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開発を終了した課題の評価

課題名 「環境対応型難燃化処理剤の製造技術」
所有者 独立行政法人 産業技術総合研究所、片山化学工業株式会社
研究者 独立行政法人 産業技術総合研究所 環境化学技術研究部門
精密有機反応制御第2グループ 研究グループ長 韓 立彪
委託企業 片山化学工業株式会社
開発費 約248百万円
開発期間 平成21年3月〜平成23年3月

評価

本新技術は、新規環境対応型難燃化処理剤としてのビニルホスホン酸エステル類を、低コストで大量に生産する製造技術に関するものである。従来、同化合物の合成には、高価な触媒を使用するか多段プロセスが必須で、原料にホスゲンなど毒性の高い物を使用する問題があり、高価であることから試薬レベルでの製造に止まっていた。

本新技術は、発明者が見いだした新規カチオン性ニッケルヒドリド錯体触媒を活用し、安全性の高い原料を使用して1段階工程で高収率にビニルホスホン酸エステル類を大量に合成することを特徴としており、ハロゲンフリー難燃剤としてリン結合を分子骨格に直接導入可能なビニルホスホン酸エステル類の大量製造を可能とすることにある。

本開発では、従来のバッチ法に加えてマイクロリアクターによる連続製造技術を確立させ、塩化ニッケルおよび水酸化ナトリウムを使用したニッケル錯体触媒の内製化、低コスト化並びに大量合成法を開発した。さらに新規化学物質であるビニルホスホン酸エステル類の安全性試験の結果、化審法に基づく低生産量の新規化学物質としての判定を受けたことから、新規環境対応型難燃化処理剤として産業界での幅広い展開が期待できる。

今後、より厳しい環境対応が予想される難燃化処理剤市場で、樹脂骨格に直接導入可能な難燃化処理剤として本ビニルホスホン酸エステル類の実用化が期待できる。

評価者  独創的シーズ展開事業 委託開発
 プログラムディレクター  林 善夫
 プログラムオフィサー   吉村 進