課題名 |
「金コロイドを用いた高感度体外診断薬キット」 |
所有者 |
北陸先端科学技術大学院大学、有限会社 バイオデバイステクノロジー、永谷 尚紀、由比 光子、JST |
研究者 |
大阪大学 大学院工学研究科 教授 民谷 栄一 |
委託企業 |
田中貴金属工業 株式会社 |
開発費 |
約3億円 |
開発期間 |
平成19年3月~平成22年3月 |
評価 |
本新技術は、金コロイド粒子のプラズモン効果による発色現象を利用し、前立腺がんの診断マーカーであるPSAの抗原抗体反応から前立腺がんを簡便・迅速に発見する高感度体外診断薬キットに関するものである。
従来技術であるELISA法は、感度は高いものの判定に3時間以上を要し、一方イムノクロマトキットでは判定時間は短いが感度は4ng/mlと低く、前立腺がんの早期発見用としては不十分であった。
本開発の目的は、15分以内に疾病の判定ができ、かつ全血中でも高感度を実現できる体外診断薬キットを作製し、臨床サンプルを用いた評価での有用性を実証することであった。本開発ではこれまで、PSA抗原を認識する複数の抗体から最適な組み合わせを選択するとともに、金コロイド粒径の大きさを調整することにより感度の最適化を行った。一方サンプル血液の溶血を防止するため、マンニトールを展開液に添加すると効果があることが明らかとなった。また、ストリップ血球分離膜での血清分離時間の検討から、全血検体滴下後2分後に展開液を滴下することで非特異発色が抑制されることも見いだした。以上の検討から全血40μlの検体で0.2ng/mlが検出できるストリップが完成し、本開発の目標感度を達成した。全血検体を用いてこのキットの性能評価を行ったところ、陽性一致率、陰性一致率ともに良好であった。
以上の委託開発実施結果から、成否の認定基準であるフルストリップ、全血検体でPSA検出濃度0.2ng/mlを達成したことから、成功終了とするのが適当であると考える。本委託開発で確立された高感度技術は、前立腺がんのみならず他の疾病の診断薬キットへの応用が期待される。
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評価者 |
独創的シーズ展開事業 委託開発
- プログラムディレクター
- 小原 満穂(代行)
- プログラムオフィサー
- 小舘 香椎子、吉村 進、桐野 豊
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評価日 |
平成22年5月11日 |