<用語解説>

(1) mGluR1:グルタミン酸受容体はイオノトロピック型とメタボトロピック型に大別される。メタボトロピック型受容体(mGluR)はグルタミン酸による受容体刺激が伝わると細胞内情報伝達系と言われる第二次メッセンジャーを介してさらに刺激が伝播される型をいう。mGluRは大きく3グループに分けられているが、さらに細分化されている。中でもmGluR1は脳内に広く存在し、シナプス伝達やシナプスの可塑性に関与している。mGluR1は細胞膜7回貫通型の構造を示し、図1に示すごとく細胞外領域・膜貫通部位・細胞内領域からなる。今回の成果は細胞内領域についての知見である。
(2) シナプス:神経細胞間あるいは神経突起間の接合部位を言い、中枢神経系では約20nmの隙間がある。シナプス前膜から放出された神経伝達物質はこの間を拡散しシナプス後膜の受容体と結合し情報を次に伝える。
(3) FRET:Fluorescence resonance energy transfer、蛍光共鳴エネルギー転移
ドナーとアクセプターと呼ばれる2種類の蛍光物質が100Å(Å:10のマイナス10乗メートル)以内に近づいた時に、ドナーが発した光エネルギーをアクセプターが吸収することをいう。ドナーとアクセプターが蛍光物質である場合、その距離によってそれぞれの蛍光強度が変化する。この原理を利用することによって生体物質間の距離の測定が出来る。

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