JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第899号 > 別紙
別紙

戦略的国際科学技術協力推進事業
「日本−タイ研究交流」平成24年度新規課題 一覧

課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
タイ側
研究代表者
持続的農作物生産に向けての次世代技術開発:ファージによる青枯病コントロール 山田 隆 広島大学
大学院先端物質科学研究科
教授
本研究は、主要農作物の重大な病害である「青枯病」を化学農薬の代わりにバクテリオファージを用いてコントロールし、効率の良い「診断・予防・防除システム」を確立することを目的とする。 具体的には、日本側が持つファージ技術(標識ファージによる青枯病菌の検出、溶菌ファージによる殺菌と予防、バクテリオファージの一種であるイノウイルスを用いた細菌無毒化とワクチン利用)をタイにおける青枯病・病害コントロール技術として適応させる。タイ側はタイ土着の固有菌を宿主として特異的ファージを多数分離し、それらの高度な特徴付けと、特徴に応じた用途を確立する(有用ファージ資源の確立)。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、ファージの特徴を生かした安全で持続的なコントロール系の確立が期待できる。
オラワン・チャッチャワンカンパーニ BIOTEC
農業バイオ研究ユニット
主任研究員
DigiTag2法による結核菌の検出と型判別を目的としたDNAチップの開発 徳永 勝士 東京大学
大学院医学系研究科
教授
本研究は、結核菌群の検出と結核菌遺伝系統の同定を目的とした、簡便でハイスループットな遺伝系統判定法を開発し、病原菌と宿主の相互作用を明らかにしようとするものである。 具体的には、日本側は、結核菌各遺伝系統の世界的な流行状況を調査するための、結核菌の検出と系統判定を簡便かつ大量に実施可能なDNAチップの開発を担当する。タイ側は、開発されたDNAチップを大量の臨床分離株に適用し、病原体側の遺伝的背景の差異と宿主要因との相関解析を担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、新たな遺伝系統判定法を活用した結核対策、将来のワクチン開発や治療法、および本分野における研究者育成への貢献が期待される。
アンカナ・チャイプラセルト マヒドン大学
医学部付属シリラート病院
准教授
鉄含量の高いコメと鉄過剰耐性イネの開発を目指した遺伝子資源の同定 西澤 直子 石川県立大学
生物資源工学研究所
教授
本研究は、ヒトの貧血症を改善するための白米中の鉄含量の高いイネ品種の開発と、タイの稲作においてしばしば収量低減の原因となっている鉄過剰症を回避できるイネ品種の開発を目的とする。 具体的には、日本側はイネ変異体の遺伝子発現解析により、白米中の鉄含量を制御する、あるいは鉄過剰症を回避することに関与する新規遺伝子を明らかにする。タイ側はすでに同定している種子中鉄含量の高いイネ変異体と、鉄過剰耐性のイネ変異体の全ゲノム解析を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、白米中の鉄含量の高いイネ品種の開発と、鉄過剰耐性イネ品種の開発が短期間で達成可能である。これらの新規イネ品種は貧血症の改善とタイ稲作の生産性向上に大きく貢献することが期待できる。
ビニチャン・ルアンジャイコン BIOTEC
イネ遺伝子発見ユニット
研究員