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別紙

戦略的国際科学技術協力推進事業
「日本−中国研究交流」平成23年度新規課題 一覧

「地震防災」に関する課題

課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
中国側
研究代表者
巨大地震災害時における効果的災害対応を実現するための日中比較研究交流

林 春男

京都大学
防災研究所
巨大災害研究センター
教授

本研究交流は、近年に発生した地震災害での対応事例を日中間で比較研究することにより、災害時における効果的な危機管理・災害情報システムおよび災害対応計画のあり方を解明することを目的とする。 具体的には、日本側は阪神・淡路大震災、東日本大震災などの分析を担当し、中国側は四川地震などの分析を担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、地震災害による人的・物的被害および経済的・社会的影響が軽減されることが期待される。

チュ・グゥォシェン

中国地震局
中国地震応急救援センター
副センター長

龍門山断層帯北東部とその周辺断層の活動史と地震発生危険度に関する研究

池田 安隆

東京大学
大学院理学系研究科
准教授

本研究交流は、2008年の地震で割れ残った中国龍門山断層帯の周辺における現在および過去の地殻活動を調査することにより、同断層帯の近い将来における地震発生危険度を評価することを目的とする。 具体的には、日本側は高解像度の衛星画像データなどを解析するためのソフトウェアおよびこれらの大量データを処理する技術を担当する。中国側は龍門山断層帯北東部の地震テクトニクス調査などを担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、龍門山断層帯の未破壊セグメントの地震危険度が解明されることが期待される。さらに、活動度は低くても一度破壊が始まると大地震を起こす可能性のあるほかの長大な断層について、その地震危険度を評価するための基礎的研究となることが期待される。

マー・シォンリー

中国地震局
地質研究所
副所長

「気候変動」に関する課題
課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
中国側
研究代表者
気候変動に対する海洋生態系応答機構の解明

石松 惇

長崎大学
大学院水産・環境科学総合研究科
教授

本研究交流は、南シナ海および東シナ海における海洋気候変動が、その海域における生態系や生物生産性に与える影響を解明することを目的とする。 具体的には、日本側は動物生理生態学の観点から、気候変動が大型生物や大型藻類などに及ぼす影響を解析し、中国側は植物生理生態学の観点から植物プランクトンなどの解析を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、気候変動に対する海洋態系の応答をより高い精度で予測し、水産資源の管理・保全の策定に有益な指針を得られることが期待される。

ガオ・クンシャン

厦門大学
海洋環境科学国家重点実験室
教授

水田から発生する温室効果ガスの削減技術の開発とその削減ポテンシャルの評価

八木 一行

農業環境技術研究所
研究コーディネータ

本研究交流は、水田からの温室効果ガス発生量を削減するための管理技術を開発し、その削減効果を広域スケールで精緻に定量評価することを目的とする。 具体的には、日本側は衛星リモートセンシングにより、メタンなどの温室効果ガス発生の解析やモデリングを行い、中国側は四川省および江西省における温室効果ガス削減技術の検討や水田メタン発生の統計解析を担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、農業における温室効果ガスの全体像を把握し、その緩和策が確立されることが期待される。

シュ・ファ

中国科学院
南京土壌研究所
土壌利用・環境変化研究センター
教授

SNPマーカー選抜による耐乾性ナタネの作出

西尾 剛

東北大学
大学院農学研究科
教授

本研究交流は、中国の乾燥地や半乾燥地でも栽培できる乾燥耐性のナタネを、遺伝子組換え技術を用いるのではなく、DNA分析技術とゲノム情報を利用して自然変異や突然変異により作出することを目的とする。 具体的には、日本側はナタネの耐乾性を選別(スクリーニング)するための遺伝子一塩基変異多型(SNP)マーカーの開発を担当し、中国側は耐乾燥ナタネ優良系統の交雑による新しい育種系統の作出を担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、ナタネの省力的生産や耐乾性を持つ非遺伝子組換えナタネの供給が可能となることが期待される。

ジャン ・シュエクン

中国農業科学院
油糧作物研究所
油料作物生物学国家重点実験室
教授

吸収性エアロゾル(EC)と散乱性エアロゾル(OC、金属成分、イオン成分)の分布と化学成分の変化による影響の解明

畠山 史郎

東京農工大学
大学院農学研究院
教授

本研究交流は、黒色炭素のような「太陽光を吸収し温暖化に寄与するエアロゾル」と、そのほかの「光散乱性で寒冷化に寄与するエアロゾル」の化学成分を測定し、エアロゾルが長距離輸送されるなかでの化学的変質のプロセス解明を目的とする。 具体的には、光吸収性および散乱性のエアロゾルの濃度、化学組成などについて、日本側はエアロゾルの受容地域における地上観測と衛星観測を担当し、中国側は発生源地域におけるエアロゾルの地上観測とモデルによる解析を担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、エアロゾルが長距離輸送で気候変動に与える影響が解明されることが期待される。

ムン・ファン

中国環境科学研究院
大気環境研究所
研究員