1.趣旨
東京電力福島原子力発電所の事故は未曾有の大事故であり、この事故への対応は、日本の将来に大きな影響を与えることになります。その対応において科学者が果たすべき役割は大きく、また、この問題に貢献することは科学者および科学者コミュニティの責任でもあります。事故への対応は長期間を要することになりますが、科学者が持つ知識や経験が分野・組織・世代・国を越えて課題の解決に向けて総合的に発揮できる仕組みを構築すること、科学者が市民や国、自治体などのニーズや期待に的確に応えていくこと、科学者が十分な情報を踏まえて対応できること――など、今後、科学者を含む関係者が一体となって持続的に取り組んで行くことが必須と考えます。
このような視点から、本シンポジウムを通して、この事故への対応についての科学者の役割と責任について議論を深めたいと考えています。
2.開催日時
開催日:2011年11月26日(土)
時間:午前10時~午後5時
3.場所
- 日本学術会議講堂(東京都港区六本木7-22-34)
4.主催・後援
- 主催:日本学術会議、JST 研究開発戦略センター(CRDS)
- 後援(予定):日本原子力学会、日本機械学会、日本化学会、土木学会、日本原子力研究開発機構、日本医学放射線学会
5.プログラム(日英同時通訳)
(1)10:00~10:20[開催挨拶]
10:00~10:10 趣旨説明 吉川 弘之(JST CRDS センター長)
10:10~10:15 主催者挨拶 大西 隆(日本学術会議 会長、東京大学 教授)
(2)10:20~11:50[基調講演と報告]
10:20~10:40 事故の全容に関する報告
広瀬 研吉(内閣府 参与、東海大学 特任教授、JST CRDS 上席フェロー)
10:40~11:10 基調講演1「原子力と社会との関わり~米国を例に」
ケビン・クローリー(米国科学アカデミー(NAS) 原子力・放射線研究委員会 シニアボードディレクター)
11:10~11:30 基調講演2「日本学術会議の対応、科学者の貢献(仮)」
矢川 元基(東洋大学 教授、原子力安全研究協会 理事長、日本学術会議 連携会員)
11:30~11:50 基調講演3「東電福島原発事故後の放射線防護対策 -リスクコミュニケーションの担い手は?-」
佐々木 康人(社団法人 日本アイソトープ協会 常務理事、日本学術会議 連携会員)
昼食 11:50~13:00
(3)13:00~14:30[講演-各分野からの貢献]
- ・原子力分野からの貢献
田中 知(東京大学 教授、日本原子力学会 会長) - ・化学分野からの貢献
岩澤 康裕(電気通信大学 教授、日本化学会 会長、日本学術会議 連携会員) - ・土木分野からの貢献
米田 稔(京都大学 教授) - ・機械分野からの貢献
白鳥 正樹(横浜国立大学 特任教授、日本学術会議 連携会員) - ・放射線医学分野からの貢献
草間 朋子(大分県立看護科学大学 学長) - ・経済学分野からの貢献
黒田 昌裕(東北公益文科大学 学長、JST CRDS 上席フェロー)
休憩 14:30~15:00
(4)15:00~16:50[パネルディスカッション]
<パネリスト>
- ・ケビン・クローリー(米国科学アカデミー(NAS) 原子力・放射線研究委員会 シニアボードディレクター)
- ・石田 寛人(金沢学院大学 名誉学長、原子力安全技術センター 会長)
- ・草間 朋子(大分県立看護科学大学 学長)
- ・城山 英明(東京大学 大学院法学政治学研究科 教授)
- ・田中 知(東京大学 教授、日本原子力学会 会長)
- ・保坂 直紀(読売新聞東京本社 科学部 次長)
<モデレーター>
有本 建男(JST CRDS 副センター長/RISTEX センター長)
(5)16:50~17:00[今後に向けての総括]
総括講演(吉川 弘之 JST CRDS センター長)