JSTトッププレス一覧科学技術振興機構報 第824号 > 別紙2
別紙2

「平成22年度小学校理科教育実態調査集計結果」(抜粋)

図タイトルに参照するページを〔P.XX〕で示す。

1.教員に関する結果

(1)「理科支援員の活用の有無」と理科専科あるいは低学年の担当等により「理科の指導をしなかった年度の有無」に関して

物理分野の得意・不得意について、「得意」「やや得意」と肯定的に回答した教員の割合は、『理科支援員』を1年間活用した教員が46%、2年間活用した教員が50%、3年間活用した教員が55%である。

図1
図1 理科支援員の活用の有無と理科を指導しなかった年度の有無による 理科指導の得意・苦手の意識の違い(物理分野の内容)〔P.57〕

理科の観察・実験の知識・技能について、「高い」「やや高い」と肯定的に回答した教員の割合は、ほかの教員と比較して、『理科支援員』を活用した教員が高く、1年間活用した教員が46%、2年間活用した教員が51%、3年間活用した教員が55%で、理科の指導をしなかった年度がある教員(『支援員未活用・指導無1年、2年』)は33~37%である。

図2
図2 理科支援員の活用の有無と理科を指導しなかった年度の有無による観察・実験についての知識・技能の意識の違い〔P.64〕

教科の指導をする際の外部人材の支援の必要性について、「必要である」と回答した教員の割合は理科が74%と最も高く、次いで音楽が52%、家庭科が39%である。また、『理科支援員』を3年間活用した教員では、87%が外部人材の支援が必要と回答している。

図3
図3 教科の指導をする際の外部人材の支援の必要性の違い(○を付けた回答者の割合)〔P.78〕
図4
図4 理科支援員の活用の有無と理科を指導しなかった年度の有無による理科の指導をする際の外部人材の支援の必要性の違い (理科に○を付けた回答者の割合)〔P.79〕

理科の授業において、科学が日常生活に密接に関わっていることをよく解説しているかについて、「そう思う」「ややそう思う」と肯定的に回答した教員の割合は、ほかの教員と比較して『理科支援員』を活用した教員が高く、72~78%で、理科の指導をしなかった年度がある教員(『支援員未活用・指導無1年、2年』)は59~60%である。

図5
図5 理科支援員の活用の有無と理科を指導しなかった年度の有無による理科授業に関する意識の違い
(科学が日常生活に密接に関わっていることをよく解説していると思いますか)〔P.67〕

「理科の授業において実験したことからどんな結論が得られるかをよく考えさせているか」について、「そう思う」「ややそう思う」と肯定的に回答した教員の割合は、ほかの教員と比較して『理科支援員』を活用した教員が高く、86~89%で、理科を指導しなかった年度がある教員(『支援員未活用・指導無1年、2年』)は78%である。

図6
図6 理科支援員の活用の有無と理科を指導しなかった年度の有無による理科授業に関する意識の違い
(理科の授業において、実験したことからどんな結論が得られるかをよく考えさせていると思いますか)〔P.69〕

気体検知器の使い方では、「自信がある」「やや自信がある」と肯定的に回答した割合は、『理科支援員』を1年間活用した教員が75%、2年間活用した教員が81%、3年間活用した教員が84%で、葉のデンプンの検出については、『理科支援員』を1年間活用した教員が62%、2年間活用した教員が63%、3年間活用した教員が72%である。

図7
図7 理科支援員の活用の有無と理科を指導しなかった年度の有無による実験機器などの指導の自信の違い(上:気体検知器の使い方〔P.82〕・下:葉のデンプンの検出〔P.84〕)

(2)大学院の修了の有無および専攻の違いに関して

物理分野の内容について、「得意」「やや得意」と回答した教員の割合は、理科系の大学院を修了している教員が最も高く77%、次いで大学の専攻分野が理科系の教員が72%であり、理科系以外の大学・大学院出身の教員は37~38%である。

*「理科系」:教育(理科選修)系、理学、工学、農学等自然科学系

図8
図8 大学院修了の有無および専攻分野による理科指導の得意・苦手の意識の違い
(物理分野の内容)〔P.89〕

観察・実験についての知識・技能について、「高い」と回答した教員の割合は、理科系の大学院を修了している教員が最も高く20%、次いで理科系の学部を専攻した教員が12%であり、理科系以外の大学・大学院出身の教員は、1~2%である。

図9
図9 大学院修了の有無および専攻分野による観察・実験についての知識・技能の意識の違い〔P.95〕

児童による観察・実験の実施頻度について「週に1回以上」と回答した教員の割合は、理科系の大学院を修了している教員が最も高く94%、次いで理科系の学部を専攻した教員が80%であり、理科系以外の大学・大学院出身の教員は65~66%である。

図10
図10 大学院修了の有無および専攻分野による児童の観察・実験頻度の違い〔P.99〕

手回し発電機の使い方について、「自信がある」「やや自信がある」と肯定的に回答した教員の割合は、理科系の大学院を修了している教員が最も高く86%、次いで理科系の学部を専攻した教員が74%であり、理科系以外の大学・大学院出身の教員は36~39%である。

図11
図11 大学院修了の有無および専攻分野による実験機器などの指導の自信の違い(手回し発電機の使い方)〔P.104〕

2.児童に関する結果

(1)『理科支援員』および理科専科の配置の有無に関して

「疑問を解決したり、予想をたしかめたりする力がつく」について、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と肯定的に回答した児童の割合は、『理科支援員のみ』を配置した学校の児童が73%、支援員および理科専科が『未配置』の学校の児童は71%、『理科専科のみ』を配置した学校の児童は70%である。

図12
図12 理科支援員および理科専科の配置の有無による児童の意識の違い (理科を勉強すれば、疑問を解決したり予想をたしかめたりする力がつく)〔P.114〕

「理科の授業がどの程度分かるか」について、「よく分かる」と回答した児童の割合は、『理科支援員のみ』を配置した学校の児童が26%に対して、支援員および理科専科が『未配置』の学校の児童は24%、『理科専科のみ』を配置した学校の児童は22%である。

図13
図13 理科支援員および理科専科の配置の有無による児童の意識の違い(理科の授業がどの程度分かりますか)〔P.117〕

「自分の考えで予想して実験や観察をしているか」について、「そうしている」「どちらかといえばそうしている」と肯定的に回答した児童の割合は、『理科支援員のみ』を配置した学校の児童が78%に対して、支援員および理科専科が『未配置』の学校の児童は76%、『理科専科のみ』を配置した学校の児童は74%である。

図14
図14 理科支援員および理科専科の配置の有無による児童の意識の違い(自分の考えで予想して実験や観察をしていますか)〔P.121〕

理科の自由研究の取り組みについて、5・6年生両方で取り組んだ割合は、『理科専科のみ』を配置した学校の児童が33%に対して、『未配置』の学校の児童は20%、『理科支援員のみ』を配置した学校の児童は18%である。

図15
図15 理科支援員および理科専科の配置の有無による理科の自由研究の取り組みの違い〔P.123〕

3. 学校に関する結果

(1)『理科支援員』および理科専科の配置の有無に関して

平成22年度の各教科・外国語活動の校内研修会・研究会の回数の平均は、国語が最も多く3.8回で、理科の平均回数は0.6回で、6教科(活動)中5番目である。また、理科の校内研修会・研究会回数について、年に1回以上行うと回答した学校の割合は、ほかの学校と比較して、過去3年間に少なくともいずれかの年度で『理科支援員のみ』が配置された学校が最も高く、34%である。

図16
図16 教科などの校内研修会・研究会実施予定の回数の平均〔P.24〕
図17
図17 理科支援員および理科専科の配置の有無による教科などの校内研修会・研究会実施予定の回数の違い(理科)〔P.27〕

理科の自由研究の指導について、「全員に指導している」と回答した学校の割合は、第5学年で、過去3年間に少なくともいずれかの年度で『理科専科のみ』が配置された学校がほかの学校と比較して最も高く81%で、『未配置』の学校が69%、『理科支援員』のみが配置された学校が66%である。

図18
図18 理科支援員および理科専科の配置の有無による理科の自由研究指導の違い(第5学年)〔P.31〕

理科の自由研究作品数について、「ほぼ全員が提出する」と回答した学校の割合は、第5学年で、過去3年間に少なくともいずれかの年度で『理科専科のみ』が配置された学校がほかの学校と比較して最も高く26%で、『未配置』の学校が18%、『理科支援員』のみが配置された学校が15%である。

図19
図19 理科支援員および理科専科の配置の有無による理科の自由研究作品提出数の違い(第5学年)〔P.30〕

理科のために予算化された設備備品費は、児童一人あたりの平均が年間約478円、消耗品は、児童一人あたりの全国平均で年間約373円である。設備備品費が0円の学校が約38%である。

学校予算額
  平均値 最小値 最大値 有効回答
学校あたりの設備備品費 11.0万円 0万円 256万円 865
学校あたりの消耗品費 8.6万円 0万円 151万円 885

(学校、N=969)

学校予算額の合計を児童数の合計(3~6学年)で割った値
  平均値 最小値 最大値 有効回答
児童あたりの設備備品費(全体) 478円 9206万円 192528人 834
児童あたりの消耗品費(全体) 373円 7355万円 197411人 855

(学校、N=969)

図20
図20 学校あたりの設備備品費の分布〔P.33〕
図21
図21 学校あたりの消耗品費の分布〔P.34〕

新学習指導要領で整備が期待される実験機器などに関して、放射温度計が51%、月球儀が48%、携帯型双眼実体顕微鏡が45%の学校で「ない」、保護眼鏡が52%の学校で「児童二人に1台ない」、双眼実体顕微鏡が41%、自動上皿天秤が30%、コンデンサーが23%の学校で「各班に1台ない」と回答している。

※大型人体骨格模型、大型人体内臓模型、二球儀、月球儀は選択肢として「4.1~数台」「5.ない」のみ尋ねた結果である。

図22
図22 新学習指導要領で整備が期待される実験機器などの整備状況〔P.37〕