課題名 | 日本側 研究代表者 |
所属・役職 | 課題概要 | |
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英国側 研究代表者 |
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1 | 電流誘起磁壁ダイナミクスに関する日英共同研究 | 多々良 源 | 首都大学東京 大学院理工学研究科 准教授 |
本研究交流は、磁性ナノ細線中の電流誘起磁壁移動現象におけるスピン軌道相互作用を解析することにより、高効率な磁壁移動を実現することを目的とする。 具体的には、磁性ナノワイヤ中に電流を流した際に発生するスピン移動トルクについて、日本側は非断熱スピン移行トルクに注目した理論的解析を担当し、英国側は電流誘起磁壁移動の実験的解析を担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、電流誘起磁化反転の省電力化と高速化が実現し、現在のメモリが持つ問題点を解決した大容量不揮発メモリの実用化が期待される。 |
クリストフファー・マローズ | リーズ大学 物理・天文学部 研究リーダー |
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2 | グラフェンを基盤とした透明な有機エレクトロニクス | 樽茶 清悟 | 東京大学 大学院工学系研究科 教授 |
本研究交流は、グラフェンを化学的に修飾することによってそのバンドギャップを制御し、新奇な有機エレクトロニクス素子や有機オプトエレクトロニクス素子を、グラフェンを基盤として創り出すことを目的とする。 具体的には、日本側は化学修飾されたグラフェンのナノトランジスタとしての電気的特性の解析などを担当し、英国側はグラフェンの化学修飾法やバンドギャップの評価などを担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、従来の無機材料では避けられなかった発光・受光素子と他のトランジスタとの互換性を克服し、ガラスのコーティングを電気的に制御するスマ-トウィンドウなどへの応用も期待される。 |
ウィリアム・バーンズ | エクセター大学 グラフェンセンター 教授 |
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3 | 不揮発性アトムトランジスタを用いた低消費電力ロジックシステム | 長谷川 剛 | 物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 主任研究者 |
本研究交流は、金属酸化物系3端子素子「アトムトランジスタ」とナノ電気機械スイッチ素子(NEMS)を複合化し、不揮発性・極低消費電力ロジックシステムを開発することを目的とする。 具体的には、日本側はアトムトランジスタとその複合化素子構造の設計・開発と評価、英国側はNEMS素子の設計・製作、ならびに複合化回路の設計とその評価を担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、演算と記憶が同時に行われる脳型演算処理が実現し、低消費電力動作が可能な新しいロジックシステムが開発されることが期待される。 |
水田 博 | サザンプトン大学 電子・計算科学部 教授 |
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4 | 高性能室温熱電酸化物材料の探索 | 舟橋 良次 | 産業技術総合研究所 ユビキタスエネルギー研究部門 主任研究員 |
本研究交流は、テルル(Te)のようなレアメタル(希少金属)や毒性金属を含まない酸化物熱電材料を開発し、熱電発電モジュールの製造に必要な電極の強接合力と低接合電気抵抗に関する技術を開発することを目的とする。 具体的には、特にペロブスカイトやスピネル構造を有するチタン(Ti)系酸化物に注目し、日本側はその試料合成と熱電特性の解析、英国側は微少領域の物性評価と組織観察を担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、レアメタルや毒性金属を含まない耐久性に優れた熱電材料が開発され、廃熱や太陽熱などから安価、安全で環境に優しく、災害など非常時でも発電が可能になることが期待される。 |
ロバート・フリーア | マンチェスター大学 材料学部 教授 |