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科学技術振興機構報 第902号

平成24年7月31日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)
Tel:03-5214-8404(広報課)
URL http://www.jst.go.jp

戦略的国際科学技術協力推進事業
「日本−中国研究交流」における平成24年度新規課題の決定について

JST(理事長 中村 道治)は、中国国家自然科学基金委員会(NSFC)注1)と共同で「水質汚染対策技術」に関する5件の研究交流課題を支援することを決定しました。この支援は、戦略的国際科学技術協力推進事業注2)「日本−中国研究交流」注3)の一環として行われるものです。

支援を決定した課題は次の通りです。

(1)「協奏機能により色素汚染水を常時清浄化可能な光触媒材料の開発」

(研究代表者:大阪大学 大学院工学研究科 山下 弘巳 教授、上海師範大学 化学科 リ・ヘキシン 教授)

本研究は、異なるテクノロジーの長所を協奏的に融合し、水中の汚染色素を分解除去することのできる、光触媒・吸着材・反応器デザインなどの材料と技術の開発を目指すものです。

(2)「効率的排水管理のための毒性評価と毒性削減手法の開発」

(研究代表者:横浜国立大学 大学院環境情報学府・環境情報研究院 益永 茂樹 教授、大連理工大学 化工・環境生命学部 チュェン・シェ 教授)

本研究は、水性生物が受ける毒性影響の評価法(バイオアッセイ)の確立と、それを評価軸とした排水処理技術や水環境管理手法の高度化を目指すものです。

(3)「高性能微生物を導入した無酸素ろ過および膜分離活性汚泥法を用いたコークス化廃水からの難分解性物質と高濃度窒素の除去」

(研究代表者:神戸大学 大学院工学研究科 松山 秀人 教授、北京大学 環境科学与工程学院 ニー・ジンレン 教授)

本研究は、難分解性物質を含む工業廃水を処理するため、固定化微生物と膜技術を融合させた新しい複合システムの構築を目指すものです。

(4)「放射性汚染水処理用高効率多機能吸着剤の開発および適用性評価」

(研究代表者:東北大学 大学院工学研究科 三村 均 教授、上海交通大学 核科学工程学院 ウェイ・ユェジョウ 主席教授)

本研究は、海水成分や金属腐食成分などを含む複雑な組成の放射性汚染水から放射性核種を効率よく除去できるシステムの構築を目指すものです。

(5)「湖沼の溶存有機物がたどる運命:特に、有機物負荷・汚染について」

(研究代表者:京都大学 生態学研究センター 中野 伸一 教授、中国科学院 環境科学・環境基準・リスクアセスメント国家重点研究所 ウー・フォンチャン 教授)

本研究は、日本の琵琶湖と中国の太湖を比較によって、湖水中に存在する有機物質(溶存有機物)の水質汚染への影響を解明することを目指すものです。

今回の研究交流課題の募集では33件の応募があり、これらの応募課題を日本側および中国側の外部専門家により評価しました。JSTとNSFCはその結果をもとに協議を行い、研究内容の優位性や交流計画の有効性などの観点から、日本と中国がともに支援すべきとして合意した5件を支援課題として決定しました。日本側、中国側とも平成24年9月に支援を開始し、研究期間は支援開始から3年間を予定しています。

注1) 中国国家自然科学基金委員会(NSFC:National Natural Science Foundation of China)
1986年に設立した、自然科学分野での基礎研究・教育を促進する中国政府機関。基礎研究と自由探求を旨とする国家自然科学基金の管理を任されています。
NSFCホームページURL:http://www.nsfc.gov.cn/Portal0/default106.htm
注2) 戦略的国際科学技術協力推進事業
政府間合意に基づき、戦略的に重要なものとして文部科学省が設定した協力対象国・地域および分野において、相手国の研究支援機関と共同で研究提案を公募・採択し、国際研究交流を支援します。
戦略的国際科学技術協力推進事業ホームページURL:http://www.jst.go.jp/inter/index.html
注3) 「日本−中国研究交流」
平成15年2月に東京で開催された、第10回日中科学技術協力委員会における合意に基づき、文部科学省が「環境保全及び環境低負荷型社会の構築のための科学技術」を研究交流分野として設定しました。それを受けJSTは平成16年2月にNSFCと共同で、同研究分野に関する第1回目のワークショップを中国・武漢にて開催し、具体的な日中研究交流がスタートしました。 設定された研究分野が広範囲にわたることから、平成16年度以降、研究領域を指定した日中研究交流課題の募集を行っています。平成16年度に1回目の課題採択を行い、今回の「水質汚染対策技術」に関する研究領域での課題採択は8回目になります。

<添付資料>

別紙:戦略的国際科学技術協力推進事業「日本−中国研究交流」平成24年度新規課題 一覧

参考:戦略的国際科学技術協力推進事業「日本−中国研究交流」平成24年度新規課題の採択に関して

<お問い合わせ先>

科学技術振興機構 国際科学技術部
〒102-0076 東京都千代田区五番町 K’s五番町
仲 大地(ナカ ダイジ)、宮本 純子(ミヤモト ジュンコ)
Tel:03-5214-7375 Fax:03-5214-7379
E-mail: