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別紙

戦略的国際科学技術協力推進事業(研究交流型)
「日本-中国(MOST)研究交流」平成22年度新規課題一覧

課題名 日本側
研究代表者
所属・役職 課題概要
中国側
研究代表者
杭州湾沿岸地帯に分布する年代の異なる水田(30~2,000年の栽培来歴)の土壌有機炭素プールの安定性と土壌炭素の増減に関する研究 安藤 豊 山形大学
農学部
教授
本研究交流は、稲作栽培の年代が異なる水田土壌を対象に、稲作履歴が土壌有機態炭素プール動態や土壌鉱物の組成に及ぼす影響について検討することを目的とする。 具体的には、日本側は土壌試料中の安定同位体や放射性同位元素の測定などを担当し、中国側は土壌試料の採取、土壌有機物や鉱物組成の分析などを担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、稲作が高収量条件下にある土壌の炭素固定メカニズムが明らかになり、沿岸水田土壌で稲作栽培を持続させる技術や有機炭素の集積を増加させる栽培技術の確立が期待される。
Fu Jianrong
(フー・ジャンロン)
浙江省農業科学院
環境・土壌肥料研究所
所長/教授
低質熱の回生技術を用いる低炭素化に関する研究開発 小林 敬幸 名古屋大学
大学院工学研究科
准教授
本研究交流は、工業生産プロセスで排出される低温廃熱を回収・回生する技術を開発することを目的とする。 具体的には、日本側は低温駆動吸着式ヒートポンプの開発を担当し、中国側は自己活性モード振動流ヒートパイプ熱交換器の開発などを担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、ヒートパイプ技術とヒートポンプ技術を組み合わせたシステムが開発され、廃熱回収による省エネルギー化や二酸化炭素排出量の低減に貢献することが期待される。
Li Xuanyou
(リ・シュェンヨウ)
山東省科学院
工業省エネルギー研究所
教授
東アジアの諸都市の気候変化のメカニズムとその予測・計測・評価技術 持田 灯 東北大学
大学院工学研究科
都市・建築学専攻
教授
本研究交流は、北京、上海、広州、東京、福岡など諸都市の都市温暖化対策のための環境計測技術を構築することを目的とする。 具体的には、日本側は数値流体力学的手法を利用した都市微気候の解析モデルの構築、中国側は都市表面の構成材料に関する熱的特性の測定技術開発などを担当する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、冷暖房エネルギー削減のための都市計画や建築設計基準など、都市温暖化を抑制するためのガイドラインが提言されることが期待される。
Meng Qinglin
(モン・チンリン)
華南理工大学
建築学院
教授
気候変動に向けた高温、乾燥および雑草耐性稲系統の開発 本村 恵二 琉球大学
農学部
教授
本研究交流は、耐乾性および耐暑性を持つ雑草耐性稲の系統を開発することを目的とする。 具体的には、日本側が開発した耐暑性・耐乾性を持つ稲品種と中国側が開発した雑草耐性・高収量の稲品種を双方で交配し、その遺伝的解析を進めるとともに、雑草、高温、乾燥の下での稲の生育を分析する。 両国の研究チームが相互補完的に取り組むことで、気候変動に備えた耐乾性および耐暑性を持つ雑草耐性稲系統の育成が期待される。
Kong Chuihua
(コン・チュイファ)
中国農業大学
資源及び環境科学科
教授