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科学技術振興機構報 第853号

平成23年12月21日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)
Tel:03-5214-8404(広報ポータル部)
URL https://www.jst.go.jp

科学技術情報を活用した調査・分析手法を発信する
『J-GLOBAL foresight』の開設について

JST(理事長 中村 道治)は、平成23年12月21日(水)より、科学技術情報を活用した調査、分析手法を発信するサイト『J-GLOBAL foresight』を開設します。

論文情報や特許情報などの科学技術情報を活用した調査・分析により、科学技術イノベーションのための政策立案や企業の戦略立案に有益な情報を見いだすためには、世界の論文数や国際共同研究における各国間の関係などを分析・可視化して、その現状や将来の動向を「俯瞰的に」把握することが必要であり、世界的にもさまざまな研究が行われています。

「J-GLOBAL foresight」は、JSTが50年以上にわたって蓄積したおよそ5,600万件もの科学技術文献情報に、トムソン・ロイター社の文献情報3,500万件・特許情報1,700万ファミリー注1)も加え、科学技術イノベーションの世界的動向を俯瞰できる調査・分析手法を提供、発信していくためのサイトです。

<J-GLOBAL foresightで得られる分析結果の例>(別紙イメージ図参照

○「世界の論文」

世界各国の論文発表数などを、Google Map地図サービスと組み合わせて表示でき、一目で世界の論文発表の動向を把握することができます。

○「JSTがファンディングした研究者たち」

JSTがファンディングした研究者のTOP1%論文数の推移など、JSTがファンディングした研究者の研究成果について、JSTが独自に開発した著者名名寄せ技術注2)を用いて分析した結果を見ることができます。

○ 「国際共同研究の状況」

Cytoscape Web注3)」を使用して、国際共著関係をネットワーク図として見ることができます。

なお、「J-GLOBAL foresight」に掲載されている全ての分析結果データは誰でもダウンロード可能(無料)ですので、さらなる分析に活用いただくことも可能です。

今後は、特許や企業が発行する技術論文・技術解説に含まれる引用文献・科学技術用語に注目した分析手法や、JST外のさまざまな情報と組み合わせた分析手法などを、本サイトにて随時発信していく予定です。また、ユーザーからの意見を募集するための参加型のコミュニティーサイトも併設していく予定です。

『J-GLOBAL foresight』URL:http://foresight.jst.go.jp/

注1) トムソン・ロイター社の文献情報・特許情報
J-GLOBAL foresightでは以下のデータを使用。
◆Web of Science®(WoS)
自然科学分野(SCIE)
社会科学分野(SSCI)
人文学分野(AHCI)
自然科学分野の会議録(CPCI-S)
社会科学・人文学分野の会議録(CPCI-SSH)
◆ Web of Science®, Highly Cited Papers
◆ Derwent World Patents Index®
◆ Derwent Patents Citation Index®
注2) 著者名名寄せ技術
同一研究者であっても文献によって漢字の違いやローマ字など著者名表記が異なる場合や、逆に著者名表記が同じであっても別人の場合があります。これに対応するため、共著者名や文献の内容などを利用して特定の研究者の文献を抽出する技術です。
注3) Cytoscape Web
分析結果であるネットワーク(グラフ)を可視化してウェブサイトの中に埋め込んで提供するオープンソースプラットフォーム。

<添付資料>

別紙:『J-GLOBAL foresight』について

<お問い合わせ先>

科学技術振興機構 イノベーション推進本部 知識基盤情報部

〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
斉藤 隆行(サイトウ タカユキ)
Tel:03-5214-8431 Fax:03-5214-8460
E-mail: