現行の超音波画像装置を利用・改良して、リアルタイムで速度変化を検出し、肝臓の脂肪分布を画像化して、その脂肪量を定量化できる装置を目指します。本装置は短時間で非侵襲かつ、安価に複数回実施可能な検査法であることから、実地臨床だけでなく、健康診断にも利用可能で、生活習慣病の早期発見・予防・治療判定に役立つことが期待されます。
7 超高解像度電気化学イオンコンダクタンス顕微鏡の開発 末永 智一
東北大学
原子分子材料高等研究機機構
教授
青柳 重夫
北斗電工(株)
技術開発部
担当部長
東北大学(多元研、薬)
首都大学東京
(株)ナノコントロール
試料近傍の化学物質の濃度を微小電極により局所的に検出する走査型電気化学顕微鏡(SECM)は、細胞の呼吸量評価から電池材料まで、幅広い応用が期待されますが、1μmを上回る解像度の測定は困難でした。本課題では、光学顕微鏡の限界を上回る解像度かつ高速で、化学物質の局所的な濃度分布を測定可能な「超高解像度電気化学イオンコンダクタンス顕微鏡」の開発を目指します。本装置により、細胞膜タンパク質の分布状態や神経伝達物質の放出部位の可視化などが期待されます。
8 分子構造指標を用いた生体関連分子の細胞内動態観察装置の開発 三沢 和彦
東京農工大学
大学院工学研究院
教授
林 真澄
ワイヤード(株)
営業技術
代表取締役
東京医科歯科大学 本課題では、従来可視化が困難であった、生体中の低分子化合物の局在分布と動態を、その場で分子構造を同定しながら画像化する「位相制御コヒーレントラマン顕微鏡」を開発します。従来技術に比べ、単一の光ビームを顕微鏡に導入するだけですむため、生命科学・医療分野への活用が期待されます。実用研究のモデルケースとして、細胞の電気的興奮や神経伝達現象と、吸入麻酔薬分子の局在とを同時に観測することを目指します。本装置により、麻酔の分子薬理メカニズムを解明するための第一歩となる所見が期待されます。
合計8課題

領域非特定型「プロトタイプ実証・実用化タイプ(4課題)」

  開発課題名 チームリーダー
氏名・所属機関・役職
サブリーダー
氏名・所属機関・役職
その他参画機関 開発概要
1 革新的粘弾性計測法「EMS 法(Electro Magnetically Spinning)」の実用化開発 石原 進介
京都電子工業(株)
開発推進部
テクニカルエクスパート
酒井 啓司
東京大学
生産技術研究所
教授
- 本プログラムの「要素技術タイプ」において、ソフトマテリアルのレオロジー特性を非接触・微量で測定できる粘弾性計測法「EMS法(Electro Magnetically Spinning、電磁回転式粘弾性計測法)」を開発しました。本課題では当該成果をもとに、駆動部/試料環境制御部・分離型のプロトタイプ機を実用化開発し、各分野のユーザーニーズとのマッチングを図ります。その一環として、「二酸化炭素超臨界域を含む温度・圧力条件下における精密流動物性計測対応機」および「純水(1mPa・s)近傍を高精度で計測可能な低粘度域専用機」の開発を目指します。
2 迅速がん診断支援装置の実用化開発 出水 秀明
(株)島津製作所
基盤技術研究所
グループ長
竹田 扇
山梨大学
医学工学総合研究部(医学部)
教授
山梨大学(クリーンエネルギー研究センター) 本プログラムの「要素技術タイプ」で開発した成果をもとに、医師がオペレーターなしの簡易操作で、外来や手術室、内視鏡検査室などその場で、がんの迅速診断を可能にする、質量分析技術を基盤とした新しい装置を開発します。本装置には、ベイズ推定に基づいた独自の学習機械(dPLRM)ソフトウェアを開発、搭載させ、特定のがんのみならず、複数種類のがんの迅速診断支援を実現させます。プロトタイプ機によりすでに腎細胞がんなどで良好な判定結果を得ており、本開発では、他のがん種への適用も試み、測定の自動化など操作性の向上を図り、開業医に広く普及できる装置の実用化開発を目指します。
3 分光技術を活用した次世代型太陽電池評価装置の実用化開発 西川 宜弘
コニカミノルタオプティクス(株)
センシング事業部 開発部 先行開発課
担当課長
内田 聡
東京大学
教養学部附属教養教育高度化機構
特任教授
(財)神奈川科学技術アカデミー 薄膜系太陽電池の特性は、分光感度が結晶シリコン太陽電池と異なる等の理由から、従来の評価法では正確に測定できませんでした。本課題では、1非線形な特性を持つ太陽電池の分光感度を正確に測定する「絶対値分光感度測定装置」の開発と、2任意の太陽電池に対して1台で測定可能な「分光型基準セル」を開発します。これらの装置により、1従来困難であった低照度での評価が可能に、2評価期間を大幅短縮、3評価費用を大幅削減することが期待されます。
4 反応内蔵チップによる小型遺伝子定量装置の実用化開発 松尾 隆文
システム・インスツルメンツ(株)
研究フェローグループ
部長
大谷 亨
神戸大学
大学院工学研究科
准教授
東京農工大学 本課題では、PCR法にて増幅し2本鎖DNA を配列特異的に認識するZnフィンガータンパク質を用いることにより、有害微生物の大腸菌0157、サルモネラ、ノロウィルスなどの特定検出と定量が可能な小型遺伝子定量装置の開発を目指します。小型化と産業廃棄物削減のため、ピペットチップの中に、標的2本鎖DNAを認識する粒子を固定化した反応板を組み込んだ反応内蔵チップを新規開発し、反応・検出等すべての工程をこのチップ内で自動的に行うことができるようにします。本装置は世界に類のないオールインワン小型遺伝子定量装置であり、食品検査機関、食品製造・加工工場、医療・診断機関、介護施設などでの利用が期待されます。
合計4課題