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別紙

戦略的国際科学技術協力推進事業
「日本-中国研究交流」平成23年度新規課題 一覧

課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
中国側
研究代表者
1 新規触媒の開発に立脚したバイオマス・廃棄物からのバイオ燃料合成プロセス 椿 範立 富山大学
大学院理工学研究部
工学系
教授
本研究は、バイオマスや廃棄物から液体燃料を合成するための新しい固体触媒合成を検討し、環境低負荷型の触媒反応を検討することを目的とする。 具体的には、日本側はバイオマスを直接分解する触媒や、効率的な加水分解方法、多段有機合成を一段にするカプセル触媒の開発を行い、中国側はバイオマスからの炭化水素の生産、大型プラントを用いた触媒反応工程の実証検討を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、バイオマス利用のための最適な触媒変換や、反応装置の開発が進展し、新エネルギー産業や環境保全への貢献につながることが期待される。
ワン・テェジュン 中国科学院
広州エネルギー研究所
バイオマスエネルギーセンター
教授
2 環境調和型高効率廃棄物燃焼・熱分解/ガス化技術に関する共同研究 成瀬 一郎 名古屋大学
大学院工学研究科
教授
本研究は、都市ゴミを燃焼する際に発生する環境汚染物質の抑制技術を開発し、その焼却システムのモデリングを目的とする。 具体的には、日本側は焼却炉内の灰付着低減技術の開発や、都市ゴミの燃焼反応のシミュレーションと焼却炉のモデリングを行い、中国側は焼却過程における微量成分の挙動の検討、都市ゴミの熱分解とガス化特性の解明を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、最適なゴミ焼却法の選定法とその指針を科学的に提案し、廃棄物の有効利用技術の発展につながることが期待される。
ヤオ・ホン 華中科学技術大学
石炭燃焼国家重点研究室
教授
3 バイオ燃料と太陽熱のハイブリッド加熱のスターリングエンジンによる熱電併給システム 原村 嘉彦 神奈川大学
工学部
教授
本研究は、バイオ燃料と太陽熱のハイブリッドエネルギー源による熱電供給システムを開発することを目的とする。 具体的には、日本側は木質を中心としたバイオマス燃料によるスターリングエンジンの特性を検討し、スターリングエンジン内部の流動・熱伝達に関する熱力学特性の実証を行い、中国側は、ハイブリッドエンジンに必要な高温ヒートパイプの特性を検討し、スターリングエンジン内部の流動・熱伝達のシミュレーションを行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、安定した熱電併給システムを構築し、効率的でかつクリーンなエネルギー利用に貢献することが期待される。
タン・ダウェイ 中国科学院
工程熱物理研究所
教授
4 廃バイオマスからの燃料ガス生産を最適化するための微生物フローラの制御技術開発 三宅 淳 大阪大学
大学院基礎工学研究科
教授
本研究は、微生物フローラ(水素発酵細菌相)からなる擬集体を用いて、バイオマスから高効率かつ低コストで燃料ガスを生産するシステムを開発することを目的とする。 具体的には、日本側は水素発酵細菌間の相互作用を高め、物質変換効率ならびに水素発生能力を向上させる技術を開発し、中国側は機能性材料と擬集体の相互作用を強化する技術開発およびその水素生産システムの評価を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、都市下水から農村まで広く存在するバイオマスを利用して、さまざまな地域での燃料ガス生産が可能になることが期待される。
シン・シンフイ 清華大学
化学工学系
教授
5 高含水・高窒素含有バイオマス系廃棄物からの高効率エネルギー生成 吉川 邦夫 東京工業大学
フロンティア研究機構
教授
本研究は、下水汚泥や焼酎粕などのバイオマス系廃棄物を利用するため、窒素酸化物の排出が少ないクリーンな燃焼システムの開発を目的とする。 具体的には、日本側は水熱処理の際の窒素の挙動や、乾燥についての研究を行い、中国側は、廃棄物を発酵する際の脱塩素方法の検討と、得られる乾燥燃料の燃焼実験を行う。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、これまで利用が進んでいなかった、水含量および窒素含量の高いバイオマス系廃棄物の、有効的な利用方法が確立されることが期待される。
シュー・グワングウェン 中国科学院
プロセス工学研究所
多相複雑系国家重点研究室
教授