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別紙

戦略的国際科学技術協力推進事業
「日本−EU研究交流」平成23年度新規課題 一覧

平成21年度募集課題

課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
EU側
研究代表者
工業用ナノ粒子の健康および環境における潜在的リスク管理に関する研究

宮澤 薫一

物質・材料研究機構
先端的共通技術部門先端材料プロセスユニット
フラーレン工学グループ
グループリーダー

本研究は、工業用ナノ粒子が健康および環境に及ぼす潜在的な影響を研究し、リスク評価・管理のための基盤整備を進めることを目的とする。

日本側は、フラーレンナノファイバーなどの標準ナノ材料の創製、ナノ材料の計測方法の標準化、生体影響評価、および環境モニタリングの研究を担当する。

EU側のMARINA(Managing Risks of Nanomaterials)プロジェクトは、標準ナノ物質(対照ナノ物質)、ナノ物質の評価手法の標準化、毒性評価、モニタリングシステム、環境暴露評価、人体や環境へのリスク評価、偶発的事象におけるナノ物質リスク管理、リスク削減戦略などの研究について担当する。

両研究チームが相互補完的に取り組むことによって、工業用ナノマテリアルの潜在的リスクを管理するために有用な情報を収集し、一般への普及に貢献すると同時に、リスク管理のための知的基盤を強化し、ひいては、ナノマテリアル関連産業の健全な発展に寄与することを目指す。

トラン・ラング

英国産業医学研究所
毒性部
部長

平成22年度募集課題

課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
EU側
研究代表者
東シベリア北極陸域生態系の永久凍土と温室効果ガスの動態

杉本 敦子

北海道大学
大学院地球環境科学
研究院
教授

本研究は、FP7コンソーシアムPAGE21プロジェクトと協力し、北極陸域生態系の永久凍土と物質循環系の動態の解明を目指す。

具体的には、北極圏のチョクルダ(ロシア)において、日本側はタイガ−ツンドラ境界の永久凍土の氷形成過程および有機物の蓄積状況と温室効果ガスの生成と放出に関する安定同位体比を用いた観測研究を担当し、EU側はツンドラにおける植生と温室効果ガスのフラックス観測研究を担当する。

両研究チームが相互補完的に観測に取り組むとともに、EU側のコンソーシアムと日本側に新たに設立された北極環境研究コンソーシアムの交流を促進することにより、環北極陸域における統合的な研究交流につながることが期待される。

フバーテン・ハンス−ウォルフガング

アルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所
地球科学部門
周氷河研究ユニット
ユニット長

天候および海洋と水についての全球地球観測システムを利用した相互流通性

小池 俊雄

東京大学
地球観測データ統融合連携研究機構
大学院工学系研究科
教授

本研究は、衛星などによる地球観測データを効果的に利用し、分野を超えたデータや情報の統融合によって、アフリカの水問題に関して、観測から問題解決までを支援するデータ・情報基盤の構築を目指す。

具体的には、日本側はデータ統合解析システム(DIAS)を用いて、オントロジー情報を用いたデータ探索の高度化を目指すとともに、アフリカの河川流域管理委員会と協力して、データや情報の統融合による気候変動適応のための水資源計画や、洪水・渇水対策のための貯水池最適管理情報を創出する。EU側は、天候および海洋と水についての全球地球観測システムの開発とデータや情報の相互流通性の向上を担当する。

両研究チームが相互補完的に取り組むことで、アフリカの水問題解決を支援するデータ基盤のプロトタイプの構築が期待される。

ヨハン・ヘイスベルト・ファン・ベンメレン

ヨーロッパ宇宙庁(ESA)
地上部門
データアクセスプロジェクトマネージャー

ストレス条件下における穀物根の養分獲得能の強化

マティアス・ビスワ

国際農林水産業研究センター
生産環境領域
主任研究員

本研究は、土壌中の養水分を効率的に利用し、かつ乾燥・圧縮・リン欠乏・窒素欠乏などのストレス耐性を有する作物品種の開発に必要な科学的知見と遺伝資源を提供することを目指す。

具体的には、日本側は土壌養水分および土壌圧縮に応じた根の構造形質の遺伝的・機能的基盤に関する研究を担当し、EU側はハイスループット表現型解析プラットフォームを用いた植物根の形状特性評価と、マッピング集団や突然変異系統を用いた仮説の検証について担当する。

両研究チームが相互補完的に取り組むことで、乾燥条件下や低肥沃度土壌においては低投入で安定した作物収量、また集約的農業においては施肥削減にもつながることが期待される。

エマニュエル・ギデードニ

仏国国際農業開発センター(CIRAD)
バイオロジカルシステム部門
ユニット長