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地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)の概要

1.事業の趣旨

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development:SATREPS)は、JSTと独立行政法人 国際協力機構(JICA)が連携して科学技術の競争的研究資金と政府開発援助(ODA)を組み合わせることにより、開発途上国のニーズに基づき、地球規模課題の解決と将来的な社会実装に向けた国際共同研究を推進します。

<SATREPSが目指す3つのポイント>

  1. 日本と開発途上国との国際科学技術協力の強化
  2. 地球規模課題解決のための新たな技術の開発・応用および科学技術水準の向上につながる新たな知見の獲得
  3. キャパシティ・ディベロップメント
※キャパシティ・ディベロップメント:
国際共同研究を通じた開発途上国の自立的研究開発能力の向上と課題解決に資する持続的活動体制の構築、また、地球の未来を担う日本と途上国の人材育成とネットワークの形成。

SATREPSはこれまで、個別に取り組まれてきたもの同士が手を取り合うことによって生まれる相乗効果を狙ったプログラムです。

科学・技術の振興

  • 研究・開発、イノベーションの促進

国際協力

  • ODA・開発援助

グローバルなニーズへの対応

  • 地球規模課題の解決とそれに対する科学技術コミュニティの貢献

ローカルなニーズへの対応

  • 開発途上国においてローカルなニーズとして露見している課題への対応&キャパシティ・ディベロップメント

日本の能力とパワー

  • 世界をリードする高い技術力とこれまでの研究実績
  • ソフトパワー

途上国の能力とポテンシャル

  • 地球規模課題の研究フィールドや対象物、関連データや経験・知見
  • 新たな市場・産業、グローバル・エコノミーへの貢献のチャンス

2.プロジェクトの規模

JST+JICA総額:1課題あたり1億円程度/年
(JST:1課題あたり3800万円程度/年)

3.プロジェクト実績

平成20年4月以降、計4回国際共同研究課題を募集・選考しています。

環境・エネルギー、生物資源、防災、感染症の4つの研究分野に設定された6つの研究領域において、現在33ヵ国で60課題を推進しています。

<SATREPSにおける採択状況>

研究分野・研究領域 地域別内訳 H20 H21 H22 H23
アジア アフリカ その他
合計 12 20 17 11
環境・エネルギー分野研究領域「気候変動の適応又は緩和に資する研究」 31 18 11
環境・エネルギー分野研究領域「低炭素社会の実現に向けたエネルギーシステムに関する研究」
環境・エネルギー分野研究領域「地球規模の環境課題の解決に資する研究」
生物資源分野研究領域「生物資源の持続可能な生産・利用に資する研究」
防災分野研究領域「開発途上国のニーズを踏まえた防災科学技術」
感染症分野研究領域「開発途上国のニーズを踏まえた感染症対策研究」

<SATREPSの相手国>

アジア アフガニスタン、インド、インドネシア、スリランカ、タイ、バングラデシュ、フィリピン、ブータン、ベトナム、マレーシア
アフリカ アルジェリア、エジプト、ガーナ、ガボン、カメルーン、ケニア、ザンビア、スーダン、タンザニア、チュニジア、ナミビア、ブルキナファソ、ボツワナ、南アフリカ共和国、モザンビーク
その他 ブラジル、ペルー、ボリビア、クロアチア、チリ、ツバル、パナマ、メキシコ