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参考1

研究成果展開事業(産学共創基礎基盤研究プログラム)の概要

研究成果展開事業(産学共創基礎基盤研究プログラム)(以下、本プログラム)は、日本の産業競争力の強化および基礎的な研究の活性化を目指す、競争的資金制度です。 本プログラムでは、企業ではできない、大学・公的研究機関などによる基礎的な研究を推進し、産業界に共通する技術的課題「技術テーマ」の解決に資する成果を得ることを目指します。

また、産と学の対話の場である「産学共創の場」を構築し、研究の進捗状況や成果創出状況を議論することによって、産業界の視点や知見を基礎的な研究での取り組みにフィードバックし、「技術テーマ」の解決を加速します。

本プログラムでは、産業界サイドにも場の運営に積極的に関わっていただき、企業関係者による研究開発への関与や企業の研究設備、施設等の活用など、民間リソースの積極的活用を推進します。

1.「技術テーマ」とは

※1テーマにつき最長10年程度の支援を想定しています。

2.プログラムの流れ

  1. (1)「技術テーマ」の決定
    産業界から「技術テーマ」の提案を募ります。JSTによる調査や外部有識者で構成される委員会(産学共創基礎基盤研究推進委員会)での審議を経て、「技術テーマ」とその運営の責任者であるプログラムオフィサー(PO)を決定します。
  2. (2)研究課題の公募・採択
    決定された「技術テーマ」ごとに、大学・公的研究機関などの研究者を対象に研究課題を公募し、「技術テーマ」の解決に資する研究課題を採択します。
  3. (3)研究実施と「産学共創の場」の構築
    採択された研究課題における研究を実施するとともに、産学が対話する「産学共創の場」を構築します。

図 プログラムの仕組みと流れ

3.研究課題の研究期間および研究費

・研究期間:原則2年

※ただし、2年以上の研究期間が必要な場合、研究開始から2年後の厳正な評価の結果に基づき、引き続き研究を認める場合があります(最長5年程度まで)。

・研究費:1課題あたり最大3000万円/年程度

4.今回の技術テーマの概要

(PO:加藤 雅治 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 教授)

本技術テーマでは、革新的な構造用金属材料の創製のための基盤技術と指導原理の構築のための基礎基盤研究を行い、今後数十年~百年にわたる我が国の社会基盤の強化と、製造業の国際競争力の維持・強化に資する成果を得ることを目指します。

本技術テーマでは、金属材料中のさまざまな不均一性(ヘテロ構造)を積極的に利用することを考えます。そして、強度、延性、じん性、加工性、耐環境性など、構造用金属材料に要請される諸性質の飛躍的な改善、さらには、従来は両立が困難であった複数の機能を同時に向上させるような革新的な材料設計・開発思想を確立することを目指します。今までの金属学、材料工学の知識の延長線上での取り組みを超えた新たな学術的、技術的な指導原理を構築できる独創的な基礎基盤研究を推進します。また、これらの成果が将来的に材料の実用化に貢献できるよう、産業界と研究者との意見交換(「産学共創」)の結果を基礎基盤研究の推進方針に積極的に反映していきます。

5.プログラムの概要、POによる公募・選考・技術テーマ運営にあたっての方針、本技術テーマの既存課題などについては、下記のホームページを参照してください。

産学共創基礎基盤研究プログラム ホームページURL:https://www.jst.go.jp/kyousou/